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怖い話

去年、後輩と旅行に行った時によく当たると評判の占いに行ったことがある。

後輩が占って欲しいというので、付き添いをした。
その時は、占って欲しい悩みなんて、元彼のことしかなかったし、私は遠慮した。
だが、その占い師は、私にも強引に占いを勧めてきた。(営業に弱い)
乗り気はなかったが、料金を払いなんとなく、話を聞いていた。
あまり内容は覚えていない。ふーん。。。と聞いていた。
仕事のことを聞いたので、仕事のことを話していた。

すると急に占い師が私の目を数秒見つめてきた。
そしておもむろに立ち上がって、私にスプレーで水をかけてきた。

「!!!」
私と隣に座っていた後輩は突然のことに驚いて、絶句した。
2人とも、目を丸くしていたと思う。
水は、芝生と紅茶を混ぜたような匂いがした。

「どう?」とその占い師さんは言った。
「や、なんか変な匂いします」と私は言った。
後輩は「え、なんの匂いもしませんよ」と私に言った。

「あなた憑いてるよ」
「え!幽霊ですか?」
「うん。僕は霊媒師じゃないから、祓えないけどどこかに頼んだほうがいいと思う。
そして早急に引越しをしたほうがいい。」
と言った。

私は、霊感が全くと言ってないし。
何より心霊話は好きで自分で探すくらいなので、幽霊に対し恐怖心はないのだが、後輩はすっかり怯えてしまった。
後輩曰く、「だってあの水をかけられる前と後だったら、顔色が違ったんですもん。怖いです」
だそうだ。


お祓いをしろと言われたけれど、特に害もないし、あまりその占い師さんの言っていたことを信じていなかった。

そんな出来事があって、数ヶ月後。
次は先輩と私の運転で、プチ旅行をしていた。
サウナに入ってスッキリして。もう帰るだけ。
田舎の道路を走行していた。時間は多分23時頃。

その時、先輩に例の占いのことを話していた。
「本当に私に憑いてるなら、会ってみたいですよ。」
「そうゆうこと言うと、危ないってば」
「いや、話してみたいです。なんで私に憑いてるのか聞いてみたいです。」

そう言った瞬間。本当にその瞬間。
車が前方に障害物を感じて自動ブレーキサポートがかかった。

「ガンっ」と音を立てて、車が急停止した。

走っている道は田舎だけど街灯もあり、広い道路で、私たちの前にも後ろにも車はない。
本当に真っ直ぐの道で、動物もいなかった。もちろん他の障害物も。
私の車は新車で、この前2年目点検を終えたところだった。

「何もいない、、、」

先輩が
「会いたいって言うから、来てくれたんだよ」
と小さな声で言った。

「、、、、。
そうですね。本当にいるかもしれないですね。」
と私は言った。

「後ろに車いたら、私たち追突されてたかもね。」
先輩は、またもや小さい声で言った。

それから、眠れない夜に
「おーい、幽霊さん。出てきてよ。話そうよ。」
と話しかけてみている。

暗い部屋に私の声が響くだけで、何も起きない。
「会ってみたいよ。私の悩みでも聞いてよー」
でも現れたことはないし、害があったわけでもない。


なぜ、こんなことを書くかというと、明日、人生初の護摩修行なるものに行ってみようと思い立ったからだ。
もしかしたら、この幽霊さんも祓われてしまうかもしれない。
もしかしたら、いい幽霊さんかもしれないのに。


そして護摩修行に行こうと思い立って、その前に勉強だ。と思い、お経の勉強をYouTubeでしていた。
お経の大体の解説が終わり、実際のお経の音声が流れ始めると、急に音声が切れた。
お経の途中から一向に進まない。Wi-Fiも通常だし、電波環境に問題はなかった。別の動画を開いたらスムーズに動く。
お経の途中から、動かない。何度か開き直すとようやく流れ始めた。
あれ、幽霊さん来たかな?と思った。
お経、嫌なのかな。

なぜ、私のところにいるの?
占い師さんは引っ越せと言っていたから、この家が好きなのかな。
私のところにいて楽しいのかな?
元彼の生き霊だったりしないよね?
もしかして私を不眠症にしてるのって、あなただったりする?

色々話しかけるけれど、きっと私は一生、この幽霊さんの本意を知ることはないだろう。
忘れないように書き残してみた。


私と1年一緒にいて楽しかった?幽霊さん。
明日、祓われなかったら、また現れてよ。車に乗ってる時以外でね。



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