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北海道日本ハムファイターズの2020年シーズンをポジションごとにレビュー。 サムネイル©報知新聞社
金村のリリーフ転向についての記事の後編を書く筆が進まないうちに今季も開幕してしまったので、4年ぶりの開幕カード勝ち越しとなった開幕3連戦をデータとともに振り返りたい。 1 高速化 まず、チームとしての大きな変化を感じたのは、リリーフ投手の球速アップだ。 過去2シーズンの開幕カードでのリリーフ投手のストレートの平均球速が145キロ台だったところから、今季は150キロ台まで大きくアップ。 選手別で見ても、河野を除く6投手の最高球速が150キロ以上を記録。7人のうち
金村尚真のリリーフへの配置転換が物議を醸している。 投手をどう起用するかについて、戦力を最大化するという観点と当該選手のキャリアへの影響という観点から考察し、今回の金村のリリーフへの配置転換の是非を考えていく。 1 戦力の計算 まずは、戦力面で先発とリリーフをどう構成すべきか考えてみよう。 投手の運用は端的にいうと、”シーズン143試合、1300イニング弱をチームでどう分配するか”である。 この前提であれば、チーム内の良い投手から順番に多くのイニングを分配
今回は少し趣向を変えて、最近話題のフリーエージェント制度における補償の全貌をフリーエージェント規約から解説していく。 フリーエージェント規約は以下のリンク先から確認することができる。2009年に作成されたものであるが、2009年以降内容に変更はないものと思われる。 https://jpbpa.net/wp-content/uploads/2021/12/fa2009.pdf 補償制度については、第10条(球団の補償)において規定されている。全7項にわたるが、一つ一つ
2022年12月、5年間過ごした名古屋に別れを告げ、アリエルが選んだ新天地は北海道。 シーズン前に選出されたWBCキューバ代表で準決勝まで戦い、その後わずか1週間の調整のみで迎えたアリエル・マルティネスの2023年についてレビューしていく。 1 基本スタッツ 2023年シーズンの基本的な打撃成績は以下のとおり。 プロ初の規定打席に到達。安打、二塁打、本塁打等の積み上げ系のスタッツは軒並みキャリアハイ。 打率、OPSその他の指標においては、終盤に尻すぼみとなり、
2023年3月30日、エスコンフィールド元年の開幕戦。四番の座を射止め、ポジションは自身がプロ入りから守り続けてきたサード。これ以上ないシーズンインだった。 しかし、シーズンが始まってからは上手くいくことばかりではなかった。プロ入り後初めて大きな怪我なく過ごすことができたものの、6月にサードのポジションを清宮に譲り、7月には不調による登録抹消を経験するなど苦しい一年となった。 苦しみながら一年間怪我なく戦い抜いた野村の2023年についてレビューしていく。 1 基本スタ
背水の陣で臨んだ2022年、右打者として球団史上初の首位打者を獲得し、一気にチームの中心選手に成長した松本剛。 そして、エスコンフィールド元年となった2023年。打線の核だった同期が退団し、気がつけばブレイクからわずか一年で周囲からチームリーダーとしての活躍を期待される存在となっていた。 そんな中で一年間完走した松本剛の2023年についてレビューしていく。 1 基本スタッツ 2023年シーズンの基本的な打撃成績は以下のとおり。 2年連続3度目の規定打席に到達。
2023年シーズンも終了し、ファイターズは1974-75年以来約半世紀ぶり2年連続の最下位。勝率こそ昨年を2厘上回ったものの借金22は横ばい。頭を抱えたくなる事実が並んだ。 皆さんは足早に2023年に別れを告げ、来季を見据えた新戦力の補強に心を躍らせているところでしょう。 そんな2023年シーズンにも、選手個々にはポジティブな要素がいくつもあった。 中でも万波 中正は最終盤まで本塁打王争いを繰り広げるなど一気にチームの顔になったといえる。 今回は、万波の2023年
交流戦4連勝フィニッシュを飾ってから意識を失っていました。それ以降の記憶が一切ありません。そろそろAクラスが見えてきた頃でしょうか。 さて、今回は打席結果がどうやって生じるかを分解し、打者のタイプや課題を可視化することができないか考えてみます。 1 打席結果とアプローチ 優秀な打者とは、どんな打者でしょうか。 プロスポーツは結果が全てと言われます。 打率3割、ホームラン30本、OPS8割超など、一般的に優秀な打者の基準とされているのは打席結果の積み重ねに区切
1 Team期間:5月30日~6月21日 ~戦績~ 10勝8敗 勝率.555(12球団中5位) 得点 59(8位) 失点 45(1位) 得失点差 +3(4位) 得失点差プラスを継続(本企画4回連続)。 カープ戦、ベイスターズ戦は厳しい試合となったものの、その次のカードのタイガース戦、ドラゴンズ戦で見事に立て直し、12球団最少失点。 ~チーム打撃成績~ ・打率こそそこまで高くないが本塁打数が全体で2位になるなど長打力で得点力をカバー。 ・投手陣が打率.208(2
1 Team期間:5月16日~5月29日 ~戦績~ 6勝6敗 勝率.500(リーグ3位タイ) 得点 37(リーグ3位) 失点 34(リーグ4位) 得失点差 +3(リーグ4位) 前回とほとんど変わらない内容。 得失点差プラスは3連続。 ~チーム打撃成績~ ・打率が2割を切る結果に ・三振がかなり多く、打者4人で1度は三振を記録していたペース ~チーム投球成績~ ・防御率は12球団トップ ・空振り奪取%、ボール球スイング%がともにワースト 2 Biweekl
1 Team期間:5月2日~5月15日 ~戦績~ 6勝5敗 勝率.545(リーグ4位) 得点 33(リーグ4位) 失点 28(リーグ1位タイ) 得失点差 +5(リーグ3位) 失点が大幅減でこの2週間ではリーグトップ。 得失点差プラスを前回から継続。 ~チーム打撃成績~ ・セ・リーグがかなりの打高状態でかすんでいるが成績自体はリーグ上位 ・チームとして多かった四球が減っているのがやや気がかり ~チーム投球成績~ ・先発・リリーフともに好調を維持し、軒並み成績
1 Team期間:4月18日~5月1日 ~戦績~ 5勝6敗 勝率.455(リーグ4位タイ) 得点 46(リーグ1位) 失点 42(リーグ5位タイ) 得失点差 +2(リーグ2位) 得点力が大きく改善。 得失点差で見ればプラスに。 ~チーム打撃成績~ ・前の2週間と比べると、全ての指標で上回る結果に ・四球を多く選んでいた清宮が抜けても、なお四球%の高さを維持 ~チーム投球成績~ ・こちらは依然として低迷中 2 Biweekly MVP(2週間MVP)この2
2週間に1回、月曜日に2週間のファイターズの振り返りをしていく。 今回は開幕からの5カードの結果をレビュー。 1 Team期間:3月30日~4月17日 ~戦績~ 4勝10敗 勝率.286(リーグ6位) 得点 39(リーグ5位) 失点 57(リーグ6位) 得失点差 -18(リーグ5位) ~チーム打撃成績~ ・そもそもの打率が低迷しているのはもちろん、長打の割合も減少 ・昨年比で三振%は改善していないが、四球%は改善 ~チーム投球成績~ ・軒並み平均以下、特に
これまで打順に流動性を持たせ、様々なパターンの打線を組んできたBIGBOSSが、5月10日から当面の間、ファイターズの近未来の核を担うプロスペクトトリオ 3番・清宮幸太郎(22歳) 4番・野村佑希(21歳) 5番・万波中正(22歳) を固定して起用することを明言した。 "スター"候補筆頭の3人について、データから成長と課題を見ていこう。 1 清宮幸太郎、5年目の進化 開幕前から理想のスイングデザインを追求し、打撃改造に取り組んできた清宮。打率こそプロ入り後の過去4年と同
開幕から1か月、借金は4月終了時点で10、最下位。それでも、たしかにチームに変革が起きている。 顕著なのは、長打力。チーム本塁打数と長打率はリーグトップ。昨年、この2つがリーグで断トツ最下位だったファイターズの打線の印象が180度変わった。 2019年からの3年間と今年の打撃成績を比較してみよう。 カギは西川、大田、中田のコア3選手。彼らが活躍していた最初の2年と比べ、彼らが不調だった昨季は特に落ち込んでいることが分かる。 そして、彼らが全員退団した今季、打率、
名護・国頭でのキャンプが始まってから53日目。 キャンプ、オープン戦とユニークな持論を展開し、具現化してきた新庄剛志ビッグボスの初陣が約1時間半後に迫った。 今回は開幕戦のプレビューをしていこう。 1 開幕投手・北山亘基 昨日の午前10時半頃、Twitterでビッグボスが発表した開幕投手はルーキーの北山亘基。 SNSでの投稿がニュースになるような現代においては、マスコミを集めて発表するよりもSNSの投稿で発表する方がより直接的であり、ファンに直接発表する形をとったのは