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丹光と虚構

ベッドの上の喧騒
いつかの思い出が
波となって私に押し寄せる

真夏の砂浜
手を繋いだ彼の目は
きらきらと輝いていた気がする

蒸し暑い夏祭り
荒波に飲まれる熱狂から
抜け出したのはいつのことだっけ

小さな花火
夜空の藍と公園の土と
私にとってはふるさとみたいなもの

病院のベッド
白雪と緑葉のコントラストも
八月に降った生暖かい雪の精霊

ほら、丹光の中だよ
私が愛した世界はね


ああ、神様が本当にいるのなら

私、自由な足が欲しいな。

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