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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論878」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第44号(2009.9.25発行)「長寿企業の極意(商業アドバイザー・小柳剛照)」2~※名称等は当時、一部文章省略

企業の寿命は30年?

柏屋の理念は、真心を包む、ということ。
その精神が、工場の従業員にも、店舗の販売員の接客にも満ちているので、お客さまにはいつも大きな満足が生まれるのでしょう。

柏屋では毎年、感謝の気持ちで「春のまんじゅう祭り」を開催しています。
今年もお二人あわせて157歳のご夫婦が、重さ158㎏の巨大な萬寿(まんじゅう)開きを行いました。
ご夫婦の年齢の合計は、柏屋の創業からの年数であり、巨大な饅頭の重さは、お菓子の神様への感謝や五穀豊穣、家内安全、長寿等への願いを込めて、年数に1を加えたものです。
また柏屋本店では、毎月1日の朝6時から8時まで、「朝茶会」が開かれます。
誰でも自由に参加できて、無料で薄皮饅頭2個とお茶が振る舞われるものです。
1974年から開かれている朝茶会には、年配者から高校生まで多くのファンが生まれ、今では郡山市の毎月の風物詩になっています。

伝統は革新

柏屋には「代々初代」という格言があります。
老舗企業というと、伝統を守り続けるというイメージがありますが、消費者の好みが変われば、昔の味やサービスに不満をもたれる恐れがあります。
だから、代替わりしても、それまでの伝統にとらわれることなく革新して構わない、という理念。
では何故、代替わりで味を変えたとしても、昔からの常連のお客さまが減ることがないのでしょうか。

それは「昔の味と変わらないと思われる味」に変えているから。
基準となるのは消費者の味覚です。
食べた時の感覚が、昔と変わらないと思われること。
そのために、あんの甘さや量を、時代に合わせて変えていきます。
商品やサービスは変えても、「いつも同じ」という安心感を変えないこと。
それが長寿企業のサービスの秘密だったようです。

~ここまで~

先日放送の「カンブリア宮殿」で創業50年を迎えたセブンイレブンが取り上げられており、出演した社長さんが創業者からの薫陶で胸に残っているものとして、「変化への対応」と「基本の徹底」という理念を挙げておられました。

まさにそのエッセンスは、記事の内容そのものであり、店舗では毎週100もの定番商品の微細な修正や新商品の投入が行わているそうです。
以前より、顧客が気付かないほどの微細な変化を食品の味などで重ねていると聞いておりましたが、「伝統」と「革新」の見事な融合だと言えます。

当社の提供サービスも少しずつ修正を加えて、オープン当時とはかなり違うコンテンツやアイテムに現在なっております。
その変化は、当然、これまでのお客さまに合わせて変化してきたものであるので、そのことで顧客離反が起こったことはありません。

パンデミック下で、苦境に陥った業界内では、必ずしも顧客にとって良かれとは思えない企業本位の変化が多く見られるため、そのことがもたらす最終的な結果は、歴史が恐らく証明してくれると信じております。                                                                                                                                                                                                                                          

お読みいただきありがとうございました。

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