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飛び込み練習法 ステップ③目線と手線をコントロールしてクラウチングスタートを進化させる

ここまでの記事で、ステップ①「パワーポジションからのグラブスタート」→ステップ②「クラウチングスタートの導入」とご紹介してきました。今回はより素早く・より力強く・より遠くへを目指した「クラウチングスタート・レベル2」をご紹介します。先ずは3枚のシークエンス写真をご覧ください。

【構え】
後方の脚のスネの角度が45度ぐらい
【初動】
合図で目線と手線をあげる
【空中姿勢】
斜め上方向に先行する頭や手を追うように
下半身がついてくる

【初動】が特徴的で、合図の際に後方の足でバックプレートを押しながら、目線と手線を上げており、先行する上半身の軌道を下半身が追いかけます。このスタイルは女子選手・マスターズスイマーに多く、レベル1に比べて上半身を起こす角度が大きいので高さと距離を向上させやすいです。もしこのスタイルを試したときに「空中でも手を組めない」「腹打ちしやすい」ならレベル1に戻ったほうが良いです。大切なのは飛び込みだけでなく、その後の入水姿勢・想定するドルフィンキック回数に対する入水の深さ・浮き上がりなど、トータルで見たバランスの良さです。

次にこのレベル2の課題を見ていきます。再度【初動】に注目します。目線や手線を素早く上げてしまうことで、股関節からの上半身を起こすヒップヒンジが間に合わず、背中や腰が丸いまま脚に力を入れることになります。上半身の体重が下半身へのしかかる形となり、後方の脚の膝は構えの位置からガクッと下がり、スネの角度は当初の45度から水平の0度になってしまいます。もしバックプレートプレートがなければ滑ってしまう原因となります。

個人差はありますが、クラウチングスタートのレベル1からレベル2に進化できると5mの通過タイムは2.00秒→1.80秒ぐらい短縮できます。これは距離にして40cmぐらいで頭2つ分です。一度目線を上げた後に、入水では再度目線を下げる必要があり、動作が増えた分動作同士のタイミングを合わせる技術も必要となります。このようにレベルアップしていくときの移行の目安としているのが「成功率4分の3(75%)」です。

4回やってみて3回以上で目標を達成していれば安定しているという評価で、1本目から好タイムであったり、最速と最遅タイムの差が少ないとより高評価です。これぐらい安定していないと恐らく新しい技術を習得する余裕がない(客観的に捉えられない、フィードバックできない)と思われます。ですので練習では、「見た目や感覚」ではなく「測定による安定性」で評価していくのをおすすめします。

次回は最終回「クラウチングスタート・レベル3」をご紹介します。レベル2と大きく違うのが今回のキーワードでもあった目線と手線です。ヒップヒンジが機能しやすいことを優先し、腕を残すことで結果的に腕を振る形になります。今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。

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FLOW STYLE 藤澤ヨシノブ


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