ファイヤーダンス失敗

1993年8月3日の朝5時、熊本県菊池郡大津町にある「ちが産婦人科」で絶叫しながら血ま…

ファイヤーダンス失敗

1993年8月3日の朝5時、熊本県菊池郡大津町にある「ちが産婦人科」で絶叫しながら血まみれのぬめぬめで産まれる。3030グラム。「慎んで太く朗らかに生きてほしい」という理由から「ファイヤーダンス失敗」と名付けられる。2012年に徒歩で上京。

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三十歳の日記(4/23-5/1)

四月二十三日  昨日はそういえば家に帰る途中に図書館に寄ってトルストイの日記を読んだんだ、僕。十九歳の時点で強固な論理を展開していて大変そうだった。二十七歳の時はギャンブルにハマって全然書けなくなっていて、トルストイでもそんな感じだ。三十五歳の時は結婚して家庭を持って書く時間がなくてしんどい、みたいなことがいっぱい書かれていて、トルストイでもそんな感じだ。ちょっとだけ元気をもらう。受付の近くに「梅毒が流行ってます」のポスターが掲示されていて、そうなんだ、と思う。梅毒が流行って

    • 三十歳の日記(4/15-4/22)

      四月十五日  昼過ぎに起きてカップラーメンを作る。キャベツの漬物と人参生姜ラペをホーローの容器から皿へと移す。それらを食いながらまたラップスタアを見るが、あまりにも昨日のコピペすぎて怖い。今日は実は今日ではなくて昨日なのでは?  何回見てもKohjiyaが最高だ。TREBLEではなくPRESENCEのツマミがフルテンに回されてる感じの超高音部分がギャンギャンに立っている声だけどそれが耳障りじゃない。LEXの顔を見ているとKohjiyaとTOKYO世界の時だけ痛そうな顔をしてい

      • 三十歳の日記(4/8-4/14)

        四月八日  それで帰宅してすぐに風呂を溜め、その間にゲーミングPC周りを片付ける。もうしばらくゲームはやらないだろうから、iMac周りを充実させるための移行作業。LANケーブルをiMacに移し、ゲーミングPCに繋いだデバイスたちも全部抜いて片付けていく。しかしコンセントとスピーカーが厄介で、電源タップはこのゲーム用の机の脚に釘を打ってそこに引っ掛けてあった。一旦この机ごと片付けたかったが、まあそぎゃん焦らんでよかど、というところで今日はここまで。パスタを茹でてペペロンチーノの

        • 三十歳の日記(3/28-4/8)

          三月二十八日  なぜか早起き。すぐに洗濯機を回す。iMacで納品書と請求書を作り、プリンターに繋げて印刷してみるも、一枚プリントするのに十五分ぐらいかかる上にガビガビに印刷される。寿命だ。エアドロップでiPhoneに飛ばす。本をぷちぷちで包んでガムテープで閉じる。郵便局に。なぜか今まで通常の郵便を使っていたが、どう考えてもレターパックの方が安いので、そうした。スーパーに行き、食材をテキトーに買い帰宅。瓶を煮沸消毒している間に洗濯物を干す。りんごを洗って拭き、切り、ボウルに入れ

        三十歳の日記(4/23-5/1)

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          73本
        • THE 短編
          9本
        • レイドバックビートに輝き
          3本
        • 誰かの日記
          10本

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          三十歳の日記(3/19-3/26)

          三月十九日  俺が日記に好き勝手書いていることを永汐さんが「代わりに怒ってくれてる」と言ってくれた。 三月二十日  働き終え、風呂に浸かりながらハンターハンターのキメラアント編を読む。十二年ぶり。メルエムが「左腕を賭けて打たないか?」と提案して、コムギが「命でもいいですか?」と返す。そこでぶち上がり。風呂場で「うぉ〜い!!!」などと叫びその声が反響する。そしてじゃばじゃばと暴れる。最高のシーン。風呂から上がっても読み続け、最後にちょっとだけ泣いた。十二年前に読んだ時は泣かな

          三十歳の日記(3/19-3/26)

          三十歳の日記(3/10-3/19)

          三月十日  eydenの新しいアルバムを毎日聴いていて、今日も帰りながら聴いていた。強い論理とか強固な世界観があるわけじゃないし、言ってる内容も革新的でもないのにとにかくビートへの乗り方が気持ち良すぎるというその一点に尽きる。こんなタイム感を持ってる人は本当に珍しいと思う。ジャストなのに後ろノリな感じ。聴いてるとなぜか元気が出る。 三月十二日  起き、大雨の中すぐにコンビニに行き、請求書と納品書を印刷。帰宅。それらに捺印。本と一緒に包む。郵便局に。ゆうパックの伝票に宛先を書

          三十歳の日記(3/10-3/19)

          三十歳の日記(2/24-3/9)

          二月二十四日  新線新宿から丸ノ内線に乗り換える長い道のりで、犯罪をしながら金を稼いで生きていくことを考える。他人を傷つけて騙してでも楽な思いをして金を稼ぐこと、今の自分にはとっても魅力的だ。しかし実際にそれを選んだ友達は二度と戻りたくないと言う。奪い取っていいのは奪い取られる覚悟がある奴だけなのはお馴染みだが、我々パンピーにおいて重要なのは、「では勝ち確の略奪があるのならばそれを実行するか否か」という疑問です。私はやります。しかし現実にそんなものは存在しません。だからやらな

          三十歳の日記(2/24-3/9)

          三十歳の日記(2/4-2/23)

          二月四日  あまりにも疲れ果てて何も覚えていないぐらい物理的にも精神的にも追い詰められ、死を感じざるを得ない七日間だった。二十九日から現れた咳が一向に止まらず、しかし発熱はしておらず、三十一日に病院に行くとやたらめったら散らかりまくった病室でこちらを一瞥もすることないクソジジイのヤブ医者が「花粉症の咳でしょそんなの」とテキトーに言い放ち、花粉症の薬を出して、「絶対違うけどな花粉症じゃ」と怒りながら帰宅。本当に、心の芯から疲れ果てているというのに、更にそこにこういう風に蔑ろに扱

          三十歳の日記(2/4-2/23)

          三十歳の日記(1/4-1/21)

          一月四日  昨日はタイムスで日記を更新するとそのまま帳面を開いて短歌の続きを書いた。  帰宅して、iMacの前に座り、スクリブナーを起動する。iPhoneのメモ帳をAirDropでiMacに飛ばす。ワードを開いて、そこにとりあえず放り込んで行く。十四万字。膨大すぎて完全に頭が追いついてない。帳面を開いて、プロットの整理。コーマック・マッカーシーのおかげで自由さを取り戻したというか、好きに書いていいんだなというか、自分がおもろいと思う文字をただ書けばいいだけというシンプルな気持

          三十歳の日記(1/4-1/21)

          三十歳の日記(12/10-1/3)

          十二月十日  最初にみんなと会ったとき、俺と日下部は二十二歳で、西上くんは二十一歳で、コタローは二十歳だった。あれから八年とか九年とかが経ったけど、何か変わったところってある? と聞くと、コタローがもともと各々の中にあったものが拡大されたって感じ、と言い、そうだね、と頷く。慎ちゃんは、ポジティブな言葉を周りにかけるようになった、と言われて結構驚く。日下部が「ダルい、しんどい、ってずっと言ってるイメージだったけど逆のこと言うようになったね」みたいなことを言い、うわ確かにそうかも

          三十歳の日記(12/10-1/3)

          三十歳の日記(11/20-12/10)

          十一月二十日  明日の予定を分刻みでカレンダーに入れていく。  働き、帰宅して、部屋の大掃除。随分と綺麗になった。洗濯物をIKEAのバッグに入れて玄関の前に置いて、寝る。『味方の証明』のプロットを早いところ整理したい気持ち。 十一月二十一日  昨日組んだカレンダー通りに生活しようと思っていたが、早速起きる時間が遅れた。家を出て、コインランドリーに。洗濯機を回している間、天下一品を食う。あゆみブックスに行って、フォークナーの『野生の棕櫚』を買う。まだ 十一月二十三日  十一

          三十歳の日記(11/20-12/10)

          『小説 VS 写真』第十一回

          ールールー ①課題曲を聴く ②山口は小説を書き、木村は写真を撮る ③より課題曲に似合ってる方が勝ち ー課題曲ー Talking Heads『Once In a Lifetime』 ー小説ー  嵐山さんだ。  あの座り心地の悪い、背もたれもない四角柱の椅子に座っていた。俺は。一人きりの音楽室で。窓の外の屋上を見ていた。嵐山さんが屋上で腕立て伏せをしている。相変わらずおもろい人だな。俺はその椅子を机の下にやたら丁寧に戻すと、この部屋を出ていった。  簡単な屋根しかない

          『小説 VS 写真』第十一回

          三十歳の日記(10/12-11/12)

          十月十二日  アレルギーが爆発して二時間しか眠れなかった。  また昼夜逆転しつつある。すぐに緩む。これはいかん。  二時間しか寝てないと流石にふらふらだ。昔は一睡もせず働けてたのになぁ、と思う。エンヤと少し前に「なんてことない切り傷とかがいつまでも治らんようになってきたね」と話したが、こういうのはどんどん進行していくんだろう。嫌だ。 『デリケート』の本文校正の日々。 十月十四日  秋葉原駅に着くと既に湯船さん早ちりとりスリンキーがいて、当たり前のように約束を守ってくれること

          三十歳の日記(10/12-11/12)

          三十歳の日記(9/21-10/3)

          九月二十一日  三時間ぐらいしか寝ていなかったけど、無理矢理にでも朝型に戻さないとずっと体調が悪いので、そうすることにした。  そして外に出て楽しい一日を過ごして、二十二時には眠った。 九月二十二日  目が覚めると夜中の三時で、流石におじいちゃんすぎる。しかし久しぶりに熟睡した感じがあり、かなり穏やか。米を炊き、Logicを触って、スリンキーとランクに行く。しばらく回して、今日も盛れなかったが楽しかった。小鍋に水を張ってほうれん草の和え物を作る。冷凍していた味噌汁を解凍して

          三十歳の日記(9/21-10/3)

          三十歳の日記(9/4-9/20)

          九月四日  幼稚園児の女の子が爆音で「ありがとうございましたぁ!」と運転手さんに言いながらバスから降りていった。あまりにも大音声(だいおんぜう)だったので嬉しい気持ちになる。後ろに座っていた女の子二人組も話の内容が大人だった。「軽井沢」「野鳥」「ホテル」「蕎麦屋」という単語が聞こえた。おでが幼稚園児の時にそんな単語を用いて会話したことがあるだろうか。「ちんちん」とか「みみず」とかしか言えなかった気がする。 「軽井沢って東京都?」 「いや長野県」 「そうかぁ」  いや大人大人。

          三十歳の日記(9/4-9/20)

          三十歳の日記(8/6-9/3)

          八月六日  ストロークスの『juicebox』を一曲リピートで聴きながら帰る。 八月七日  起きて、早めに家を出るつもりだったのにだらだらギターを弾いてしまってギリギリに出る。篠原紙工さんに。『デリケート』の表紙印刷テストの日。  さよぴぃと新島さんとたくさん話して楽しかった。活版印刷のインクの出具合を制御するのが難しく、それが生き物みたいでかわいい。写真をたくさん見てわけがわからなくなってきたのでみんなに任せる。 八月十日  働き、帰宅するなり落合とスト6。二人でトレモ

          三十歳の日記(8/6-9/3)