Music × English なエッセイ 【16】
今回の動画
未来予知なんてできない。
レディオヘッドのボーカル、トム・ヨークが別プロジェクトとして結成したザ・スマイル。
シニシズムやペシミズムの色が濃厚な彼が、微笑みってバンドを結成するからには猛毒が入ってそうですよね。
We Don't Know What Tomorrow Brings
歌詞
試訳
訳出にあたり考えたこと
訳の該当箇所に、慣用句などについて辞書サイトへのリンクなどを張ってみました。
トム・ヨークが名門大学を出てるからというわけじゃないでしょうが、抽象的ですよね。
もちろん、アートなのだから、解釈を聴き手に委ねるという手法は可能なんですけど。
ただ、2020年代に格差が開いていく中、非道いゲームが展開されているという批判は、歌詞の外の世界の現状とリンクするものに思えます。
話者の人生はマンネリ、膠着状態で一か所にとどまってしまっている。
注も付したのですが、彼に迫ってくる両サイドというのは、突然現れるわけで、何の寓意だろうと。
政治的に左右のどっちかに立てということなのか、倫理的道義的に善悪や正邪のどっちを選ぶのかということか…。楽曲の緊迫感からすると、中道や中庸は許してくれなさそうな。
いわゆる立場を決めろというやつなのか。
そう強いてくると。
バース2においては、持たざる者から持てる者になれとでも言わんばかり(隣の芝生云々、というくだり)。
しかし、レディオヘッド時代から一貫して、トムは資本主義の暴走を非難したり、皮肉ってきたはず。
だとすると、整合的に解そうとする場合、無関係に溺れていくというのは、合理性とか効率性とか、功利主義的な競争の土俵(リングでもフィールドでもよいが)の外、慈悲とか友情愛情、効率を落とすような(しかしヒューマニティーには値するような)事柄で苦しんで、競争に負けていくさまなのだろうか?
そうすると、何が起こるかわからないから備えようというような、例えば「日本人は保険大好き(無駄含む)」みたいな話になりかねない気もします(苦笑)。
ただ、一方で、メシア待望論じゃないけれども、生き永らえれば、救いがあるかもしれない。次があるかもしれないだろ?という臥薪嘗胆のメッセージにもとれるかもしれません。
徐々にフェイドアウトしていく締めくくり方からすると、悲壮感が強いけど…。それでもなお?無理筋ですかね…(汗)。
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