ぼやけて世界
目が悪いと、基本的には悪いことしかない。
裸眼で綺麗な景色を見られないし、メガネ代またはコンタクト代がかかる。
メガネの方が安く上がるので、メガネでお金の計算をすると、
20歳からメガネをつける。
メガネひとつ10000円。
2年間同じメガネをつける。
80歳まで生きる。
40本必要になり、40万円かかる。
無駄な費用である。
それはそうなのだが、唯一いいことがある。
それは、世界との繋がりを弱められることである。
目が悪いので、基本メガネをつけているが、ふと外したくなる。
明瞭に見えていた世界が、急にぼやけて見える。
自分と世界のつながりが、弱くなった気がする。
見えてはいないが自分だけが明確な輪郭を持った存在で、周りの世界はあやふやになっている。
まるでこの世界に自分がいないような気がする。
目が良いとそういう特技は持てないから、目が悪いことの特権だと思う。
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