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るろうに剣心 京都編 レポ!

5月17日に開幕した「ミュージ るろうに剣心 心 京都編」。
かなりひさしぶりにミュージカルを見たんだけれども、思っていた以上に、すごい作品に出会ってしまったのではないかという興奮覚めやらぬ!!という状態なのでレポ(ほぼただの感想)を書いていきす。
原作の知識ほぼない状態で(映画も見たことない)見たけれど話をしっかり追うことができ、めちゃくちゃ面白かったです。敷居の高い舞台芸術というよりはめちゃくちゃ面白いコンテンツという印象。人間の娯楽もここまで来たかと思いました。いやはやミュージカルもここまで…!笑
劇場はIHIステージアラウンド東京。海の近くで、近隣にはほとんど大きい建物しかなく、コンビニとかもあまりないような場所です。日本で唯一客席が360°回転する劇場。

「周囲を取り囲む360度全てに展開されるステージ、その中心に巨大な円形の観客席を配置。
巨大なお盆に乗った観客席、それ自身が回転しながら、舞台、映像、音楽、照明、全てが画期的な方法で融合することで、 これまでにない感覚を体験させてくれるアジア初の没入型エンタテインメント施設です。」(公式サイトより)

https://www.tbs.co.jp/stagearound/theater/


今回もこの劇場の特徴が存分に活かされていました。
場面転換では、客席が回転しつつスクリーンの開閉し、役者も観客席と一緒に回りつつ演技が続いたり、途中はスクリーンの映像を用いて語り部の解説が入ったり…などなど、ものすごく工夫されていました。
休み時間の時には、はじまった時からは180℃回転してたかな?という位置だったんだけれど、正直観劇中はもはや自分が動いているのかスクリーンが動いているのか認識できませんでした。とにかく全てのシーンの繋ぎが見事でした。
今回は私は7列目のちょうど真ん中くらいの席に座っていたんですが、演者の方々とびっくりするくらい近くて、手前に来ている時はもう10mくらい距離しかないんじゃ?!という感じでした。近すぎて脳がバグって映像見てるかのような気持ちでした。笑

全体としては、この場面転換を筆頭に、演出がかなり作り込まれていて、話の流れがめちゃくちゃわかりやすかったです。わたしの場合、人の顔や名前を覚えるのが苦手なので、貴族が出てくるようなミュージカルでは似たような服装の人が多すぎて誰が誰だかわからなくなるということが結構あるんですが今回は一歳そんなこともなく、たまにこの人はどういうキャラなんだっけ?ということはありましたが、この2人はどっちがどっちだ…?みたいな迷いは起きませんでした。漫画が原作ということも強いと思いますが、キャラが一人一人立っていてすごかったです。

ミュージカルとしては、比較的セリフが多めなのかなという印象を受けました。前半はずっと真面目なトーンで突っ走っていたんですが、後半はお笑い要素が入ってきたり、曲がラップ調になったりと盛りだくさん。
アクロバットはみなさん本当にレベルが高く、移動しながら、歌いながら、キレキレの剣術を披露されていて、ハラハラドキドキでした。剣術の名前を言いながら技を繰り広げる様子は、プリキュアの変身を思い出しました。戦いのシーンでは、スローになったり、他方が戦っている時はその戦っている人たちだけに照明が当たりもう一方は時が止まっている演出、スクリーンの映像と動き、そして音のリンクだったり、アテレコを用いた演出など、もう本当にミュージカルとしてできる限りの技術を詰め込みました!!これでどうだ!!!と見せつけられた気持ちでした。もう完敗です!!!!

いくつか印象的なシーンなど↓

るろうに剣心「京都編」ということでしたが、前半は主に東京やその他の場所が舞台になっています。前半が進んでいくにつれ、剣心やその仲間たちだけではなく、志々雄や十本刀、四乃森蒼紫や斎藤など、色々な人が色々な場所からそれぞれの目的を持って京都に集まっていく流れはゾクゾクしました。
京都に着いてからすぐに流れる「おいでやす京都」はマツケンサンバっぽさがある曲で、かなりお気に入りの曲です。
前半は、公式サイトのあらすじに書かれている物語が進んでいきますが、本当に没入感がかなりあって楽しすぎました。

後半戦では、師匠と剣心の戦いのシーンの演出もかなり印象的でした。
出会った当時と成長した姿、スクリーンの切り替わりで場面転換しましたが、転換した先にも剣心と師匠が。(この時師匠を演じていたのは加藤和樹ではない人!)舞台にいるのは本人ではないが、加藤和樹が声を当てていることで、見事にアニメのような演出になっていました。お見事。

あと加藤清史郎くんの声よかった〜〜。かつての志々雄のセリフを再現するんですが、最初は加藤和樹さんのアテレコかと思うくらい。全体的には少し高めのトーンで話していたからこそ、こんなに低くて強い声が出せたのかとびっっくりしました。

2幕の最終決戦では、葵屋側と志々雄側が交互に描かれていました。
葵屋の戦況は、実際に戦いのシーンがあるだけではなく、別の場所にいる志々雄が側近から報告を受けているという設定で語られるため、整理しやすかったです。

最後に手下の佐渡島がスクリーンの手前で倒れるんですが、役者さん捌ける時にいちばん前の席の人には見えるんじゃ、、、?と心配していたら、まさかの地獄で生き返るという演出!すごいですね本当に。

ミュージカル俳優としてかなり王道な役者さんたちも出ていましたが、加藤清史郎くんや鈴木梨央ちゃんなどの元子役と言われている子たちだったり色々な人の活躍を見ることができて感無量でした。2020年に上演する予定だったけれども新型コロナウイルスの影響で延期となり、今回1年半ぶりくらいにようやく上演されました。そのこともあってか、役者の熱量がものすごくこちらに伝わってくる舞台でした。

あまり正確には覚えていませんが、剣心が最後に言った、

強いものだけが勝つわけではない
何が正しいかはのちの時代の人が書き残す。自分は自分が正しいと思うことをやるだけ。

というセリフが印象的でした。いつだってみんな間違ったことをしようとしているのではなく各々が自分の信念に従って「正しいと思うこと」をやっているとらどういうことか、ということを改めて理解しました。
今日の世界では、ウイルスによるパンデミックだけではなく、戦争だったり自然災害だったり本当にさまざまなことが起きていて、自分は自分でできることをやっていくしかない、みんなそうやって必死に生きているのだということを強く感じました。また、歴史とはそうやって作られてきたものであり、私たちが過去と捉えている時代には、その時代を実際に現代と認識して生きていた人たちがいる、そして私たちの生きているこの現代もいつか歴史となるのだと、当たり前ですがしみじみ思いました。
またこういった舞台に出会えたのも、出会うべくして出会っているのだなと、舞台は生モノ、だからこそいつだってその時代の人々が求めているコンテンツが生まれていくのだなと考えさせられました。

戦うこと、生きること、なぜ生きるのか、正しいこととは何か。これからも考え続けていきたいと思います。
待宵月に願いを込めて。

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