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出不精旅日記 台湾8日目 雨の101、眷村、美しい鳥と肋骨のひびと

ホステルをチェックアウトし、Mちゃんと会い、台北駅のコインロッカーに荷物を預けたら、いざ撮影スポットへ。
今日のテーマは「眷村(けんそん)」。

眷村とは外省人が居住していた地区のことです。
外省人とは1945年以降中国各地から台湾に渡り、台湾人として定住しているひとたちのこと。
中国の内戦が理由で台湾への移住が行われた中華民国国軍とその家族で、約60万人ほどいたと言われています(その子孫の多くが現在も台湾に根付いています)。
彼らがの家が密集した地区は、既存の集落と区別されて「眷村」と呼ばれるようになりました。

上記の通り歴史的に複雑な事情があり、それゆえに差別の問題などもあり、今に至っても禍根は無くはないといいます。
ですから、歴史的な建造物の多くがそうではありますが、訪れて楽しいだけの無邪気なアミューズメントスポットではありません。
台湾はこういった歴史的な建築物を一掃して「なかったこと」にするのではなく、
リノベーションして忘れない、観光地とすることで訪れる人達にも考えてもらう、という選択しています。

今日はMちゃんが
■四四南村
■嘉禾新村
■蟾蜍山煥民新村
の3か所を案内してくれるそうです。

まずは…私事ですみませんが、実は昨日ホステルの近くの誠品で目的の本が一冊しか買えず、もう一度別の誠品に行ってもらいます。
台北はあちこちに大きな誠品があって便利。
本当は独立系の本屋さんも行きたいのですが、それは次回ですね。

夢の本は心理学に分類されたり、ライフスタイルだったり、健康だったり、探すのが大変。
今回はニューエイジ!!

本を買ったら四四南村へ。
バスに乗ります。
ちなみに台湾のバスは結構トばすので、かなり揺れることがあります。注意してください(運転手さんにもよりますが)。
料金は悠々カード(地下鉄でも使うSuicaのようなアレ)を乗るときと降りるときに機械にかざせばOK。

四四南村は有名な高層ビル「台北101」の近くです。
101は信義区にある超高層ビルで2004年に完成。
地上101階建て。高さは509.2mもあるそうで(怖)地下は5階まで(深)。
まだ訪ねたことはありませんが、すごいですね~。
世界で10番目に高いそうです(2023年時点)。

ちなみに私はスカイツリーも登ったことがなく、101は見上げるくらいで満足…どうやら「登攀欲」や「睥睨欲」はあまりないようです。
SFは好きですが宇宙に行きたいという激しい気持ちもありません(興味はなくはないですが)。
美術館に行きたくて六本木ヒルズは登りましたが…
と思い返しているうちに101が見えて来て、Mちゃんに先導されてバスを降ります。

雨に煙る101


入口(見学は無料です)


基本的に中には入れません。外観を見学


長屋のように連なる家。肩を寄せ合う


すぐ隣は民家。歴史と共存する


一部、現在使われている場所もあります(室外機が並んでいる)。


訪れる人が一服できるカフェも


中に入るとベーグル屋さんも
お洒落なお土産屋さん
結構な大きさの本屋さんまで

外に出ると小雨。
お洒落でポップな現代と、歴史の重みが混在して不思議な気持ちになります。

建築物としても興味深い
先ほどのカフェを横から見たところ

そろそろ次のスポットに行こう…
Mちゃんがバス停に移動しようとしたら、彼女にフランス語で話しかける男性が。
どうやら101をバックに自分を撮影してほしいみたい。
自分のスマホを差し出す彼に
好的!
と答え、テキパキと撮影してあげる彼女。
Merci beaucoup.
と彼。
フランス語で話しかける方も話しかける方だけど、全く動じずに台湾華語のMちゃんもMちゃん。
そして無事撮影して、にこにこと別れる二人…。

感心していると…
あら、ここにはとても珍しい鳥がいますね!

かわいい!! お名前は?

ではでは、そこで夢中で撮影している人(夫)、そろそろ行きますよ~
声をかけようとしたら、突然彼が体勢を崩し、頭から地面に倒れるのが見えました。
え、何? どうしたの?!
Mちゃんと二人でその場所に駆け寄ります。
ちなみにそのあたりにいた人もわらわらとみんな駆けつけてくれます。

「あいたた…鳥や建物を撮ってたら、すべった…」
意識はあり、どうも脳の病変とかではないようで…。
小雨で足元が濡れているのに、滑りやすい芝生の上で滑りやすい体勢をとっていたのが原因のようです。

「どこか痛い?」
と聞くと、
「あちこち痛い」
そして濡れた芝生に倒れこんだので、全身びしょ濡れです。
着替えはここから離れた台北駅のロッカーだし、今は冬。
近所のスーパーで安い服を買ってこようかしら…。

近くに寄ってきてくれた他人が口々に
「大丈夫?」
「病院行くか?」
と聞いてくれます。
「これ着るか?」
とネルシャツのようなものを脱いでくれるおじさんも…。

夫が中国語で「ありがとう、大丈夫」と答え、
Mちゃんは自分のバッグをごそごそ探ると黒っぽいレインコートを出して
「これがあるよ」
と夫に渡してくれました。
「これならバスにも乗れる(シートを汚さない)。私はカメラマンだから、こういうのは沢山持っているから」
夫が
「本当にごめんよ。何から何まで…」
と謝りつつレインコートを着ると、周囲の人達は安心して去っていきました。

Mちゃんは
「近くに病院もあるよ」
と言ってくれましたが、夫は
「あいたた…でも今日は最終日だよ。時間がないから、次の眷村に行くよ」

ちなみに帰国してすぐ接骨院に行ったら
「あー、肋骨にひびが入っていますね」
と言われたことをここに御報告しておきます。
医師からは
「何事もなくて良かったわ。肺の近くだし、(飛行機で上昇して肺が膨らんで)上空で激痛が起こることもあるのよ」
とも言われました(手術の必要はありませんでしたが)。
ですから、もし海外でこういうことがあったら、この対処法はおすすめできません。

それにしても…
保険って大事だな…(´;ω;`)ウゥゥ
と思いつつ、私達はまたバスに乗り込みました。

(つづく)

おまけ
夫が転倒時に撮った(撮れてしまった)謎写真。

空?



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