プールの高橋という男。
NSCのクラス一緒で同期の中でも付き合いが比較的長く、この右奥にいらっしゃる「“芸人”を捨てたピース」をさせたら右に出る者がいないでお馴染みのひょうきん男です。

高橋はゴリゴリ陽キャ男で裏表無い明るいヤツです。NSCの頃、僕は入学したての時まだ会社辞めたばっかで頭頂部の円形脱毛症ががっつり残ってた時がありまして、勿論恥ずかしいので誰にも言えず髪の毛を寄せてバレないようにしてました。しかし、授業終わり初対面でいきなり高橋に話しかけられ「そういうえばさぁ、なんかお前ハゲてるべ？www」とデリカシーという概念全部ゴミ箱に捨ててきた発言をかましてきました。流石に関わらないようにしようと一瞬でも思いましたが余りにも明るすぎたので笑ってしまいました。

それが

プール高橋です。

ただ基本明るいヤツですが、お笑いに対してはアツく「あの番組のあの人エグいよ」とか「あのライブやばいからマジで配信見た方が良い」とお笑いコンテンツのアンテナをかなり張り巡らせており、頻繁にLINEで連絡くれます。

そんなある日、先日少し強めなお笑いの仕事があったようで向こうから

「あの日ほぼ何もできずに終わった💦」と焦ってる様子のLINEが届きました。汗マークがきっちり付いてますからね。焦ってますよこれは。

高橋は以前ABCお笑いグランプリの決勝進出者発表生配信で敗者の芸人へ「何かやり残したことは！？」という鬼フリがかまされた時に無名ながらも挙手し、「あのぉ！！もうワールドカップぐらい盛り上がりましょうよ！ウヘヘww」という最高のカマしをしたハガネールの心臓を保持しているでお馴染みなのですが、そんな高橋が何もできなかったのかは何故なのか後日出番が一緒の時に詳しく聞いてみました。

その時何気無く聞いた前に出れなかった理由が存外自分にも刺さりました。

その日、高橋も頑張るつもりだったようなのですが、色んな人がガンガン前出る中いつもならいけそうなのに今回に限って突然冷静になってしまい「気づいたら終わってた💦」みたいなことを言ってました。

「あ、今日おれの日じゃねえな💦」と思って一歩引いちゃったらしいです。
これはまあ、芸人のあるあるですがその感情に至った理由がなるほどと思いまして。

高橋「おれさぁ、たまにあいつ面白くないなって人見下しちゃうんよ笑💦💦」と言ってました。

唐突に失礼発言です。

高橋は最近心のどこかでお笑いにおいて人を無意識に見下してしまうことが増えてそれが原因らしいです。

まあでも人間誰しも心のどこかで誰かを見下してしまうことはありますし、芸人やってると「あいつよりもおれの方が面白いわ。」みたいなことは全然思うので気持ちはとてもわかります。
ただこれと前に出れないことの因果関係があんまりわかんなかったです。

詳しく聞くと、お笑いにおいてあいつおもんないなと見下しすぎると知らぬ間に自分の中のお笑いのハードルがとてつも無く上がってるらしく、頭の中でシミュレーションだけしてしまって前に出る事のリスクを考えてしまい結果、足が止まってしまうということらしいです。

これめっっっっっちゃ共感できて首ブンブン振りました。

僕はそれで前出れなくて結果そのライブすべるだけすべって終わるみたいな日何度も経験してるので高橋の一言は晴天の霹靂でした。

ああ、原因これか！って。

高橋はこれを同じ根明のぺんとはうすヤマトさんに相談したら「高橋みたいなやつはもう誰も見捨てたらアカン！」と言われたらしいです。
ヤマトさん真理すぎます。

僕は僕で2年前くらいに誰かに「面白くないなぁ！！」とノリでつっこんでたらそれを見た9番街レトロのなかむらさんから一言「面白くないのツッコミすると自分が面白いことできなくなるからやめた方がええかもよ！」と教えてくれました。

ド真理すぎます。あれだけむちゃくちゃやる人がそういう部分に繊細なのがリアルでずっと印象に残ってる助言でした。それがまた蘇りました。

お笑い以外でも何か能動的にしなければいけない仕事携わってる人はもうほぼこれに該当するんじゃないでしょうか。

見下して自分にプレッシャーかけるマインドの方が鼓舞できて結果的に鋭いパフォーマンスができる芸風の人もいるので一概に見下しスタンスは厳禁とは言えないです。
が、高橋と僕はそのスタンスは合ってないって事ですね。

何を冷笑してんだって話ですよ。

こんな2人はただ楽しくお笑いやってればそれで良いんですよ！