イオンカードセレクトを解約してきた(I)

以前のnoteでちょっと取り上げた事があり、10年以上もお世話になった『イオンカードセレクト』を4月上旬に解約(退会)した。
厳密には、【イオン銀行キャッシュ+デビット】へ切替をした。

以下、文字通り「note」という意味合いで、『イオンカードセレクト』との思い出を振り返りつつ、備忘録しておく。

今回は、その前半です。



■「イオンカードセレクト」とは?

『イオンカードセレクト』とは、イオンフィナンシャルサービス株式会社が展開するクレジットカードの一つ。2009年2月より発行を開始した。
全てのイオン系クレジットカードの発行元は「イオン銀行」となる。

現在も新規受付中のイオンマークのカードは約50種類あるが、その中でもイオングループが顧客の囲い込みのために推しに推しまくっているのが『イオンカードセレクト』である。

『イオンカードセレクト』は、以下の三つの付帯機能が一つに纏められている。

 (1)「イオン銀行」の口座番号
 (2)「イオンカード」の会員番号
 (3)「電子マネーWAONカード」の番号

時にはキャッシュカードに、時にはクレジットカードに、時には電子マネーカードに、1枚3役なのが『イオンカードセレクト』
更に、「WAON POINT」や「電子マネーWAONポイント」も貯まる。

なお、デビットカード機能は備わっていない。
(備わっていれば、三井住友グループのOliveフレキシブルペイに等しい存在になっていただろう)

ミニオンズ ©️UCS LLC
ミッキーマウス ©️Disney
トイ・ストーリー ©️Disney/Pixar


https://www.aeon.co.jp/card/lineup/select/
https://www.aeon.co.jp/column/20210513/



■他のイオン系のカードとの違いを比較してみた

イオン系カードで契約数が多いと思われる人気カードを比較した一覧表が、イオン銀行の公式サイトにある。簡単に纏めると、以下のような感じ。

◎イオンカードセレクト
 ・イオン銀行キャッシュ機能
 ・クレジット機能
 ・電子マネーWAON機能

◎イオンカード(WAON一体型)
 ・クレジット機能
 ・電子マネーWAON機能

◎イオン銀行キャッシュ+デビット
 ・イオン銀行キャッシュ機能
 ・デビット機能
 ・電子マネーWAON機能



■イオン系のゴールドカード

イオンマークのカードには、1月11日~翌年1月10日の期間に50万円以上のショッピングをすると(いわゆる50万円修行)、インビテーションが届けられ、ゴールドカードに"昇格"できるカードがある。

該当するのは以下の6種類である。(ミニオンズは対象外)

 ・イオンカードセレクト(通常デザイン)
 ・イオンカードセレクト(ミッキーマウス)
 ・イオンカードセレクト(トイ・ストーリー)
 ・イオンカード(WAON一体型/通常デザイン)
 ・イオンカード(WAON一体型/ミッキーマウス)
 ・イオンカード(WAON一体型/トイ・ストーリー)

建前上は「貸金業法」や「割賦販売法」の観点から、発行には審査があると謳われているが、現実には条件達成すれば自動的に切り替えられる。

しかし、イオンマークのゴールドカードは、一会員につき1枚しか保有する事ができない。ゴールド切り替え対象のカードを複数枚保有していても、最初に達成した1種のみがゴールド発行となる。

そして、『イオンカードセレクト』もまた一会員につき1枚しか保有する事ができない。これは「イオン銀行口座」が一会員につき1口座しか開設する事ができないため。

『イオンカードセレクト』をゴールド化するという事は、
一会員につき1枚しか保有する事のできないカード同士の掛け合わせであり、"一品モノ"と言える。

https://www.aeon.co.jp/card/lp/gold/

ミッキーマウス ©️Disney
トイ・ストーリー ©️Disney/Pixar


■イオンカードセレクトの特徴

人気カードの中でも、一番人気と言われている『イオンカードセレクト』であるが、他のイオン系クレジットカードにはない独自の特徴がある。


(1)引き落とし口座

クレジット利用分の引き落としの銀行口座は、「同一カードに紐付けられたイオン銀行口座のみ」である。

紐付られたイオン銀行口座を給与振込用などのメインで利用しているならともかく、
そうではない場合は、クレジット利用金額分を前もってイオン銀行口座に備えておかなければならなくなる。

大した事ないと思われるかもしれないが、毎月の入金作業は意外と面倒くさいと思うし、忘れてしまう事もある。
クレジット利用金額分に対して銀行口座残高が不足してしまうと決済エラーを起こしてしまう。

筆者自身も、移し忘れて決済エラーを起こした事が二回あった。いずれも、気付いてすぐに対処したため、信用情報に傷はついていない……と思いたい。
(信用情報を確認したわけではないので真実は不明)

『イオンカードセレクト』以外であれば、メインで利用している銀行口座を指定できるので、移し忘れという凡ミスは防げるのではないか。


前述の一覧表を見た感じでは、『イオンカードセレクト』は、「イオンカード(WAON一体型)」の完全上位互換のように思えるが、引き落とし口座の縛りの有無という決定的な違いがある。

他の銀行口座を引き落とし口座に選択する事ができないゆえの融通の利かない欠点といえよう。良くも悪くも「一体型」ゆえの特徴と言える。
そこは、三井住友グループの「Oliveフレキシブルペイ」も同様である。


(2)WAONオートチャージでポイント二重取り

上記の一覧表を見てわかる通り、イオンマークのカードで、WAONオートチャージでポイントが貰えるカードは『イオンカードセレクト』と【イオン銀行キャッシュ+デビット】である。

対象カードを電子マネーWAONカードとして利用し、残高のオートチャージを、紐付けられたイオン銀行口座に設定する事で、
 ・オートチャージ時に貰えるポイント(200円ごとに1ポイント)
 ・支払い時に貰えるポイント(通常ポイント還元率0.5%)
といった具合に、ポイントの二重取りが可能となり、ポイントを貯めやすくなっている。


クレカ界隈の記事やブログ等で、
「オートチャージでポイント二重取りができるのはイオンカードセレクトだけ!」という触れ込みをよく見かける。
確かに、イオン系の"クレジットカード"という事であれば『イオンカードセレクト』のみである。

しかし、この二種類のカードにおけるWAONオートチャージは、クレジット機能ではなく、イオン銀行口座から直接引き落としをする仕組みのため、クレジットの利用実績にはならず、ゴールド修行の対象外という罠が潜んでいる事に注意が必要だ。(既にゴールドであれば問題は無い)

なお、「イオンカード(WAON一体型)」におけるWAONオートチャージはクレジット機能によるものであるため、クレジットの利用実績にはなるが、ポイントの二重取りはできない。

WAONオートチャージでポイントが貯まるのはイオン銀行の特徴であって、『イオンカードセレクト』としての特徴ではないという事で、
ポイント二重取り自体は『イオンカードセレクト』の専売特許ではなく、【イオン銀行キャッシュ+デビット】でも可能である。



(3)イオン銀行の金利優遇

『イオンカードセレクト』をゴールド化すれば、イオン銀行口座のMyステージをスコアに関係なくゴールド以上を維持できる。
これは、ゴールド化できない【イオン銀行キャッシュ+デビット】には無い特典である。

だがしかし、Myステージの優遇に関しては「それがどうした???」である。
イオン経済圏内に居住していれば、他行ATMを利用してまで入出金する機会など殆どない。(イオン経済圏外ならそもそも口座を保有する意味がない)
イオン銀行をメインで利用していなければ、他行宛に振込する事も殆どない。
何より、普通預金金利はゴミ以下。メガバンクの5倍(マイナス金利解除前は100倍)だからといって、じゃあ預金して利息で金融資産を増やそう……とはならない。




■キャッシュ+デビットはあくまでもキャッシュカード

一覧表に載っており、ポイント二重取りも可能な【イオン銀行キャッシュ+デビット】であるが、あくまでもキャッシュカードであり、クレジットカードではないため、『イオンカードセレクト』と比較して、主たる支払い方法(デビットorクレジット)以外にも、以下のような明確な違いがある。

 ・キャッシング機能は付帯されない。
 ・旅行保険も付帯されない。
 ・ETCカードを追加申込みできない。

そこで、これらを補う役割を果たし、ゴールドカードも狙える「イオンカード(WAON一体型)」の出番である。


■イオン系カード保有の最適解は何か?

候補として考えられるのは、以下の2パターンであろうか。

(1)1枚持ちで一本化
 ◎イオンカードセレクト
  ⇒クレジットの引き落とし口座はイオン銀行のみ。
  ⇒ゴールド化でイオン銀行Myステージがゴールドに。

(2)2枚持ちで併用
 ◎イオン銀行キャッシュ+デビット
 ◎イオンカード(WAON一体型)
  ⇒クレジットの引き落とし口座を自由に指定。
  ⇒各々の不足する機能や付帯効果をお互いに補完し合える。
  ⇒後者をゴールド化。


どちらが最適解なのかは、ナンダカンダで各個人の価値観に委ねられるのだろう。

筆者自身は、長らく(1)の状態であったが、
総合的に勘案した結果、『イオンカードセレクト』を解約し、(2)の状態へ切り替える事を決意したのである。



後半へ続く。



・イオンカード
https://www.aeon.co.jp/

・イオン銀行
https://www.aeonbank.co.jp/

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