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中野円佳著『「育休世代」のジレンマ』

「そうそう!」と同意が止まらず、途中泣いてしまいそうになったりもしました。
育児と仕事のバランスに悩まれている方にはオススメの一冊です。
頭の中にあるモヤモヤとした悩みや怒りが言語化されたような気がしました。
それに「女性活用」を謳うすべての企業の人事部門の方に読んでほしい。
ご紹介したく、本記事を書いてみることにしました。
(あまりネタバレにならないよう気を付けます💦)

概要(主に私の心に刺さった点)

この本では「それなりに学歴もあり、男社会で頑張ってきた女性、かつ、ママになり、育児と仕事の両立に奮闘している人」がテーマになっています。

こういう「男並み女性」には「やりたいこと・自己実現がんばって!」という「自己実現プレッシャー」と「子どもいつ産むの?最近高齢出産とか不妊もよくニュースになるよね」という「産め・働け・育てるプレッシャー」がのしかかっています。
この二重プレッシャーの板挟みに遭いながらも奮闘しているのが、現代女性なんだと。

しかも、今の日本の会社って多様性だダイバーシティだ言いながら、結局は「会社にフルコミットできる人」を欲してて評価してる。

「女性活用実現!」と言いながらも、実態は出産・育児経験なかったり、育児は完全外注してるような「男並みフルコミット女性」を管理職や役員に登用してる。
これじゃ本当の女性活用や多様性の実現なんて無理。

本気で「女性活用」を実現したいのであれば、家族のケアに責任を持ちながらも、なんとか自分が生き抜ける環境を自ら選び、「ぶら下がり」と揶揄されながらも生き抜いてきた人の声が必要だと。

私の所感

本ッッッ当にその通りだと思います。
これまでの企業戦士を否定するつもりはありませんが、
「女性活用」を謳って宣伝文句にするのであれば、それなりの痛みを伴いながらも、お互いに生きやすい環境を作っていくべきだと思いました。
(ワーママのような家族ケアをする社員の声は、企業戦士にとっては痛みを伴うこともあると思います)

概要に書いたこと以外にも、夫に関することや、ワーママを縛る「育児意識」、どんな人が辞めてどんな人が残るのか…など、ワーママの置かれた環境が本当によく描かれています。

著書の中にはワーママたちの叫びが、そのままの表現で生々しく書かれており、どんな痛みを抱えているかがよくわかると思います。
(「わかる!ほんとにそう!!」と何度も同意する箇所がありました)
この本の内容が世の中に広まって、「偽ダイバーシティ」ではなく「本物のダイバーシティ」の世の中になればいいなと思いました。

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