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2019年中日ドラゴンズのドラフト戦略を編成面から考える

0.はじめに

こんにちは。久しぶりのnote記事です。今回はタイトルの通り中日ドラゴンズのドラフト戦略を考えてみたいと思います。
とは言いましても、ドラフト候補もまだこれから出てくるといった時期ですので、「この選手がいい!」とか「あの選手を指名するべき!」といった内容ではなく、ドラゴンズの選手のポジション別の年齢グラフなど、いくつかのデータを用いて、どのポジションの若手が足りていないのか、指名するべきなのか、それに伴う選手放出がどこの層から何名くらい行われるかを明確にして行くことで、これからドラフト候補選手を見たり漁ったりするための一つの指針になればと思います。最後まで読んでいただければ幸いです。
ちなみにタイトルで「~開幕前編~」となっていますが、続編を書くか否かは未定です。(一応シーズン終了後に見えてきた課題と、この記事の内容を照らし合わせた記事は書く予定ではいます。)

1.ポジション別年齢グラフ

まず最初に冒頭でも話したポジション別年齢グラフを確認しましょう。下のグラフをご覧ください。

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見て頂いてわかる通り、このグラフはどのポジションにどの年齢の選手がどれくらいの人数所属しているのかわかるグラフとなっています。今回、ドラフト戦略を考える上ではベースとなる重要なデータです。
この章ではこのグラフから、どのポジションの若手が不足しているのかを、各ポジション別に分析しながら読み取っていきます。
※なお、この記事では19歳~25歳の選手を基本的に「若手」として扱うことにします。

・右投手
17年ドラフトで一気に4名の若手右投手(内高卒右腕3名)を指名したこともあり、若手が先発ローテ候補、中継ぎ候補も量と質ともに充実。将来はかなり明るいと言うことができそうです。内容は以下の通りです。
石川翔(20歳)、山本(20歳)、清水(20歳)、藤嶋(21歳)、勝野(22歳)、梅津(23歳)、鈴木博(23歳)、Rマルティネス(23歳)、鈴木翔(24歳)、丸山(25歳)、柳(25歳)
そろそろ一軍定着してほしい選手も数名いますが、19年のドラフトでは右投手の指名はあまり優先事項とは言えないということがこのグラフから読み取れるのではないでしょうか?
また、26~35歳の層の選手を見ても主力級の選手が多くいることや、去年、若松投手が戦力外になるほど飽和していることを考えると、右投手の指名は0~2名に留まると現段階では予想することができそうです。

・左投手
右投手が充実している一方で、左投手は若手が少ないということがわかります。内容は以下の通りです。
垣越(19歳)、小笠原(22歳)、笠原(25歳)
小笠原投手と笠原投手が有望株として今季も期待されていて、人数の割に充実していると言えますが、どちらにしても3人だけというのは寂しい数字ですので、こちらも1~2名の指名が19年ドラフトで行われるといいかなと思います。

・捕手
捕手は19~25歳の若手選手がルーキー石橋選手のみという状況で、こちらも不足していますね。
「バッテリー豊作年」といわれるこの年に、もう1人若手を指名しておきたい印象です。
若手の捕手はセリーグで全体的に不足しているので上位で確実に取りに行くのもアリかもしれません。

・内野手
内野手の若手選手の内容はこんな感じです。
根尾(19)、高松(20)、石垣(21)、溝脇(25)、京田(25)
近年は石垣選手→高松選手→根尾選手と続いて高卒内野手を指名していることや、すでにショートのレギュラーに定着している京田選手がいることなどからも、比較的充実していると言えそうです。
他球団と比較しても特別少ないというわけではありません。しかし、次に明確化していく外野手の問題と照らし合わせた、「外野コンバート」などを視野に入れるとすると、若干の物足りなさは感じるので一塁手や三塁手を中心に後1~3名は指名したいなという印象をもちます。

・外野手
言うまでもないかもしれませんが、外野手はかなり不足しています。
19~25歳の選手が2人だけというのは他球団と比較しても目立って少ない数字です。
ここらで、ある程度層を厚くする必要性がある他に、一軍では主力のセンター大島洋平選手が今年34歳と、後釜の確保が急務という全体的にかなり不味い状況です。
また、その大島選手の後釜になりえそうな中堅の外野手もいない状況ですので、欲を言えば素材型と即戦力級で2名は最低でも確保したいと思っています。


これで各ポジションの若手選手の考察は終えます。
簡単にまとめると、やはり全体的に野手の若手選手が不足しているということがわかると思います。
今年のドラフト市場では、野手が不作と現段階では囁かれていますが、この状況をみると野手の実り具合に関係なく野手中心にドラフトを行うことが必要と言えてくるかもしれません。
その他に、中日はいま深刻な大砲候補不足にも陥っているので内外野共に、できるだけ飛ばすことのできる選手の指名も必要でしょう。
しかしまずは層を厚くすることを念頭に動いてほしいので大砲候補獲得の優先順位は、残念ながら後ろの方になりそうです。


2.中堅層の主力級(一軍級)選手の分布を考察

前の章でどのポジションの若手が不足しているかある程度わかったところで、この章では、各ポジションの中堅選手の層の内、主力級(1軍級)の選手がどれくらいいるかを把握し、選手を具体的に何人くらい放出することが可能かを明確にすることによって、今年のドラフトで各ポジション最大何名くらい指名できるかをおおよそわかるようにしていきたいと思います。
こちらも前の章同様、右投手 左投手 捕手 内野手 外野手と分けて考えていきます。

ではまず下の二つの表をご覧ください。

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上の表は各ポジション、各中堅の年齢層に選手が何名いるかを表し、その隣の( )内の数字は、その内何名一軍級選手が含まれているか を表したものです。
そしてその下の表はその一軍級選手の名簿となっています。
一軍級か否かの判断は、一応ここ数年の一軍での出場数を基準に判断しました。
ですが、僕自身の独断である部分が強く、そこそこアバウトなものとなっている点をご了承いただきたく思うと同時に、そのアバウトさもできるだけ文章でカバーしつつ説明していけるように頑張りたいと思います。
それでは考察していきましょう。

・右投手
右投手は、全員が一軍級と言える30~35歳の層と36歳~の層は特に考察する必要はないでしょう。メンバーについても特に異論はないかと思われます。
よってこれらの層(主に36歳~)から選手の放出が行われるとすれば「引退」といった形になることが予想されます。可能性としては、今年41歳の山井投手はもういつ引退してもおかしくない年齢といえますね。
次に8人中一軍級3名となっている26~29歳の層を見てみましょう。
名簿では佐藤投手、又吉投手、小熊投手、となっています。
では、この他の5名は放出候補なのか?といわれるとそうと言い切ることはできません。
ここ最近支配下契約された木下投手(26)や、2年前あたりから一軍にも顔を出し始めた同じく育成出身の三ツ間投手(27)、復活が望まれる12年のドラ1福谷投手(28)、中継ぎ起用なら可能性を感じさせる伊藤準規投手(28)、17年に防御率2.10でウ・リーグ最優秀防御率に輝いた阿知羅投手(27)と意外にも充実していて、この5選手は必ずしも放出されるとは言えないでしょう。
流石「飽和状態」といわれる中日の右投手陣ですね。
しかし、新しく右投手をとるには放出はほぼ必須なので、引退が無ければ、今あげた5選手中1~2名には、なんらかの形(トレードなど)で、放出される可能性があると言えます。もちろんこれからはじまるシーズン次第ではありますが・・・

・左投手
左投手は特に書くことはなさそうです。今年再度支配下登録された福投手(27)も今年怪我から復帰し、3月6日現在の段階では開幕1軍をつかめるかも?という印象ですので大丈夫そうです。
外国人選手が今年の調子次第で残留かどうかといったぐらいでしょう。

・捕手
捕手はかなり判断に迷いました。ですのでここ2年で一軍の試合にどれだけ出場しているかを一つの区切りにさせていただきました。
表にのっていないメンバーでは、
16年に104試合に出場した杉山選手(29)や、同じく16年に59試合に出場し、2軍でも高い打力を示している桂選手(28)、18年日本シリーズMVPのSB甲斐選手の相乗効果で「加藤バズーカ」と呼ばれる凄まじい強肩捕手としてここ最近注目されてる加藤選手(27)などがいます。
ここでわかることは支配下に捕手が全員で8名と、意外な事に捕手が飽和状態という事です。
前述したように捕手の若手はルーキーの石橋選手のみといった状況ですので、ぜひ今年のドラフトで指名したい状況であり、もし指名するとすれば右投手と同じように少なくとも1人の引退、もしくは放出が必要となるでしょう。
しかし、ここでいう「放出」は所謂「戦力外」ではなく、他球団とのトレードで1人放出が可能なのではないかと僕は考えています。
特に一軍出場経験が豊富な杉山選手や桂選手は今年の状態によっては、捕手の需要がある球団とトレードすることは可能でしょう。(もし、左腕や外野手を獲得できたら最高ですね。)
これなら中日側にもメリットがあるので19年シーズンは、個人的に捕手のトレードがあるのでは考えていて、これが1つ大きな楽しみな要素だったりします。

・内野手
内野手は、26~29歳に3人、30~35歳に2人、の計5人が放出される可能性のある選手がいると言うことができそうです。
今年は既に1軍キャンプを中心に、内外野ともに中堅選手の熱い争いが繰り広げられています。この争いを制するか否かが放出されるかされないかの分かれ目になってくるでしょう。
もちろん5人全員放出は2軍が大変なことになってしまうのでありえないと思いますが、ドラフトで獲得した人数に応じて今年の成績が振るわなかった順に、2~4名放出になると予想しています。

・外野手
外野手も、26~29歳に3人、30~35歳に2人、の計5人ですが、26~29歳の層に最近育成から支配下選手となり、現在急上昇中の期待の選手、渡辺勝選手(26)や、近藤選手(26)といった、ギリギリ22~25歳の層に入らなかった選手もいるのでこの二人は除外していいかと思われます。
ということですので-2人して合計3人となり、この3名が放出候補となってしまいそうです。
しかし、昨年工藤選手が担っていたアルモンテ選手の守備固め要因(通称工藤枠)への定着や、もっと言えば前述した大島選手の後釜へ定着する可能性もありますので(実際のところはかなり厳しいですが・・・)「この3名の内、1~3名は今年放出することになるだろう」と、しておきたいと思います。


3.まとめ

ここまでいかがだったでしょうか?
最後にこの2つの章の内容を各ポジションごとに簡単にまとめて締めくくりたいと思います。
基本的に「放出予想人数」分だけ、ドラフトで獲得できるという判断で大丈夫です。
(若手充実度は良い順に、充実 → 普通 → 不足とします。)


・右投手
若手充実度:(かなり)充実
放出可能予想人数:1~2名
コメント:特に問題はなさそうで、場合によっては指名0でも大丈夫そうか。

・左投手
若手充実度:不足
放出可能予想人数:放出は外国人選手次第で0名も十分あり得る 指名は1~2名か
コメント:若手が不足してるものの、特別問題ではなさそうか。

・捕手
若手充実度:不足
放出可能予想人数:1~2名
コメント:所謂戦力外ではなくトレードでの放出が可能か。

・内野手
若手充実度:普通
放出可能予想人数:2~4名
コメント:中堅選手の生き残り争いに注目。現場が大砲候補を求めているので可能ならば、その獲得に動いても良いか。

・外野手
若手充実度:不足
放出可能予想人数:1~3名
コメント:大島選手の後釜を念頭に、1~3名指名して若手の層を厚くしたい。こちらも内野手同様、大砲候補が含まれるとさらに良いか。生き残り争いが同じく過熱。


といった感じです。一部選手には厳しい冬がやってきそうですね。
まだシーズンが始まる前ですので、これからシーズンを戦い抜き、見えてくる課題がたくさんあると思いますし、ドラフト市場の豊作具合もまだまだこれからわかってきます。それによって19年のドラフトの動きも大きく変わってくるとは思いますが現段階で、編成面から言える結論としてはここまで書いてきた通りなのではないかと僕は思っています。
今は先発投手にかなり不安が残る状況ですが、蓋を開けてみると意外とそんなことはなかった!なんてこともあるかもしれないので具体的な指名については勿論これからでしょう。

最後になりますが、編成の話ですのでどうしても選手の放出に関することに触れる結果となってしまい、不快に思われた方もいらっしゃると思います、申し訳ございません。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

終わり

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