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さっぱりしたね


少年は髪を切ってもらっていた
はにかみ気味のそのまなざしには
愁いが滲む

愁い と感じたのは
私の先入観かもしれない
ただただ「いま」がうれしいのなら
少年の「いま」を喜ぼう

病院で少年は髪を切ってもらっている
殺風景な部屋だ
清潔そうでもない
避難しているのだろうか
束の間の戦闘休止に
小さな体と心が解き放たれている

少年は家族に可愛がられているのだろう
戦闘のすべての音が消えたとき
ぼさぼさだから髪を切ってもらおうねって
頭を撫でられたにちがいない

戦闘が再開され
無差別に人も建物も破壊されていく
さっぱりした頭の少年は
今どうしているだろう
たとえ息苦しい所に逃れているにしても
悲しい つらい
ばかりでなく
遊んだり 甘えたり
できているなら――

私には祈ることしかできない







   ▼▼▼  △△△  ▼▼▼  △△△

太陽が顔を見せない日は、いっそう寒さが身に染みます。
みなさん、お元気ですか。
私は、適度な筋トレをして体をあたためようと努めていますが、
身体がこきこきしてきて、かえって関節が痛くなったりしています。

今回の詩は、ガザでの戦闘休止が始まった翌日、
11月25日付新聞一面の写真がきっかけで生まれました。
男性に髪を切ってもらっている少年が私を見ていました。
印象的なまなざしでした。

来週も水曜日か木曜日に更新する予定です。
また見に来てください。
私もみなさんを訪ねます。

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