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過去


おやおや
脱け殻にすがっているキミ
朝になったよ
すっかり明るくなったよ
念願の羽が付いたことだし
大空へ飛び立ちたいだろ
邪魔者が来ないうちに
さあ早く
君を縛る過去は虚ろ
もうそこにキミはいない
戻ることなどできやしない
飛ぶ自信がないのなら
まずはあの高い木の上まで
さあ早く
短い命なんだからね
ためらっている余地はないはずさ
 
 
おせっかいはやめてちょうだい
みどりいろの羽はまだ乾いてないし
あいにく雨混じりの風の吹く朝
クロワッサンみたいな脱け殻は
かけがえのないわが身の一部
ただ一つの確かなもの
長かった過去の暮らしに
名残を惜しむのがいけないこと?
やがて大空が呼びかけてくる
それまで待つの
焦らなくても明日が迎えに来てくれる







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秋らしい夕暮れを過ごせるようになってきました。
みなさん、お元気ですか?

今回のテーマは、夏を惜しみ、蝉にヒントをもらいました。
夏を通して、例年よりも庭で鳴く蝉が少なかったような気がします。
あまりにも暑さが続いたせいでしょうか。

来週も水曜か木曜に更新する予定です。
また見に来てください。
私もみなさんを訪ねます。


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