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”ライフ・ウィズ・ミュージック” 自分を愛するにはあなたが必要

先日、「ライフ・ウィズ・ミュージック」の試写会に参加させていただきました。
大好きな作品でしたので、その時に鑑賞した感想・考察について書いていきたいと思います。

こちらの記事で今作の監督・製作・原案・脚本である「国境なきポップスター」Siaについて、自分の体験も併せながら書いているので、Siaについてもっと知りたい、この作品が気になる、これから観ようとしている、なんて方は読んでいただけると嬉しいです。

それではこれから今作のネタバレもありで感想・考察を書いていくのでよろしくお願いします。

自分を愛するにはあなたの助けが必要

今まで生きてきたけど愛されていない、愛が欲しい、そんな者同士が出会う。
そしてミュージックと愛を探していく。

この映画は困難な現実の中で愛を模索していく物語です。

それでもなかなか愛を見つけることはできません。
欲しいものはわかっているのにそれを手にすることができない。
その苦悩と一向に良くならない生活の両方に支配されています。

それではどのように愛を学んでいったのでしょう。
"Together"にこのような歌詞があります。

You can’t love me unless you love you too
「自分を愛さないなら、私のことも愛せない」

この言葉にあるように相手を愛する前に、自分を愛することが必要です。
しかし、自分を愛するということは簡単なことなのでしょうか。

決して簡単なことではありません。
ではどうしたら良いのか。
この映画は、自分を愛するために他の人の助けを必要としてもいいじゃないかと言っているような気がします。

一人で思い詰めていた主人公ズーは、だんだんと大家さんや隣人のエボに助けを求めるようになります。
この助けを求められるようなコミュニティが大切なのではないでしょうか。
自分を愛するにもあなたの助けが必要。
自己責任なんかじゃなく、一緒になってほしい。
そんな願いが込められているのではないでしょうか。

この作品は"Together"の映画です。
uniのしんのすけさんが
ミュージックがいなかったら冒頭に描かれていたお互いに支え合う地域のコミュニティはなかった
のようなことをおっしゃっていました。
ミュージックが地域の人々がTogetherできるきっかけを作り出したのでした。
さらに言うならばミュージック、つまり音楽は私たちが孤独から解放されるきっかけを生み出してくれるのではないでしょうか。

孤独だったズーが少しずつ他の人と一緒になっていく。

そして最後の”Together"のシーンになります。

”一緒ならもっと上に行ける”

孤独と自己責任を意識せざるを得なくなった今日。
そんな世界へのアンチテーゼとして、「自分を愛して、一緒になってもっと上に行こうよ!」というメッセージは力強く、最後のシーンの理想のような世界には涙せずにはいられませんでした。
どんな人であろうとも、お互いに助け合い、そして一緒に踊る。そんな世界を目指して明日から生きていこう。
そう思わせてくれる映画でした。

心のミュージカル

この映画では一つの生きる道を教えてくれていると思います。
それは心のミュージカルを広げる、ということです。

この映画はミュージカル映画ではないので
音楽パートは現実の物語に直結することはなく、完全に妄想の世界と思われます。

その妄想の世界が大切なのではないでしょうか。

ズーは少しずつ生きることに希望を持つにつれて、音楽パートに参加してきます。
ミュージックは常に自分の妄想世界という希望を持って
生きていたのではないでしょうか。

辛い時こそ、その辛いことに囚われてしまいます。
そんな時に現実を直視しすぎることなく、
自分の精神世界へと現実逃避をするのも一つの手ではないでしょうか。

困難なことに立ち向かうのに心のミュージカルを広げたっていいじゃないか。
そんなメッセージが込められているのかもしれません。


以上になります。
本当はもっと書きたいことがあったのですが、自分の考えがまとまらなかったり、一番伝えたいことがわからなくなってしまったりしたのでここで終わりにします。
ここまで読んでいただきありがとうございました。

最後に一つだけ。"Miracle" 入ってて欲しかった!

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