天音朝陽(てんのん ちょうよう)

完全素人の小説家志望です。 練習作や、勉強の過程で気づいたことを投稿してゆきます。 長…

天音朝陽(てんのん ちょうよう)

完全素人の小説家志望です。 練習作や、勉強の過程で気づいたことを投稿してゆきます。 長崎県の佐世保市に住んでいる40代後半の男性です。

最近の記事

追放王女と傭兵団長 ~王女は傭兵団長に奴隷として買われる~ 第5話~第7話 +1章まとめ (合計9000文字)

前回 1話~4話は以下のリンク先にあります。 追放王女と傭兵団長 ~王女は傭兵団長に奴隷として買われる~ 第1話~第4話天音朝陽(てんのん ちょうよう) (note.com) ♥は性的描写・暴力描写ありの回です 第5話 べアトを買う会議が開かれるユキが細い指先を伸ばし、棚に置いてあるベルを五回続けて鳴らす。 『役職者はホールに集合、緊急会議』の合図だ。  ズボンをはく衣擦れ、ドタドタと廊下を走る音、扉の開け閉めの音が響き、十名ばかりの黒鷲傭兵団の幹部たちが集まってきた。

    • 追放王女と傭兵団長 ~王女は傭兵団長に奴隷として買われる~ 第一章・第1話~第4話

      【この物語を読むかどうか? の判断に利用してください】こんにちは、作者の天音朝陽です。 タイトルなどに興味を持っていただき、ここを覗いてもらっていると思います。 ■あらすじは、異世界ファンタジーの世界観の小説でよくある『大変な目にあったお姫様が、強い男に惚れられて~逆襲』に似た感じの、ややテンプレに沿ったものです。 ①追放された凛々しくも可憐な王女を、獣のように逞しい傭兵団長が奴隷として買います。 ②王女は団長からは最初ひどい目にあいます。それでも王女は、鍛えたり、悪

      • 掌編小説『香奈枝と裏龍は合流せず』 1500文字

        女流剣士・香奈枝(かなえ)は思わず、はっ!と声を上げる。 行く路地の先、、満月に照らされた竹岡裏龍(たけおか りりゅう/以後 裏龍)の影に気づく。 目をあげるとそこには、確かに彼がいる。 「この道を通ると思っていた」 「どうして、知っているんですか?」 様々な感情が一瞬のうちに湧き上がる。 しかし、そのすべての気持ちを悟られぬよう、無表情を決め込むと、無視するように歩き続けた。 そして、当たり前のような疑問が思いついたのは、その次だった。 (なぜ、彼は私の『仕事』の件

        • 三行小説『親友』

          『親友』 「はぁ~、最近つまんないな・・・、お前はどうよ」 「そう言えば、片思いの図書委員長がさ昼間なのに『月が奇麗ですね』って赤い顔して言うんだ、変わってるなあ、アイツ」 「家に帰ったら「夏目漱石 月」で検索しろ、・・・久々に良いことあったわ」

        追放王女と傭兵団長 ~王女は傭兵団長に奴隷として買われる~ 第5話~第7話 +1章まとめ (合計9000文字)

          『35年前の先生の声』に応えたい

           ふたつの用事で実家をたずねました。    ひとつは母からの「知り合いからのお土産があるから、取りに来て」の件。 もうひとつは、『35年前の先生の言葉』を確認したいというもの。  自分が小学六年時の、担任の先生の言葉、というかコメントです。はっきり覚えていなかったので、それを確認するのが目的です。  私の住む、長崎県佐世保市の小学校では夏休みの(国数理社の)宿題が「夏休みの友」という一冊の冊子にまとまっており、そこに書き込んで提出するカタチをとっておりました。  その「

          『35年前の先生の声』に応えたい

          【無料版のChatGPT3】で小説ストーリーを考えるための荒業 (ただし未完成)

          ここで紹介する方法は、まだ未完成ですので、かなり掟破りな方法かもしれません。 ですが、あなたの想像力・創造力に大きな力を与える一手になると私は確信しています。 かくいう私も、この裏技を使って出したアイデアで、短編小説をひとつ書き上げました。 「まあ、未完成でもいいよ、見てあげるよ!」という心優しいかたは、どうかお付き合いください 昨今、ChatGTPに 「小説を書いてもらう」 「アイデアを出してもらう」 「小説のプロットを考えてもらう」 このような記事はあちこちで見ます。

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          掌編小説『陣中見舞い』 1470文字

          『陣中見舞い』 「斬らないで!古い知り合いよ・・・」 小将・片桐凍子(かたぎり とうこ)は腕を水平にかかげ、殺気立つ配下の動きをとめた。 白い陣幕の中で空気が揺れる中、信じられない、といった顔つきで参謀たちは侵入者に戸惑っている。 「どうやって、この本陣にまで潜入したの?」 そう問いかけられても、淡路時頼(あわじ ときより)は冷静にかまえていた。 「普通に歩いて来たさ。なんだこの陣の、警固の甘さは?」 あまりに豪胆な発言に、参謀たちはさらに言葉を失った。 時頼は、鎧も

          掌編小説『陣中見舞い』 1470文字

          短編小説『ときよりの庭』                

          【ときよりの庭 ~あおいと壮史・そして健太郎~】 1 あおいの願い 『ごめ、忙しくて』 目覚めと同時に見た、スマホの通知画面。 怒りにまかせて振りかぶると、スマホを枕に叩きつけた。 1日以上待たせておいて、夜中の2時に返信って何?しかも『ごめん』じゃなくて『ごめ』って・・・。 6月も半ば、29歳の誕生日を間近にひかえた水葉あおい(みずは あおい)にとって今日は、最悪の目覚めとなった。 同い年の恋人・高谷健太郎(たかたに けんたろう)の仕事が忙しいのはわかっている。 こ

          短編小説『ときよりの庭』                

          10万文字の長編小説をとりあえず書き上げた後に分かったこと (3000字)

          ( ↓ は前回投稿ぶんです) 物事には、やってみた結果として、わかることがあります。 今回は「10万文字の長編小説をとりあえず書き上げてわかったこと」を、メモ代わりに書きとめようと思います。 これは私自身、書き上げるまでは予想もしていなかったことです。 長編小説をまだ書き上げたことがない人はこんな楽しい事が待っているかもしれませんのでモチベーションアップの材料にしてくださると嬉しく思います。 1 創作したキャラと酒が飲めるようになる 創作したキャラと酒が飲めるように

          10万文字の長編小説をとりあえず書き上げた後に分かったこと (3000字)

          小説家になるための、セリフだけで1シーンを描写する練習小説

          セリフだけで1シーンを描く練習です。セリフだけで、情景・感情・人間関係・前後のストーリーなどを、どこまで表現できるか?挑戦します。 (文章はここから、はじまります) 「はじめて御目にかかります。竹岡流一位剣士の『川島 麻耶(かわしま・まや)』と申します。お会いできて光栄です」 「こちらこそはじめまして、私が石据流支部長であります剣士『石据 香奈枝(いしずえ・かなえ)』です」 「……」 「どうかしましたか?」 「あ、あのう、香奈枝さま、その額の傷は?」 「貴女が気にするこ

          小説家になるための、セリフだけで1シーンを描写する練習小説

          短編小説「雪片」下

          本作は小説制作の練習として、藤沢周平さんの作品「冬の日」を模作したもの下巻です。 江戸の町を舞台とした恋愛小説です。下も上と同じく6000文字近くですので10分程で読めると思います。 上のリンクは以下へ 4 降ってほしい時に、降ってくれるならば 人はそれを雪とは言わない。 余村はそれから半月近くも、衣澄のいる店に行けなかった。 商売の不安が的中したのだ。  三島屋は約束どおり、品物を入れてくれていたのだが、依頼品の二割ほどが入ったあたりで、金を請求してきた。 「

          短編小説「雪片」上

          本作は小説制作の練習として、藤沢周平さんの作品「冬の日」を模作したものです。 江戸の町を舞台とした恋愛小説です。上は6000文字近くですので10分程で読めると思います。 1 人は忘れてゆくのではない。 記憶というものを、体から切り離し、天へ返してゆくのだ。 温もりを持った二人のつながりをも、同じように。 師走もなかば、しんと冷たい江戸の町には、今日も天より無数の雪片が舞い降りていた。 余村がその居酒屋に入ったのは、提灯に書かれた酒の文字に目をひかれたからだ。冷えきっ

          【長編小説の書き方~完全素人・47歳の私が、10万文字の小説をとりあえず書き上げた感想や 発見】

           完全素人の47歳・男性の私が、10万文字の小説をとりあえず書き上げた方法を忘れぬうちに書いておく投稿です。 小説の書き方というより、長編小説を書いたことのない人が書けるようになるためのヒントみたいなものです。 × 小説の書き方 〇 長編小説を書きたい人へのヒント  人生のうちで小説を読んだ数は、20冊くらいかなと思います。 (執筆中に参考として5冊ほど読みました) 文章力は平均的日本人のなかでは、中の中の上かなと思います。クラスの中でトップ5にかろうじて入るくらい。

          【長編小説の書き方~完全素人・47歳の私が、10万文字の小説をとりあえず書き上げた感想や 発見】

          掌編小説「思い出せないキス」

          1 今なぜ、ここで 思い出してしまうのか? “思い出せない”ということを。 確かに掴むことが出来ず、心の中を通りすぎていった、その日の事を。 霧島春希(きりしま・はるき)が、初めてのキスをしたのは中学三年の夏休み。 その彼女とは同じ図書委員で、最初のきっかけは好きな漫画が同じだったことだ。 女子で「スラム・ダンク」が好きって珍しいな、そう思った。新学期になって間もない、五月の緑が力強いころ。 誰もいない図書室のカウンターで長くしゃべった。好きなシーンや、キャラクターに

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