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ギリシア神話や聖書の物語を知るのにマンガはいかがでしょうかというご提案

一つ前の記事で、
「キリスト教絵画に親しむためには、いきなり聖書(の日本語訳)を読むのはハードルが高い、「キリスト教絵画入門」などというタイトルの美術の解説本がとっかかりとしてはおすすめ」
と書きました。

ただしこの方法にもデメリットがあります。
一つ一つの絵画のテーマに沿ったエピソードを解説することに主眼が置かれているため、「聖書」というひとまとまりの壮大な物語の全体がつかみにくいということです。(たとえば「最後の晩餐」のように)
これはギリシア神話にかんする美術のテーマの解説本についても同じことが言えます。(たとえば「ヴィーナスの誕生」のように)

そこで今日は、神話と聖書の物語を気楽に知ることができる方法をご紹介します^^
それはマンガです。


これは私が所有している本です。
中公文庫の「マンガギリシア神話5 『英雄ヘラクレス』」。
著者は里中満智子先生です。

これを買う前、私は英雄ヘラクレスに関する美術の解説本を読んでいました。
が、エピソードがそれぞれこま切れでまとまりがなく、しかも「諸説ある」というあいまいな世界。読めば読むほど頭の中は「?」でいっぱいでした。

だからといって、当時の私には、ギリシア神話の日本語訳を読んですぐ理解できるほどの力もありません。
どうしたものか、と思っていた時に書店で出会ったのがこの本です。

マンガなので気楽に読めるし楽しい。内容も頭にすっと入ってきます。
これはいい!なんてありがたいんだと思いました。

しかも、ただ楽しく面白いだけではないのです。
里中先生はギリシア神話に関するたくさんの文献を資料として研究し、その上で作品として描いておられます。
巻末に参考文献のページがあり、ギリシア文学研究者の西村賀子先生の解説が11ページもあります。
神話を学ぶための資料として十分な価値があるのです。

里中満智子先生のマンガギリシア神話は全8巻。
その他にも「マンガ旧約聖書」全3巻、マンガ日本の古典「心中天網島」などもあります。
聖書と神話を題材にしたマンガは、里中先生以外の方の作品もたくさんあります。

聖書とギリシア神話、どちらも日本人にはなじみが少なく、とっつきにくい世界です。
まずはマンガから入って親しんでいくのはいかがでしょうか?

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