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運命の重さ、軽さ

「昔話の深層 ユング心理学とグリム童話」(河合隼雄 講談社)の中に、
「運命の重さ、軽さ」のことが書かれていて興味深かったので、よかったらお付き合いください。

「いばら姫」(ねむりひめ)の父親が(姫が15歳になったら「つむ」にさされて死ぬ)という運命に対して、国中におふれをだして、「つむ」という「つむ」を残らず焼き捨ててしまうように命じる。
しかし、姫は「つむ」を見たことがなくかえって好奇心を起こして、15歳の時に、おばあさんのもっていた「つむ」に触ろうとして永遠の眠りにつく。(その後王子のキスで目覚めますが)
「運命を避けようとする試みが、ますます運命を引き寄せることになる」と。

それに対して日本の昔話「生まれ子の運」という話がちょっとおもしろいのです。

(生まれてくる子どもの寿命は18歳で、その時、京の桂川の主にとられる)という運命に対して、その父親が息子に、桂川に「絶対に行ってはいかん」ととめる。
息子は結局親の目をぬすんで出て行ってしまうが、それを知った父親は、なんと葬式の準備をはじめる。
一方、18歳の息子は桂川に行く途中、腹が減ったので、餅屋へ行く。すると、かたわらに立派な娘が腰かけているので、餅を食べないかとすすめると、食うは食う無茶苦茶に食って、百貫からの餅を食べてしまう。その娘と連れだって桂川の土手に行くと、娘が「わしはここの主だ」と告げ、「お前は18の寿命でここで死ぬはずだったけれど、わしにあんまり餅を食わしてくれたので、61歳まで延ばしてやる」と言う。息子が家に帰ると葬式ごしらえをしていた父親が大いに喜んだという話。

河合隼雄は、父親や息子の「自然に従う態度」が、結局、運命を変えることに役立ったと見るべきであろうと書いています。

私も、「自分の気持ち」に従う、「自然に湧き上がる気持ち」に従うことがものすごく大事だなとつくづく思います。
「ふと湧き上がってくる気持ち」って不思議ですけど、なにかありますよね。
それが結局は心身の健康につながり、幸せにつながっていくような気がします。
なかなか難しい状況の人もいるかもしれませんが、
世間の常識や多くの人の考え方、過去の習慣、そういうものにとらわれすぎずに、今、できる範囲で、「自分の湧き上がってくる気持ち」大事にしたいですね。

そして、例え辛い状況があったとしても、それは「いつかのいい日のために」ある。自分がそれを「魂の学び」とすればそうなる!いばら姫も王子のキスで目が覚める♡ それを信じて生きていきましょう。

でんと座り込んで百貫もの餅を食べる娘さん。
なんかおかしい(*^-^*) 日本の昔話のユーモア、最高だと思いました。

それでは今日も体をほぐして、心をほぐして、
深い呼吸を意識して、「自分の気持ち」を大切に扱っていきましょう。

あなたに良いことがおきますように♡

読んでくださって本当にありがとうございます。



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