見出し画像

ユ・インギョン著 吉原育子訳『明日も出勤する娘へ』

こんにちは、あんぱんママ◎です。
韓国で約30年記者として働かれた女性が、若い女性社会人に向けて「働く」をテーマに書いたエッセイを紹介したいと思います。

決して若い世代に対するお説教がたくさん書き並べられているわけではなく、ご自身の失敗談なども交えながら、「働く」上での処世術がとてもユーモラスに描かれていました。
第一章のタイトルが「月曜日 ああ、疲れる」とか、もう最高。
あと、韓国社会も日本社会と同様、男尊女卑とまでは言わずとも男性社会なんだな~と思いました。

いくつか心に残った文章をご紹介します。

冷たく殺伐とした組織社会はよく、ジャングルにたとえられる。あちらこちらに毒蛇やハイエナがうようよして、いつどこから毒矢が飛んでくるかわからない。
それなのに女性たちは、そこは愛に満ちた花園だと思っている。自分がせっせと水をやり、歌を歌えば、つねに美しい花が咲くだろうと信じている。

う、私だ……。と思った文章です。
職場の人たちとはお互いに気持ちよく働きたい、相手に喜ばれることをしたい、と思い、消耗することよくあったな…と。
「職場は花園」だと思っちゃってるから、周りにも期待してしまうし、勝手に裏切られた気になるんですよね。
女神のように微笑みつつも、腹の底では「いつ毒矢が飛んでくるかわからない!」と身構えておいたほうがためになりそうです。

女性は、きちんとお願いしたり、頼み込んだり、閉まっているドアを叩いたりせずに、「誰も助けてくれない」「何もできない」とがっかりし、世間や周りの人のせいにすることが多い気がする。叩いたドアがすべて開くわけではないけれど、勝手に開いてくれるドアなどさらに少ないだろう。

お願い事って難しい。
断られて傷つくのが嫌、相手に迷惑をかけたくない…と言い訳を並べて、お願いすることを放棄するってよくあるよなと思いました。
そのくせ、うまくいかずに詰んでしまうと突然悲劇のヒロインのように落ち込む。
これも無意識のうちによくやってる気がして、直さないといけない癖だと思わされました。


優秀なサッカー選手になりたくて死に物狂いでボールを追いかけるのもいいけれど、ただサッカーが好きで、楽しくて一生懸命走っているうちに有名なサッカー選手になったというのもステキじゃないか。

北野武さんの言葉だそうです

この言葉は将来娘に送りたいと思った言葉です。
娘が何か夢中になれることが見つかったら、一生懸命没頭できる環境を提供したいと思いました。

他にも、会議での処世術、悪口の避け方、質問すること…などなど、働く上での技がたくさん書かれていて、いろいろと考えるきっかけになりました。

なんとなく働き方にモヤモヤしている…という女性にオススメしたい一冊でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございます!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?