『ブレイクコア・ガイドブック 上下巻』『ハードコア・テクノ・ガイドブック オールドスクール編/インダストリアル編』に続く、私の5冊目となる書籍『History of Japanese Hardcore Techno』を11月中旬にMurder Channelから自主出版する。

この『History of Japanese Hardcore Techno』は2年半に渡って日本のハードコア・テクノに関わる国内外のアーティスト、DJ、オーガナイザー、コレクター、ライターにインタビューをして得た証言と提供して貰った貴重な資料を基に日本のハードコア・テクノの歴史について、その誕生から現在までを記録している。
ディスコとクラブ、デステクノからガバ、The KLFが与えた影響、インターネット以前に行われていたフリーペーパーによる情報共有、The Speed FreakとEuromastersの来日公演、メタル/グラインドコアやノイズとの関係性、リズムゲームとハードコア・テクノの相性、J-Coreの定義、ブートレグ・リミックス、アニメ・サンプルの背景、違法ダウンロードについてなどのトピックを扱っており、ハードコア・テクノと関係性がある周辺ジャンルとサブカルチャー、海外のハードコア・シーンとの繋がりや違いなどを交え、日本のハードコア・テクノの素晴らしさをお伝えしている。日本のハードコア・テクノをまったく知らなくても楽しめる内容になっていると思う。

表紙イラストはアニメ『魔法少女魔法少女マジカルデストロイヤーズ』の原案者であり、クラブカルチャーとオタクカルチャーを深い愛情とリスペクトを持って繋げているイラストレーター/DJのJun Inagawa君に描き下ろしのイラストを提供していただいた。本の装丁とデザインはKetchupartsのDieさんに担当していただき、校正はMurder ChannelからリリースしたMonolog『Everything at Zero』やコンピレーション『Twisted Steppers』のライナーノーツを執筆してくれた清家咲乃さん、海外アーティストの翻訳はL?K?Oさんが協力してくれた。

現在、MxCx online storeにて通常版(本+CD)と限定セット(通常版+Tシャツ+ポスター+小冊子+ステッカー+DLコード)の受付を開始。本の内容とインタビュー参加者の一覧を公開しているのでまずはチェックしていただきたい。

通常版
https://mxcxshop.cart.fc2.com/ca2/131/p-r-s/
限定版
https://mxcxshop.cart.fc2.com/ca2/132/p-r-s/

『History of Japanese Hardcore Techno』は2021年にパブリブから出版された『ハードコア・テクノ・ガイドブック インダストリアル編』の「Japanese Hardcore Techno」というチャプターに収録されているコラム「日本ハードコア・テクノ史」がキッカケとなっており、2019年末頃からこの企画に着手していた。

『History of Japanese Hardcore Techno』は『ハードコア・テクノ・ガイドブック オールドスクール/インダストリアル編』と多く繋がりがあるので、実質的にはハードコア・テクノ三部作というような形になる。『ハードコア・テクノ・ガイドブック』にはHammer Bros、Shigetomo Yamamoto、DJ Myosuke & RedOgre、DJ TECHNORCH & DJ SHARPNEL & DieTRAXのインタビュー/対談、OZIGIRIとRoughSKetchのコラムなど、日本のハードコア・テクノに関する重要な情報が載っているので、この機会に予習を兼ねて未読の方はチェックしていただけたら幸いだ。

『History of Japanese Hardcore Techno』は自分にとって始めての自主出版となる。今までやったこのとない作業が多く、かなりの時間と予算が掛かってしまったが、出来上がった内容にはとても自信がある。自主出版に関して、色々とアイディアをくれてサポートしてくださったDieさんにはとても感謝している。

注ぎ込んだ予算が半端ない金額になってしまっているので、販売価格が少し高価に感じられるかもしれない。だが、これでも可能な限り削れるところは削って手に取って貰えるようにしたので、興味がある方は是非とも入手して欲しい。こういった予算の関係があり、委託販売などが厳しい為、Murder Channelの直販店MxCx online storeでのみ販売することになった。

限定セットにはオランダのNeodash ZeroxによるJ-Coreクラシック・ミックスを収録したDLコード、本編未収録のディスクレビューなどを載せた小冊子も付いてくる。このセットは後々、大きな価値が生まれるのは確実なので気になってくれている方はお早めに入手していただきたい。

発売に向けて、noteにて特集記事を公開していくので、引き続きチェックして欲しい。