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パルプ小説:West Side Stream 3

「水割りでいいですか?」
「あっ、はい。」
薄暗い店内。
「イッラッsシャァセェー。ボトぅーる入りヤッス。」店内に聞こえるボーイの声。
ふと、あのおばちゃんは何だったんだろう?自分に問いかける。
「萌です。よろしくお願いします。」

「あっ、イトウです。よろしく。」

「ええww。自分の名前言っちゃうのww!?」
しまったぁ。つい癖で自己紹介してしまった。

「あっ、いや、違う」

「何が違うのww?」

「違う、そう。本名。何か問題でも?」

「別に大丈夫笑笑。始めまして。」

「こちらこそ、よろしく。」
ここで、ようやく顔をみる。
可愛い。

「萌ちゃんっていうんだ。可愛い名前だね。」

「うん、まぁね。本名じゃないんだけどね。」

「ガハハハ。」友人のクソでかい声が聞こえる。
近くで話している人の声は遠く。遠くのスピーカーから流れる音は近い。

「もも子っていうの、ちょっと芋くさいけど。」
「めっちゃ可愛いやん!!」
友人の方を見ると、友人についているキャバ嬢をと話しているようだった。
「へー、確かにイモいは。」
「ちょっとwwやめてよww気にしているんだからww」
「いや、いい名前、いい名前、良い良い。」
「繰り返して言わないでよww」


ここにいますよ。おばちゃん。本名言うてもダメですよ。
源氏名使っているのですよー。
ふと、おばちゃんのことを思いを馳せる。今頃、夜の街を漂っているんだろうなーと思う。
おばちゃんが探しているもも子がこの女の子と決まったわけではないけど、この女の子はおばちゃんの何?まさか、娘?

「ねぇねぇ、聞いている?」
「へぇ!?」
「全然聞いてないじゃん!だから、クリームシチューにご飯かけてもいい派、ダメな派」
酒で頭はクラクラしているが、アルコールとニコチンのおかげで、脳が活性化している。脈を打っているのがわかる。カラダは疲れていて、眠気がカラダとアタマでバラバラになっている。

「俺は〜。どっちでもいいかな〜!?」
「何それー。」
「味がついていれば、全然かけても大丈夫かな〜」
「何それありえない!?」
「へぇ、ご飯にかけちゃダメなの!?」
「うちもご飯かける派だけど。」
「何がありえないんだよ!?」
嘲笑的な笑いをする。
「もうー知らないよ!!」

「そんな金はないよ。無理」
友人の声が聞こえる。女の子の飲み物断ってるんだろうなー。と思いながら、クソまずい水割りを飲む。後に残るんだよ。と思いながら、口をつける。

「これ、とりあえず、名刺。LINE IDも載っているから連絡してね。」
【続く】

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