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花屋歴20年 アーティストとして花の作品を作り続けてきた僕が、丹精込めて作られた一輪の花の魅力に気づいた経緯。(前編)

花を買う時、何を基準に買うのだろうか。
センス?価格?ボリューム?人柄?
それぞれいろんな意見があるのではないだろうか

当時花屋で独立開業した時。
フラワーアーティストと名乗り数多くの作品を作ってきた。
当時は花の種類や品種も少なく、限られた花の中でいかに自分のオリジナルの作品を生み出せれるのか。に力を入れていた。
上記の買う基準でいうと「センス」の部分一択だったに違いない。
お客様が欲しい商品よりも僕自身が作る花を気に入ってくれた人に買ってもらいたい。と、今思えば我儘な花屋だった。(要望に全く答えなかった訳ではないです)
それでもファンはついてくださり、遠方からも当店までわざわざ足を運んで下さった。
今までのお客様には改めて感謝の気持ちを伝えたい。当時のお客様がいなければ今こうして記事も書き始めてないのだから。

当時の作品。ビビットなカラーが特徴でした。

株式会社スマイル LACA西荻窪店との出会い

そして紆余曲折あり、一度花の業界から数年離れ今から4年前ほど前。
今勤めている、株式会社スマイル
LACA西荻窪店に出会った。
ここでは作品を作るよりも淡々と花の仕事をし、一花屋の店員とし、サラリーマンとしてこなしていければいい、と思って入社した。
花にずっと携わってきた自分が、今更この仕事から抜け出せるわけがないとも感じていたから。

LACA(勤めている花屋)は西荻窪駅から徒歩0分
スーパーSEIYUの入り口にある町の花屋。
つまり『スーパーの花屋』だ。
駅からも近くSEIYUさんは抜け道となっており、通行量も非常に多く、小売業にからしたら最高の立地。(後々この店が僕の花に対する考え方を大きく変化させるとは思ってもみなかった。)

店内一部風景

入社した頃のLACAは冒頭の話だと
「価格」「人」「利便性」といったところ。
僕が独立してやってきた花屋とは違う性質の花屋で
お客様の要望を聞き、予算を決め、入れたいお花や色味でお客様が満足する商品を提供する。
お客様が選んだ花を束ねる。
急にお花が必要になったお客様に対応する。
などといった、お客様の意見最優先な便利な花屋?である。

このような形態の店頭販売は戸惑いもあったが
徐々に感覚を取り戻し、花屋ってこうだったな。と久しぶりな感覚を覚えた。


一、二年ほどたった時だろうか、上司から店長をやらないか、と声がかかった。

入社当初はそんなにやる気もなかったが、生活もありお金もほしかったのと、久々の花屋が楽しく忘れていた初心の頃を思い出す感じがして断る理由がなかった。

そして何より、店長になるとできる【切花の仕入れ】が、決め手になったのかもしれない。
この時の決断がタイトルにあるように、
「一輪の花の魅力」に取り憑かれるきっかけになると、思ってもいなかった。

前店長は鉢物の方が強く、切花は決して得意でなかった。品質や産地よりは、今思えば価格重視でした。(もちろんわからないなりに色味などこだわって仕入れはしてました)
自分も担当が変わった頃は産地もよくわからず、金額ばかり見て仕入れをしていた記憶がある。
ただ切花に関してはずっと携わってきたこともあり、前店長よりは良いものを仕入れらる自負があった。
だがそう簡単にいくわけもなく、仕入れたことがなかった大きい市場では右も左もわからない状態。
ましてや自分は農家さんや産地さんのことを殆ど知らなかったのだ。

しかしありがたいことに、SNSというとても便利なツールが今はあり、花農家さんの情報を調べたり、産地を知ることは難しくはなかった。

それから一年ほどだろうか。仕入れをしていくうちに、たくさんの農家さんのことを知り、良い花に巡り合えるようになった。
今はおすすめの産地や農家さん、旬の花をお客様にどんどん提供できる体制が整ってきている。

それにより今のLACAは、当初の「価格」「人」「利便性」に加え「品揃え」「品質」「センス」が追加された。

上記のプラスは『お客様を満足させたい』と思うスタッフの気持ちが、産地や農家にこだわった仕入れをきっかけに徐々に形成され、花屋としてもっと良い花があるんだよ。と伝えたい想いがカタチとなったのだと思う。

さてここまでも多く書いてきたがもう少し深くタイトルの真髄に迫り、【一輪の花の魅力について】次回後編で詳しく伝えさせて欲しい。

→次回:花屋歴20年 アーティストとして花の作品を作り続けてきた僕が、丹精込めて作られた一輪の花の魅力に気づいた経緯。(後編)


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