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「Going in style」にみる残された時間の使い方

スヌーピーはボクの先生だ
達観して多次元世界のその更に俯瞰的な場所にいる
そこが涅槃かどうかは理解を超えているため
語るには無理がある

神の向こう側にいる特異な存在は極端に数が少ない

あれ?…

ちがうちがうちがうちがう(無惨風に)

映画の話がしたいんだ
脳みそ爆発してないのでご安心ください

僕は劇場での観賞も良いけど
ネトフリとかで気軽に観られる作品を
紹介したいと思ってます

今回は邦題が嫌な感じなので
原題で紹介してます

だってさ、「ジーサンズ」はちょっと…ね

たしかに
老齢の男たちのお話ですよ?
引退をして年金暮らしの労働者たち3人が
この物語の主人公だけれども
はじめての強盗ってサブタイトルも
なんだかなぁ…と感じてしまったのでね

いや、一生懸命に考えて議論を交わした上での
邦題だったんでしょう
そこを否定なんかしない
コメディだからってのもあったのかもしれない

だけどね、僕的にはどうにも納得できんのです

さて、
この作品の内容について少し触れてみよう

マイケル・ケイン
モーガン・フリーマン
アラン・アーキン

名優と呼ばれる役者たちが1時間36分という
決して長くない本編の中で
なんとまぁ素晴らしい演技だ
真面目にクソがつくジョーを演じるマイケル
彼に災難が訪れる
融資の返済額が大きく変動し銀行から督促状が…
冷酷な銀行員に腹を立てているところへ
銀行強盗が現れる
銃を向けられ大人しく従うジョーは自分の財布も差し出そうとするが強盗は何故か断る
更に強盗は年寄りは助けるものだと言い放ち
僅かの間に誰も傷つけることなく
目的を達し去っていった

その強烈な出来事の後に40年勤め上げた会社から
ジョー達は工場の閉鎖と年金の打切りを告げられる

持家を奪われる事態になったり
生活が出来ない危機を迎えた3人は
ジョーが遭遇した強盗と同じ手口でやろうと考える






てな具合でトントンと話は進んで行く
切羽詰まって勢いを増す感じ
それがむしろ楽しそうでもある
追い詰められた人間は何をするのか
そして、覚悟を決めた男たちは
いくつであろうとかっこいい

善良な老人たちの行う犯行の言い訳めいた流れが
前半を占めるんだけど

ここで登場する悪役は犯罪者ではなく
銀行やFBIだったりする

それにしてもモーガン・フリーマンの凄さよ…

ある時は年金暮らし
ある時はC.E.O
またある時はムショ仲間
なんともまぁ汎用性の高いことで…
そしてどの役であろうともハマる

僕にとってはドキュメンタリー映画のナレーション
ってなイメージだけど…

とにかく!
スゲェジジィ…(ジジィいうたらあかんわ)
凄い役者さんです





そんな大物役者さんたちが劇中で
「あと何年生きられると思う?」
などという会話をするんだけど
それがね
悲壮感のない感じで
かと言ってジョークでもなくて
でも一瞬マジに考えてリアルに答える

そういったシーンが何気に挿入されている
観る側のこっちも一瞬考えてしまう

[僕はあとどれくらい生きられるのだろう?]

とりたてて重い病気ではないし
健康診断も異常はない
毎日元気かと言われれば?マークは付く程度
統計的な年齢に達したら逝くだろうけど
あまり現実味を感じる程じゃない

いきいきとした老人たちが活躍する姿を見て
僕は同じところをクルクルと回るような生活を送って
退屈しているのかも知れないと思った
単なるコメディ映画などではなく
精一杯抗って生き抜こうとする気力というものは
勝手に湧いて出たりはしない
外的要因が絡んでいたりするものだと
妙に納得してしまった

この劇中には
時代に取り残された哀しき老人の姿はない
又、次世代に向けて偉そうに語る現役を
退いた老人の姿もない
ただ楽しもうとする人たちで溢れていた
「パイくらい好きなだけ楽しみたい」
そういった細やかな楽しみを大切にする人たち

ぶっ飛んだ事をやらかしてるけど
その目的はただ穏やかな日常を取り戻そうとした
それだけの事だったんだ

銀行強盗なんて大胆な犯行を行うんだけど
取るのは生涯の年金相当
それ以上だったら寄付すると予め決めていた

富の分配っていうカタルシスで幕となる

と、まぁ
なんともハートウォーミングなコメディなのだが
中国人の子供が事実をねじ曲げた虚偽によって
難を逃れたり極々近しい者たちに寄付したりとか
いろいろとクセー感じはするけれど
実力派俳優による味わい深い芝居は
没入感を堪能できる事間違いなし

気軽にお勧めできる良作です。

ただ、年金止められたからって
銀行強盗しちゃあダメ
しかも捕まらないなんてもっとダメ
どつかからぶん獲る以外の事考えられんのか
とは思う


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