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飛び込み後の深さ調節

飛び込み練習法シリーズの途中ですが、今回は飛び込み後の深さの調節についてご紹介します。

「平泳ぎのひとかきひと蹴り」や「水中ドルフィンキックを8回以上蹴る」などの場合は、ある程度の深さに潜らなくてはいけません。逆に、体組成的に浮きやすい小学低学年のジュニアスイマーや水中動作が苦手なマスターズ選手は、浅めに入水して早めにスイムに移行したほうがトータルタイムが速い傾向があります。今回の記事では入水時の深さの調節を3つの観点からご紹介します。

①クラウチングスタート 後方の脚のスネの角度
「バックプレートを前寄りに置いて、スネの角度45度に近づけると→斜め上に飛び出す→入水深くなる」。これに対して「バックプレートを後ろ寄りに置いて、スネの角度を0度に近づけると→水平に飛び出す→入水が浅くなる」。通常、後ろ脚の膝の角度は90度以上曲げると力が入りにくくなるのでおすすめはしませんが、どうしても浅く入水したい場合は、膝を90度以上曲げで頭お尻ともに構えが低い姿勢から水平に飛び出すと良いです(イメージとしては腹打ちしにいくぐらいのつもりで)。

手前の選手は飛び出しで斜め上方向へ。
奥の選手は飛び出しで前方向へ。
バックプレートの位置は同じでも、
高さによってスネの角度が大きく変わる。

②構えと飛び出しの目線の組み合わせ
「構えから飛び出しまで終始目線を下げていると、入水は深くなりやすい」「構えから飛び出しまで終始斜め前向きだと、入水は浅くなりやすい」。その中間として「構えは目線下で飛び出しは斜め前」やその逆もあります。いずれにしても入水時の目線は下は共通です。アゴを引きすぎると耳の後ろで腕を組み入水が深くなりすぎたり抵抗を増大させたりするので注意です。

③入水時の胸椎の伸展
「ヤバい!このままだと深くなりそう」なときの対処法として、入水時に進行方向を素早く転換する方法です。これは難易度高め。

レースではマネしてはいけない飛び出し角度
上半身の進行方向を急転換するために
脚を畳んでいます
このままの一直線姿勢だと
かなりの深さまで潜ってしまう

写真はマイケル・アンドリュー選手のヨーロピアンバイシクルスタートで(インスタ映え用にやってるだけだと思うのですが、、、)、かなり高さが出ており、普通だとかなり深い入水になるはずです。しかし、入水時には胸椎を伸展させて進行方向をできるだけ前にしています(水中映像ないので推測)。平泳ぎ選手の入水には多いイメージがあるので動画検索してみてください。

まとめ
いずれの方法も測定・比較・評価して今の自分の最適を確認することが重要です。現場でよくあるのは「5mの通過は深めのほうが速いけど、浮き上がりの技術が追いついてない(タイミングが合わず腕が引っ掛かる)せいで、12.5mのトータルタイムでみるとタイムを落としてしまう」というケースです。練習では「何をやれば良いか?」よりも「何をやると良くない傾向があるか?」を把握しておきましょう。

補足
特にジュニアスイマー向けですが、入水角度の技術向上に伴い、入水スピードも向上することで、ゴーグルが外れやすくなる場合があり、その際は以下の点を確認してください。
・ストラップの緩みがなく、後頭部より少し上に掛かっているか。
・装着時に目を見開いて装着しているか。
・入水時に恐怖心から目をつぶっていないか。
・ゴーグルの仕様がファン&フィットネスタイプでなくレースタイプか。
・レンズの形状やサイズが、自分に合っているか。

次回は飛び込み練習法ステップ4「クラウチングスタート・レベル3」をご紹介します。今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。

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