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コロナ禍が私にもたらした厄災②

コロナ禍が私にもたらした厄災①の続き

2021年前半 わたしに起きたこと

転職活動初期

無職になって、無気力になってしまった私だが、
食べていくためには次の仕事を探してお金を稼がなくてはいけない。
それは重々わかっていた。

転職活動のため、様々な転職サービスやエージェントに登録し、
キャリア相談を受けた。

その甲斐があってスカウトが何社かあったが、
待遇面等で厳しかったり、興味を持って面接に行ったものの
好印象の会社は1社もなかった。

男性社会の会社への転職の辛さ

機械設計職はほぼ男性社会といっていいくらい、男性多数の職種だ。
当然のことながら、女性の役職者が少なく(いない?)、女性に発言権がない会社が多い(例外もあるのかもしれないが…)
男女平等なんて言っているオジサン役職者ほど、どういうことが女性蔑視や差別にあたるか理解していないことが多い。
男性優位の物差しでしか男女平等を測らない。

面接では女性蔑視ととれるような発言で不快な思いをすることが多々あり、次の就職先を今までのキャリアで見つけるべきか迷っていた。

公共職業訓練

迷いがあるなら新しいことを勉強してみようと思い、
プログラミングの公共職業訓練を受講してみることにした。

プログラミングにした理由は
『IT企業の人材不足』で需要があると踏んだからだった。
決してプログラミングが好きでも興味があるわけでもなかった。

プログラミングの種類ごとに公共職業訓練校があったが
コロナ禍の失業率上昇のせいか、職業訓練を希望する人がとても多く、
受講試験倍率も2倍以上の訓練校もあった。

何度か選考には落ちたが、ようやく職業訓練校の受講資格を得て、
プログラミングを3か月間学ぶことになった。

訓練を受ける生徒が20名弱のクラスだったが、
その3/4は私と同年代から50歳近くの人だった。

ロスジェネの失業者がとても多いのだ。

不遇な立場に立たされることの多いロスジェネ世代だが、
コロナ禍の日本社会も容赦ないことを目の当たりにした。

プログラミングを学ぶことは楽しかった。
但し学べば学ぶほど難易度の高さを実感し、
これが職場で通用するレベルなのかと不安になった。
そんな中でIT企業への転職活動を平行して行っていた。

転職活動実態

IT企業に転職するにあたり、職業訓練校からの斡旋はごくわずかで
自分の実力に見合う条件の企業は見当たらず、
転職サービスやハローワークなどで求人を探すことにした。

ハローワークで求人を探している際、1件好待遇の案件が目に留まった。

『派遣ではない』『正社員雇用』の記載があり、IT企業で『未経験者可』のプログラマーやシステムエンジニアを募集している求人だった。
早速ハローワークで申し込みをし、一次面接のアポイントをとった。

IT企業ならでは?の一次面接

『面接』というと、スーツ姿で企業に出向き、応接室か会議室で
面接官や企業の代表と話しをする。
こういったスタイルの面接しか受けたことがなかった。

前述ハローワーク案件の一次面接の日時場所等の連絡で、
担当者(声の感じからして高齢男性)から電話連絡があり、
「土曜日しかあいてないので(職業訓練校は休み)あなたの自宅の近くの喫茶店などでお話を伺います。どこがいいですか?」
と聞かれ、駐車場のある某喫茶チェーン店を指定した。

『面接官(知らないおじさん)と二人で喫茶店でお茶しながらの面接 
なんてあるのか?』
と不安になりながらも、指定した喫茶店へ行くと、
歳は還暦過ぎくらいのスーツ姿の紳士(面接官)が席に座って待っていた。

ご挨拶をして名刺をいただき、コーヒーを飲みながらのお話だった。
面接官は企業の役員で人事を担当されている方だった。

アンケートの書類を記載してから10分弱お話したところ、
「二次面接は弊社の代表取締役と弊社事務所で対面で行います。
日時は取締役に確認して後日ご連絡いたします。」
と告げられた。

『これは合格なのか?大した話してないし、特に試験も何もしてないのに…』

と内心疑問に思い、これは一次面接通過と捉えてよいかを確認すると、
面接官から思いもよらぬ回答をいただいた。

「私は人柄を見て決めるので、あなたなら大丈夫。」

こんなうれしいことを面接で言われたのは初めてだったかもしれない。
自己肯定感が爆上がりで、『幸先いいなぁ、これで就職決まりかも』と
浮かれてしまっていた。

しかし、転職活動はそう甘くないことを後日思い知ることになる。

現実を思い知る二次面接

一次面接を通過して、二次面接のためにその会社の事務所へ
伺うこととなった。
その事務所は5階建てビルの2階にあった。

一次面接の面接官に案内されて事務所に入ると、そこはただのテナントに
無造作にデスクが2つ置かれ、PCも2~3台置いてあるだけの薄暗い空間で、想像していたIT企業のオフィスの姿とは程遠かった。

(オフィスは違う階か?それとも在宅ワークか?)

すぐに代表取締役社長であろう男性が入室して、
ご挨拶して名刺を受け取った。

その後すぐに、私の履歴書と職務経歴書を見ながら
質疑応答が始まった。
その途中…

社長「どのエリアまで通勤可能なの?」 

私「? オフィスはここではないんですか??」

社長「?? ウチは派遣会社だから案件によるよ。」

!!!!!!!

ハローワーク求人には『派遣ではない』と記載されていたが、
実は派遣会社だったのだ。
(ハローワークめ・・・怒)

どちらにせよ正社員での直接雇用を目指していたので、
社長に求人票を見せ、『派遣ではない』記載を見せた。

と同時に、直接雇用を望む理由は、
『前職で待機人数が多く解雇に至ったこと』を正直に話した。

私が正直に話したことで、社長もまた正直に話し始めた。

  • 待機人数はないとは言えないが、多くはない

  • 自社は契約実績があり、就業条件もいい

  • IT企業は人手不足だが、氷河期世代の未経験者は求めていない

  • 未経験者でも実力があり、魅力的なポートフォリオなどがあれば     採用もある

社長曰く、
『厚労省の政策は氷河期世代に教育して正社員雇用を促すが、IT企業の現場が求める人材とは乖離がある。
IT企業では、20代にプログラマー、30代でシステムエンジニアと経験を積んでいる。
そこに未経験の氷河期世代が入ったからといって、すぐに戦力になれるわけでもないし、給与も初任給レベルまで落ちることが多い。
それを覚悟で入るならいいが、仕事のハードさと待遇面がかみ合わないから
しんどいと思うよ』
とのことだった。

採用は無くなったが、正直な話が聞けたことで
ずっと疑問に思っていたことが解消されてよかった。

私のプログラミングのレベルは初心者に毛が生えた程度で
魅力的なポートフォリオを短時間で作れるわけではない。
そんな即戦力にはならない40代を採用してくれるとは到底思えない。

私はIT企業への就職を諦めることにした。

公共職業訓練も無事修了し、
今までのキャリア(設計職)での直接雇用の正社員をめざして
転職活動することとなった。

→ コロナ禍が私にもたらした厄災③ に続く
(読んでくださってありがとうございます。)