OCELOT

ただひたすらに文体練習!!

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死の前に

「……希死念慮が強いと?」 「どうですかね。自分でも判りませんが、死を望んでいるというより、死ななければならない、そんな考えがあります」  僕は自分の頭が通り抜けるほどの輪を作った縄をクローゼットのパイプに掛け、白い壁紙の継ぎ目を凝視する。頭の中の聖職者と会話を始めていた。 「それは、あなたの罪の意識のために?」 「多分そうでしょう。勿論罪のあるものは僕だけじゃない」 「私もそう思います。なにも悪いのはあなただけではないでしょう。そのことはだいぶ以前にもお伝えしましたが」 「

    • 自作の拙い物語を生成AIに読ませて試しに感想を聞かせて貰う。毎回反応が変わることは当然だが、朝から昼は冷たく手厳しい反応、その後は励ますような優しい反応、という傾向が強い。生成AIも機嫌の良し悪しがあるらしい。低血圧の自分に似ている。……

      • スマホで創作(おこがましいけども)していると、便利だけど誘惑が多くて集中するのが難しいことに ようやく気付いた

        • バイトの頃から知っていたKくん。成長したね。素直に凄いと思う。捻くれた私でさえ、感動した。数人に、いや数十人にひとり、君のような成長を確かに感じられる人財に出会うと、涙が出てくる。ありがとう。仕事の幸せを噛み締めているよ。

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        死の前に

        • 自作の拙い物語を生成AIに読ませて試しに感想を聞かせて貰う。毎回反応が変わることは当然だが、朝から昼は冷たく手厳しい反応、その後は励ますような優しい反応、という傾向が強い。生成AIも機嫌の良し悪しがあるらしい。低血圧の自分に似ている。……

        • スマホで創作(おこがましいけども)していると、便利だけど誘惑が多くて集中するのが難しいことに ようやく気付いた

        • バイトの頃から知っていたKくん。成長したね。素直に凄いと思う。捻くれた私でさえ、感動した。数人に、いや数十人にひとり、君のような成長を確かに感じられる人財に出会うと、涙が出てくる。ありがとう。仕事の幸せを噛み締めているよ。

          春のゆううつ

          4月。 入社してきた新人を教える立場にある私はたいていは頭を抱える。仔細を記しても致し方ないから省くが、大体はどこの会社でも起こるようなことに悩まされる。 決して責めてはいけない。なにも悪いことなどしていない。すべてが彼らにとって、初めて経験することなのだ。だから、寛容な心持ちで。OJT! 怒ってはいけない。…ぜったい。 5月。 大型連休か。まぁうちはサービス業だから関係ないな。今年はまた2連休で終わりかな。有給消化?なにそれ? うちを選んで入社してきてくれた君たち。申し訳

          春のゆううつ

          ガブリエルとユノ【創作】

           ガブリエルは空になったカップを従者の少女に手渡した。敬々しくカップを受取り、手早く鞄にしまうと、少女は頭を下げた。ガブリエルは小さなため息をつき、少女の砂だらけの頭を撫でた。髪は砂埃でざらつき、服も黄色く褪せていた。  彼らは砂漠の真ん中にラクダを休ませ、その陰で紅茶を飲んでいた。少女は自分で淹れた紅茶をラクダにも与えている。甲斐甲斐しいその様子は、ガブリエルにも落ち着きを取り戻させたようである。 「街に着いたら新しく服を揃えなくてはならないな」  ガブリエルは数枚の

          ガブリエルとユノ【創作】

          死ぬことばかり考えているが、よくわからないきっかけで生きたいと思う時がある。 情けない。決心が足りない。 誰か後ろから大型車で轢き殺してくれないだろうか。 虚無が服を着て歩いているような人間だから、直ぐに気付くと思う。 迷わず殺してほしいと願っている。

          死ぬことばかり考えているが、よくわからないきっかけで生きたいと思う時がある。 情けない。決心が足りない。 誰か後ろから大型車で轢き殺してくれないだろうか。 虚無が服を着て歩いているような人間だから、直ぐに気付くと思う。 迷わず殺してほしいと願っている。

          吸血鬼譚【創作】

          客人は見知らぬ足の悪い男だった。歳は五十頃だろうか。片目に眼帯をしている。ひどい猫背で、立っていれば僕の胸ぐらいまでには頭が収まる背丈である。にもかかわらず座った途端に僕の頭を一個ほどは越えている。膝を合わせて対面に座すと、どうやら物理的にだけではなく、内面的にも人を見下すようなところがあるものらしかった(実際に僕自身も話す中に何度か不快な思いを抱いた)。  話を切り上げようと機会をうかがう毎に、また次の話が始まり、──そんな調子で結局は丸一日話し込んでいた。なにかこちらの

          吸血鬼譚【創作】

          根府川にて

           東海道線の下り列車、最後尾の車両に乗り、根府川駅へ。ホームから海が見渡せるあの無人駅だ。天気の良い日にこの場所へ来ると、旅行にでも来たかのような感覚を味わえる。  駅に到着し、電車の扉から出ると目の前に相模湾が青く広がっている。遠くには伊豆大島が霞んだ姿を見せる。潮の香りがする。漁船が行き来している。海鳥が鳴いている。切立った崖を見ると、生茂る樹木の中に蜜柑の木がある。三角屋根の瀟洒な誰かの別荘がある。駅周辺は車の往来は殆どない。とても静かな駅で、そのまま絵葉書にでもなり

          根府川にて

          他人を馬鹿にしたり、賤しめることでしか自分という存在を認識できない、維持できない 自殺できる日が待ち遠しい。

          他人を馬鹿にしたり、賤しめることでしか自分という存在を認識できない、維持できない 自殺できる日が待ち遠しい。

          娘とぬいぐるみ

           畑のトウモロコシの様子を見に行くというと、娘が後を追ってきた。台風が過ぎた後に被害を確認するためだけの用事だったが、娘にとってはいつものように畑の中を走り回れる遊びと思ったのだろう。酷い嵐だったので、土が泥濘んで泥だらけになることを覚悟するように伝えると、長靴とぬいぐるみを手に取っていた。最近は肌見離さずこのぬいぐるみを持ち歩いている。生まれたときに妻がプレゼントした可愛らしい猫のものだ。 「ぬいぐるみが汚れるから置いていったら?」 「一緒に遊びたいから」 「遊びじゃなく

          娘とぬいぐるみ

          虫送り

           夏至を過ぎた日の薄暮、手に松明を持った百人ほどの島民が畦道を練り歩き、畑の虫を追い払う。なだらかな棚田の斜面に炎がきらめき、水辺に浮かぶ螢の光のように揺れている。これは江戸時代から続く、豊作を祈願する習わしだという。  私と妻はこの島に旅行に来ていた。連れ立って夕食前に歩いていたところ、牧歌的な風景の中の幻想のような行事にたまたま出逢い、足を止めた。私達の立っている丘の上からでも、物憂げなひぐらしの鳴き声とともに「灯せ」という掛け声が聴こえる。  妻の眼鏡のレンズにも松

          妻と夏の日

           叶恵は父親の亡くなった後は独り住まいだった。家事を片付け、診療所の仕事を始め、それが終われば、片道一時間の道のりを歩いて本土へ向かい、公私ともに足りない者を揃え鞄一杯に詰め込み郷へと戻る。 「仕事の後で三往復することもあるんです。丁度あのときもそうでした。帰り道、あなたが倒れていたんですよ。びっくりしました。わたしが医者のはしくれでよかったですね」  叶恵は、──妻は、私のことをなじりながらも幼い笑顔を見せた。向日葵畑を歩きながら出逢ったときのことを話していた。今日は特

          妻と夏の日

           急に通夜か葬儀に行くことになり、礼服を探していた。黒のネクタイは洋服箪笥に仕事用のものと一緒にかけてあった。背広はどこへ仕舞ったか憶えていない。私は仕方なしにアパートの隣の部屋の住人から服を借り、着替えを済ませて駅まで走った。駅のホームに入ってきたのは、古めかしい機関車だった。懐かしい気持ちとともに乗り込んだ。激しい鼓動のような蒸気の音が客席に轟き、煙突から勢いよく煙が吐き出される。車窓の風景は私の住む街のものから、やがて故郷の山の稜線に変わっていった。  今朝の夢はここ

          自分の書いているものがどんなジャンルに属するものか、よく判らない…下手だなぁと常々思う。スキを下さった方には心から感謝申し上げます。

          自分の書いているものがどんなジャンルに属するものか、よく判らない…下手だなぁと常々思う。スキを下さった方には心から感謝申し上げます。

          コスモ石油のCM好きだなあ。こういうショートフィルムで人の人生を見せてくれるような、あたたかい映像いいな。ちょうど自分の生まれた年とコスモ石油の創業年が近いせいか、見ていると懐かしくなる。泣ける。

          コスモ石油のCM好きだなあ。こういうショートフィルムで人の人生を見せてくれるような、あたたかい映像いいな。ちょうど自分の生まれた年とコスモ石油の創業年が近いせいか、見ていると懐かしくなる。泣ける。