見出し画像

あさが、やってくる

今思うと、ほんとうにふしぎだ。


2年前の僕は、あさがやってくるのがとても怖くて仕方なかった。

新しい日が昇れば、新しい日が起きた瞬間に始まってしまって。

人間関係めっちゃつらぴな学校に行かなきゃ行けなくて。

今日もこころとからだがズタボロになっていくのを
想像しただけで眠れなくなった。

いや、眠りたくなかった。

あさが来てほしくなかったから。


1年前の僕は、あさがやってくるのがなんともなくなった。

学校には1年生のときより行けるようになって、自分で自分のこころとかをチェックして、学校を遅刻したり計画的に休んでバランスをとっていた。

あのときの恐怖感はほとんどなかった。

人間関係が、上向きになってきたから。

そしてそのときに、あさの美しさを知った。


徹夜して眠れなかったときがあって、それでぼうっと窓から外を眺めていた。

だんだん夜が明けていって、朝日が遠くの建物に射して明るくなって。

空も、空気も、光も、影も、なにもかもが新しい日に染まっていくのが新鮮で、きれいだった。

あさが、こんなにやさしいんだってはじめて知った。


ちょうど1年前の僕は修学旅行の真っ最中で、
最終日に泊まっていたホテルで夜明けをみた。

同じ部屋のクラスメイトがまだ寝てるときに、
やっぱりこのときもぼうっと窓から外を眺めてた。

泊まってたホテルはオーシャンビューだったんだけど、水平線の果てからだんだん光が満ちてきて、
まぶしいくらいのきれいな光景がそこにあった。

まぶしいかがやき


そしていまの僕は。

あさがやってくることが苦手にも、楽しみにもなった。

さいきんになってようやく、僕はあさ起きるのがとっても苦手で、ながーい二度寝をしないとやってらんないことがわかった。

だんだんさむくなってきて、ふとんがめちゃくちゃしあわせで、起きようと思っても出られなくて寝すぎて遅刻ギリギリになることも増えてきた。

これに関しては僕の自己責任だけど、もうちょっと学校が始まる時間を遅らせてもいいんじゃないかなって思ってしまう。


でも、ぜんぶがそういうことばかりじゃない。

あさ目が覚めたときに感じるふとんのあたたかさと
もうふのふわふわ、暖房のタイマー設定でいいかんじに暖まってる部屋の感じは最高にしあわせ。

この感覚を味わえるのは、あさしかない。

そして、学校に行くことも正直楽しみ。

今は共通テストの演習をひたすらにしてるからけっこうつらいけど、それ以上におんなじクラスのすっごく仲良くしてもらってるひとと、あれこれはなしたりいっしょにごはん食べたりするのがしあわせ。

なんかこのひととなら、受験もがんばれそうな気がする。

そんな一日を始める新しい日がくるのは、とってもうれしい。


こうしてみると、僕のあさへの見方、考え方はこの
高校3年間でけっこう変わった気がする。

それはきっと、僕のこころのありようもけっこう変わったということなんだと思う。

いい意味でね。

それはひととそれなりに話せるようになって、言いたいこともなんとなく言えるようになって、感情もへたくそだけど出せるようになって。

そして誰かと話すこと、いっしょにいることのあたたかさ、うれしさ、たのしさをいっぱい知れたことに繋がった。

生きているかんじを、たくさん感じられた。

ほんとに、よかったな。


中途半端な時間にお風呂に入って、ずっと眠れないままこれを書いていたらもう午前4時。

きょうはきっと、すっごい眠くなってめっちゃしんどくなるんだろうな。

あーやだ。

けどもうすぐ、もうすぐしたらすぐそこに、あさがやってくる。

夜が明けて、あたらしいあさがやってくる。

そのときまで、ゆっくりぼうっと待とう。

いままで撮ったあさの空で、いちばんのおきに。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?