青山学院大学 会計プロフェッション研究科 受験体験談




1.はじめに

青山学院大学の会計プロフェッション研究科の税務マネジメントを受験してきて、合格しました。その体験談を書いていきます。一つ注意点として、院試は資格試験や大学受験と異なり試験内容がブラックボックスです。受ける日程(年度)、面接官、本人の経歴などで試験内容は変わると思われます。

実際に自分の試験内容は、同じく青学を受験した『サラリーマンをしながら税理士取得ブログ』さんの体験談と少し異なりました。このブログも参照して、異なる点を確認すると良いと思います。
 

2.試験内容

2023年度は口述試験でした。少なくともここ数年において、青学は口述試験を採用しています。明治大学は筆記(会計)と面接(研究計画や志望理由)で分かれていますが、青学は面接で一気に両方を審査します。
しかし、試験時間はそれほど長くありません。約20分程度であり、面接という場の緊張感もあって、体感時間は10分くらいでとても短く感じました。

面接は3対1です。面接官のグループは複数あるようで、おそらく研究計画書の専門領域に近いグループとマッチングします。面接官の3人は明確に役割分担がされており、最初の面接官が志望理由書について、次の面接官が会計のこと、最後の面接官が研究計画書について質問してきました。

先述のブログには「会計のことは全く聞かれず、職歴、志望理由、研究計画書についてのみ聞かれた」と書いてありましたが、自分の場合はしっかりと志望理由書、会計、研究計画書とバランス良く聞かれました。

初めに志望理由書についてですが、志望理由書を中心に、今何しているか、税理士になりたい理由などについて質問をされました。
個人的な反省点として、志望理由書について、青学の会計大学院に行きたい理由について多く書きすぎてしまい、自分のことについてあまり書かなかったことです。比率でいえば、自分のことが2で、青学のこと8でしたが、5:5あるいは4:6くらいにすべきで、面接官にもやんわりそのことを指摘されました。面接で質問される事項は割と浅かったです。しっかりと事前に大学院と自分のことを整理すれば容易に答えられると思います。ただ、自分の面接官が甘かった可能性もあります。

次に会計のことについてです。自分の座る場所の前に机があり、そこにラミネート加工されている複数の紙が裏返しで置いてあります。そのに質問が書いてあり、順番にめくって口頭で答えて行く形式になります。
ここが最大級に失敗したと思った点で、青学会計大学院ウェブサイトのよくある質問のコーナーに、簿記と財務会計の問題例がPDFで貼ってあります。そこに書いてあることと、自分の記憶が正しければ、字一句問題が同じでした。
自分はどうせ過去問の内容は試験に出ないだろうと、軽く目を通しておくくらいでした。一応それなりには答えられましたが、事前に質問が公開されていることを考えるとあまり解答の質は良くなかったと思います。しかし、おそらく即興で、面接官がその紙以外の会計の質問してきました。簿記2級のある範囲の会計処理と分類についてで、ここがうまく答えられたことが合格に繋がったような気がします。
また、過去問を見てもらえれば分かりますが、全体的な難易度としては、簿記2級とほんの少し財務諸表論の理論についてといった感じです。ちなみに、工業簿記の質問はなかったです

最後に研究計画書です。ここは先述のブログと同じで、思っていたより深く聞かれました。ただ、自分には税法の知識があまりないので、深く感じただけかもしれません。
具体的な質問としては、研究計画書の問題は法律の何条に該当するか、問題に対する自分の立場(意見)などです。研究計画書の内容を中心に聞かれますので、税法の入門書を読んで基礎から勉強するというよりは、研究計画書の周辺知識を補強するといった感じが良いかもしれません。また、研究計画書をどのように書いたかは後日noteにあげたいと思います。

3.感想

試験の出来は全体的に微妙だったなと感じていたのですが、合格していました。会計は簿記2級程度の知識が基準であり、深い知識が求められるというよりは、受け答えが的確にできて、コミュニケーションできれば合格できるような気がします。
 
税法に関しても、入学時点では知識がなくても大丈夫そうです。明治大学会計大学院の説明会では、入学時に税法の知識は求めないと教員が発言していました。青学の会計大学院でも同様のことが言えると思います。もちろん、研究計画書の内容くらいの税法知識は必要と思いますが、要求水準はそれほど高くないと思います。

・追記(2024年5月6日)
明治大学の説明会でも言ってたと思うのですが、どうやらここ数年で難易度が上がっているらしいです。入学時点で(アカデミックな)税法の知識がそこまで求められないと思いますが、税理士試験の科目合格等の資格や面接の要求水準はあがっている可能性があります。

4.その他

・倍率と試験日程
例年通りであれば、入試は4回あります。説明会では早い日程のほうが受かりやすいと言っていました。しかし、青学の1回目の入試は他大学と比べて、かなりはやいです。入学金と授業料の振込の日程的に、併願することは難しそうです。なので、1回目を受けるのであれば、青学に決める覚悟で受験したほうが良いと思います。
また、青学の入試の倍率は公開されていません。明治大学も同様に公開されていないのですが、説明会の質問でなんとなく2-3倍くらいと推測しました。イメージ的に明治の方が人気ありそうな気がしますが、青学も同じくらいなのでしょうか?

・GPA
説明会で成績(GPA)に関しては考慮されるのか聞きましたが、「参考程度見るくらい」と言っていました。自分のGPAは悪いほうなので不安でしたが、そこに関しては問題なさそうです。

・資格
これは大学関係者に聞いたわけではないのですが、簿記の資格はあったほうが良いと思います。簿記論・財務諸表論があれば最強ですが、なくても簿記2級くらいは取っといたほうが良いと思います。個人的に面接のあの短い時間で会計知識をはかられるよりは、資格を持っていたほうが説得力あると思います。

・研究室訪問
自分は研究室訪問しませんでした。一般的な大学院では研究室訪問は常識のようですが、会計専門職大学院では必要ない気がします。青学は指導教官を選べるわけではならしいので、なおさら研究室訪問は必要ない気がします。

5.おわりに

繰り返しになりますが、院試が必ずしもここで語られた内容通りになるとは限らないので、攻略法ではなく、あくまで「体験談」としてとらえてください。このnoteだけをもとに対策をするのではなく、自分なりに工夫をして対策をすることをおすすめします。それでは院試がんばってください。


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