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公正証書遺言の特徴とメリット

こんにちは、予算管理に特化した税理士&コンサルタントのT.Hiroです。

前回記事で事業再構築補助金やものづくり補助金の今後の事業計画の作成やキャッシュフロー経営、遺言書作成などについてお伝えしてきましたが、今回は公正証書遺言の作成上の留意点についてお伝えしたいと思います!

(前回記事もご参照ください!)




1.公正証書遺言を作成する際の留意点

今回は、公正証書湯以後のうち、作成において留意すべき事項をお伝えしたいと思います!!

公正証書遺言でも無効になる場合がある点に留意が必要です。


以下のようなケースでは、公正証書遺言でも無効になる恐れがあります。

1:公証人が不在の状態で作られた遺言書


公正証書遺言の作成にあたっては、公証人が遺言者の口述を筆記する必要があります(969条3号)。


したがって、公証人が不在の間に遺言者や証人が勝手に筆記した遺言書は無効になる可能性があります。

2:証人になれない人が立ち会った遺言書


証人2名のうち1名が民法974条で定められている「証人になれない人(欠格者)」に該当する場合、その遺言は無効になる可能性があります。

ただし証人が3名以上おり、証人適格を有する人が2名以上いる場合には、仮に証人欠格者が一緒に立ち会ったとしても無効にはならないとされています。

3:公証人に口授せず身振り手振り等で伝えた遺言書


公正証書遺言では、その内容を遺言者が公証人に「口授」して作成するのが原則です。耳が聞こえない人や口がきけない人に関しては、通訳人の通訳による申述や筆談等の方法が認められていますが、これらはあくまで例外です。

単に身振り手振り等で遺言内容を伝えることは認められていないため、作成の際に支障がなければきちんと口述する必要があります。


4:証人が席を外している間に作られた遺言書


公正証書遺言では、作成開始から終了まで常に遺言者・公証人・2名以上の証人が立会わなければなりません。

そのため、これらの人が席を外す等の欠けている状態で遺言を作成した場合、遺言が無効になってしまう可能性がありますので注意してください。

実際には、あまり想定されないケースかとは思いますが・・。

もっとも、公証人と2名以上の証人が常に立ち会っていれば形式的には作成要件を満たしています。

ただし無用なトラブルを避けるためにも、遺言書作成中は証人や公証人の動向に気を配り、誰かが席を外している間は作業を中断する等の注意が必要といえるでしょう。

5:遺言者に遺言能力がなかった場合


なかには、遺言者の状態によって無効になることもあります。

例えば「遺言書作成時点で遺言者自身が認知症やアルツハイマーで判断能力が無い状態だった」というような場合、遺言無効の争いによって作成当時に遺言能力がなかったことが明らかになれば、無効となります。



2.遺留分は公正証書遺言よりも優先される


遺留分とは「兄弟姉妹以外の法定相続人について、最低限の取り分を確保する制度」のことです。

各相続人にはそれぞれ遺留分割合が定められており、以下のように定められた遺留分を越えた相続が行われた場合には侵害分を請求することができます。

遺留分を侵害するような内容の遺言の場合、それ自体が無効になることはなくても、遺留分を侵害している部分についてはその限りで無効とされることになっています。

つまり遺言書よりも遺留分の権利のほうが優先されるため、侵害分を請求できるということです。

したがって、遺言者の立場としては、きちんと遺留分のことも配慮したうえで作成することが重要です。


3.公正証書遺言を閲覧・検索する方法


公証役場では、紙の原本とそれを電磁的に記録化した原本の2種類を保管することになっています。

そして公正証書遺言には閲覧・検索システムが準備されており、以下の条件を満たしていれば閲覧・検索が可能です。

● 遺言者の生前に公正証書遺言を閲覧・検索できる人


→ 遺言者が生きている間、閲覧・検索システムを利用できるのは遺言者本人に限られます。

これは、相続人等から不当な圧力がかかるのを防ぐという理由から定められているものであるため、基本的に例外はありません。

● 遺言者の死後に公正証書遺言を閲覧・検索できる人


遺言者の死後は、法定相続人・受遺者・遺言執行者等遺言者など、相続について法律上の利害関係を有する人だけが利用できます。

ただし死の直前に作られた公正証書遺言の場合、登録が間に合っていないケースもあるため、その場合は少し日を置いてから再度検索することをおすすめします。


最後までお読みいただきありがとうございました!

次回は、公正証書遺言の閲覧方法などについてお伝えしたいと思います!

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