記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

KISS OF LIFE MAGAZINE

 2023年にデビューした韓国のガールズグループKISS OF LIFE(以下KIOF)は、ハイレベルなダンスパフォーマンスや歌唱力、そして個性豊かなキャラクターで人気を集めています。

 そんな魅力たっぷりのKIOFですが、発売されるアルバム(音盤のこと)も一味違い、まるで雑誌のように内容が充実しています。そこで今回は「創刊号」であるデビュー作『KISS OF LIFE』と2ndミニアルバム『Born to be XX』を中心に、この魅力を「ファッション」「美容」「旅行」「映画」のカテゴリーに分けてご紹介したいと思います!

注)アルバムの内部を掲載しておりますのでご了承ください。


ファッション雑誌のように

 KIOFのアルバムを開いてまず驚くのは、登場する衣装の多さです。ページをめくるたびに、全く異なる印象の衣装に身を包んだ4人が登場します。本物の雑誌のように、作品ごとにいくつかの特集が設定されています。例えば『KISS OF LIFE』では、「Y2K CLUB」というタイトルのもと、Y2Kに関連した4人へのインタビューが掲載されていたり、『Born to be XX』では「Journy To Seoul」というタイトルのもと、ソウルの風景をバックに撮影された写真が掲載されています。特に『Born to be XX』では、ページの端に着用している衣装のブランド名が掲載されており、より一層ファッション雑誌を眺めているような気分になります。

 また、中にはQRコードのみが印刷されているページもあり、読み込むとアルバムを買った人しか見ることのできないYouTubeのリンクに飛ぶという仕掛けまであります。そこではまるでファッション雑誌のYouTubeチャンネルのように、撮影しているスタジオで行われたインタビューの模様を見ることができます。


美容雑誌のように

 ファッションだけでなく、それぞれの特集でどんな化粧品を使用したか、メイク担当による解説と併せて詳しく紹介しているページもあります。また4人の美しい顔が大きく掲載された、メイクに特化したページも設けられています。

化粧品はイラストで掲載されています


ガイドブックのように

 さらに驚くのは、デビュー作のMV撮影が行われたハンガリーの首都・ブダペストの紹介ページまであることです。ブダペストの観光地であるマーチャーシュ教会や国会議事堂、ヴァイダフニャディ城、そしてソウルフードの紹介などで構成されています。ここではほとんど4人の姿が出てくることがないという、アイドルのアルバムとしては実に大胆な作りとなっています。


映画のパンフレットのように

 アルバムの後半部分には、制作風景の写真やMVのスケッチ、そして制作に関わったスタッフのインタビューが掲載されていて、まるで映画やミュージカルのパンフレットのようです。中にはK-POPのMVを数多く手掛けてきたシンヒウォン監督や、かつてBIGHIT MUSICでプロデューサーとして活躍していたシンガー、ADORAのインタビューもあります。それぞれの役割を担っていたスタッフたちが、これまでの経歴やKIOFの作品でこだわった点、メンバーの印象などについてたっぷり語っています。

スタッフとKIOFの4人が一緒に映る写真が多く掲載されています
ADORAのインタビュー


終わりに

 ほんの一部を取り上げてみましたが、表紙を見ただけでは分からない、KIOFのアルバムの凄さが伝わりましたでしょうか?KIOFのディレクションを手掛けているのは、かつてオーディション番組『PRODUCE 101』『アイドル学校』に出演したイヘインです。このアルバムに掲載されている彼女のインタビューには、アルバムをこのようなマガジンスタイルにした理由が次のように書かれていました。

①文章がいっぱい詰まったアルバムを作りたい。作家の本を買ったときとアルバムを買ったときのバイブが違う現状を打破したいと思った。
②KIOFにはアイドルの枠を超えて、トレンドセッターとしての役割を担ってほしい。ダンスと歌だけで見せることができないたくさんの魅力をアルバムを通して見せたい。
③K-POP市場がどんどん大きくなる中で、制作チームのような職業を夢見る人も多くいると思うが、そんな方々の為になるようなエピソードを多く盛り込みたい。

筆者による翻訳・要約

 インタビューでこの部分を読んだ時に、私がストーリミングサービスで気軽に音楽を聴くことができる今、なぜフィジカルとしてのアルバムを買うことが好きなのか、そして今回のKIOFのアルバムに惹かれたのか、という問いに対する答えが全て詰まっていて、彼女の考えに非常に共感しました。今回ご紹介したKIOFのアルバムは、まさに彼女たちがスタッフたちと作り上げてきた作品をより一層楽しみ、理解するために必要不可欠な媒体だと、彼女のインタビューを読んで確信しました。


 アルバムの大きさや写真の構成を雑誌に寄せる、というだけでなく、圧倒的な文字量、充実した企画、作り込まれた一つ一つのグラフィックなど、限りなく雑誌に近い形で作られたKIOFのアルバムを、ぜひ楽曲、MVとともにじっくりと楽しんでみてください!最後まで読んでくださりありがとうございました!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?