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映画の外側 『理由なき反抗』(1955)


監督


ニコラス・レイ

出演


ジェームズ・ディーン
ナタリー・ウッド
サル・ミネオ

あらすじ

両親と共に街に引っ越してきた17歳の少年・ジム(ジェームズ・ディーン)は、集団暴行事件の容疑者として警察に連行された。彼はそこで少女ジュディ(ナタリー・ウッド)と少年・プレイトウ(サル・ミネオ)と出会う。学校へ転入したジムは不良集団のボス・バズに目をつけられ、決闘を申し込まれる。

演技

・劇中主人公の友人であるミネオは同性愛者という裏設定でこの映画に出演していた。ディーン演じるジム・スタークに対する気持ちは、友情ではなく愛情でした。
ジムへの気持ちをどう表現していいか悩んだミネオはディーンに演技の相談をしました。ディーンは「俺がナタリーを見つめる目つきで俺を見ろ」とアドバイスしたというエピソードがあります。


・劇中シーンで有名なチキン・レース。崖に向かって車を走らせ、早く飛び降りた方がチキン=臆病者というルールです。これが現実の若者達の間でも流行ってしまい社会問題になったようです。

時代背景

・もともとの原作は医師が書いた心理学の研究書「理由なき反抗 - 犯罪精神病質者の催眠分析」。面白くならないので、結局タイトルだけ残して書き起こした話とのこと。

・当時はロックン・ロール音楽の時代、"不良" の時代。ティーンエイジカルチャーの花が咲き極端な若者中心主義の先駆けといえます。本作の背景にはそうした時代背景があります。

本作が公開された1955年とはアメリカの反抗的な青春時代が始まった年で後を追うように世界中の若者たちが反体制という名の下に暴れ始めるターニング・ポイントになりました。

ジェームス・ディーン

・主演であるディーンは短いキャリアの中で、スクリーンの内外を問わずTシャツを着続けました。
白無地にジーンズに赤いジャケット、そしていつもタバコをくわえていました。

今でこそジーンズにTシャツという格好は当たり前ですが、当時特に上流社会では反抗的な行為だとみなされていたのでした。

1950年代以前は、Tシャツはアンダーウエアとして考えられており、着心地を良くするためにドレスシャツの下に着るもので、アウターウェアとして着ることはまずなかったのです。


また当時は作業着としか見なされなかったジーンズがこの作品を始め、ファッションとして若者に広まりました。




・当初はモノクロで撮影が開始されたものの、途中でカラーでの製作に切り替わりまし。
当初のジムの服装はもっと地味だったが、カラーとなったために派手な赤のジャケットが採用されたということです。

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