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すべてのことはメッセージ

ポーカーにはレプリゼントという概念がある。

レプリゼントとは、「ゲーム中の行動を通じて発生する非言語メッセージ」のことだ。

たとえば掛け金を上げる(レイズ)という行為は、「私の手札は強い」 「相手を下ろしたい」というメッセージを発している。同じように降りるという行為も「手札が弱い」や「リスクが見合わない」というメッセージを発している。

基本的に、「あらゆる行動は、周囲にたいして何かしらのメッセージを発している」というのがレプリゼントという概念の根底だ。他人から観測される行動そのものが、非言語のコミュニケーションとして機能するわけだ。

ポーカーのプレイヤーは複数のレプリゼンテーションから、総合的に相手の手札やプレイングスタイルを推察していくことになる。

すべてのことはメッセージ

レプリゼントという概念を知ってから、この世のあらゆる行動はメッセージングを含んでいるのだと考えるようになった。

たとえばメールに返事がこないのは、「気づいていない」「他のことに忙しい」「案件の重要度が低い」「あなたの重要度が低い」など、いくつかの可能性をメッセージングしている。

あるいは儲かってそうな人や企業が、売り上げを発表するのに利益を発表しないという行為もメッセージだ。それは、「利益率が悪い」「クーポンや広告などが不健全に多い」「売り上げと利益の区別がつかない」などの可能性をメッセージングしている。

呼吸、発言、目線、施策、発表、やったことはおろか、やらなかったことも全て、何かしらのメッセージをリプリゼントしてるのだ。

個々のリプリゼントが発するメッセージは不確かで確率的だけれども、複数のメッセージを統合すれば、相手の意図というのはそれなりに見えてくるように思える。


自分はカードゲームの中ではポーカーをしない人間なのだが、この考え方そのものは実生活で大いに役に立っている。

下記の本は、人生で役に立った本トップ20の1冊に入ると思う。この本で、「ギャンブラーはギャンブルをしない」ということを学んだ。


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