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"Sea of Stars" というすごいインディーRPGのはなし(ネタバレなし)

"Sea of Stars"、クリアしたので軽いゲーム紹介とネタバレなしの感想です。
シナリオについてのネタバレは無いですが、システムなども含めて新鮮に楽しみたい!という方はお気をつけて。

どんなゲーム?…90年台の作品をベースに細かな部分まで作り込まれたRPG

以前”The Messenger”というゲームの記事でも軽く触れましたが、"Sea of Stars"はカナダのSabotage Studioというゲームスタジオの2作目にあたるRPG。2年ほど前からトレーラームービーなどで知り、ずっとチェックしていたのですが、2023年8月29日にSteamなど各プラットフォームでリリースされました。
1作目の”The Messenger”と同じ世界観を持つ、ということが事前にアナウンスされていたので先に”The Messenger”をクリアしてから、満を持してプレイしました。

プレイした感想…細部の作り込みがすごい

プレイした感想ですが”The Messenger”と同じくあらゆる面の作り込みが素晴らしく、ゲーム好きとしては、仕事の丁寧さと質の高さに感動しました。個人的には文句なく良作でしたし、特にスーファミ時代のRPGが好きの人にはおススメできます。
どこまで公式に名言されているのかは分からないですが、確実に「クロノトリガー」や「スーパーマリオRPG」あたりのゲームの影響を受けている一方で、単なる模倣ではないリスペクトと作り込みをひしひし感じました。インディーズだからこそ作れるタイプのゲームであることは間違いない。

…ただ後述しますが、肝心のRPGとしてはちょっと気になる点があるのも事実…。

魅せるドット絵のグラフィック

  • トレーラーなどを見てもらえれば分かる通り、とにかくグラフィックがいいです。背景もキャラクターもグラフィックが魅力的で、よく動きます。

基本はピクセルアート、
光や影などの表現にはCGエフェクトがかけられている感じ。
フィールドはこんな感じ。
どこでキャプチャしても絵になる。

懐かしさだけじゃなく仕込みも豊富な音楽

もともと自分がスーファミあたりのゲーム音楽が好きなこともあり、光田康典さんがゲストコンポーザーとして参加されていることをあってBGMには期待していたのですが、どの曲も素晴らしい。最近流行りのインタラクティブミュージックの要素もアリ。詳しくは言わないですが、音楽関係でそこまでするか?というサービスもあります。
どのくらい音楽にこだわっているのかは、公式サイトのAudioのページの力の入れ具合からも伺えます。効果音の視聴ができるゲーム、他には知らないです。

※公式サイトは若干のネタバレを含むので注意!

おいしいとこ取りのシステム

システム回りは基本的には馴染みのある過去のRPGのおいしいとこ取りという感じ。レベルアップ時のパラメーターのボーナスの割り振りという、マリオRPG的なささやかなキャラメイク要素もあります。
体力の回復に関して、回復アイテムは豊富に手に入れることはできるけれど、パーティで最大10個までしか持つことができないというという「おやつ」システムがあり、戦闘やダンジョン攻略にささやかな緊張感を与えてくれてちょっと新しく感じました(ほとんど使わなかったけれど)。

戦闘システムについては、マリオRPGのような「タイミングよくボタンを押す」といったアクション要素があるほか、オクトパストラベラーのような敵の弱点属性をつくと敵をスタンさせられるといったギミックがあったり、通常攻撃にもMP回復や属性攻撃ブーストといった意味を持たせたりと、戦闘を飽きさせない工夫があります。
一方でこのあたり要素は戦闘時間が長めになる要因でもあり、人によっては少し面倒だと思うかも…(シンボルエンカウントということもあって戦闘数自体は少なめだけれど)。

個人的に新しく感じたのは「秘宝」というシステム。これはNPCからもらったり、店で買ったりすることで入手できるのだけど通常のアイテムと区別されていて、ステータスを大幅向上して戦闘をやさしくする効果があったり、宝箱の取り忘れを教えてくれる効果があったり、逆に戦闘を難しくする効果があったりと、ゲーム体験自体を大きく変える効果がある。
同じような機能は他のゲームであれば、リメイク作品に多い「ハイスピードモード」や「エンカウントなしモード」とか、ドラクエ11の「しばりプレイ」など、割とむき出しな感じで実装されているけれど、アイテムの効果としてゲーム内に組み込まれているのは上手だな~と感心しました。

「秘宝」の効果はいつでもON/OFFを切り替えられる

料理システムがマジでほんとにすごい

そのほか書ききれないほど細かい部分で作り手側のこだわりを感じたのですが、なかでも料理システムの演出がすばらしい。
フィールドで拾ったりして得た食材で、料理をつくることができるというシステムで、これ自体はいろんなゲームにもあると思うのですが、料理工程が臨場感のある効果音と共にめちゃくちゃ丁寧に描かれていて、できあがる料理のドット絵イラストもとても美味しそう
地味なポイントなのだけれど、料理をする間はボタンを長押しする必要があり、長押ししている間に料理が進んでいきます。もちろんボタンを押したら一瞬で料理が完成するようにしたほうが実装も楽だったと思いますが、こういったところにプレイヤーとゲームの間のインタラクティブなやりとりを大事にする丁寧な作り込みが感じられます。Sabotage Studioのファンになっちゃう。
参考に「ローストサンド」を作る時の動画です。

  • ミニゲームのホイールズもおもしろい。これだけでゲーム作ってほしい

ちょっと気になるところはある

  • 冒頭の「ちょっと気になるところ」というのはRPGのキモでもあるシナリオ部分。全体的にかなりテンポよく壮大な話が進んでいき、ちょっとプレイヤーが置いて行かれがちな部分があります。
    ”The Messenger”を遊んでいないと、よりそう感じる部分もあるかも…。もちろん”Sea of Stars”を先に遊んでも問題はないですが。

  • プレイ時間は自分の場合は40時間くらい。クリア時に実績をほぼ取っていたのでやり込むとこのくらいの時間になる、という目安にしてもらえればと思います。

来月にはスーパーマリオRPGのリメイクが発売されますが、本作を遊んだことによりコマンドRPGやりたい欲はかなり満たされました。
DLCの開発もアナウンスされているようで、そのあたりでシナリオ部分が補強されたら嬉しいですが、ここの会社はまたちょっと捻ったものを出してきそうな気も…。

またネタバレ有りのクリア後感想の記事も書くつもりですので、クリア済みの方はまた覗きにきてください~。

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