失敗やミスに対しての考え方が変わった瞬間。
小さい頃、親に怒られることが嫌でした。
「人に迷惑をかけたらいけないよ。」とよく言われました。
いつしか、人の顔色を窺うようになり、迷惑をかけないように、失敗しないようにしよう、と思うようになりました。
何か物事に取り組むときも、「冒険」よりも「安全」を選びがちだったなと思います。
失敗をして、周りに迷惑をかけてしまうことが怖かったんです。
そんな私の考え方を変えてくれた一言があります。
大学の時に、接客のアルバイトをしました。
大学までアルバイトをしたことがなかった私にとっては、何もかもが初体験で、こんなことも出来ないのか!と感じる日々でした。
毎日注意をされて、沈んだ気分で仕事をして、更に失敗を重ね、悪循環…。
自分を責め続けることにも疲れてきました。
それでも、ここで辞めたらどこに行っても同じだ!と言い聞かせていました。
そんな矢先、お釣りを間違えるという失敗をしてしまいます。
「申し訳ありませんでした!」
レジの金額を打ち直し、どうしようと慌てて対応している私を見かねたのか、ご婦人が口を開きました。
「大丈夫よ。人間なんだもの。間違えて当り前よ!」
にこにこ上品な笑顔のご婦人。
人は間違える。
間違えて当り前。
今までの私にない考え方でした。
失敗してはいけないと思ってきた人生。
ご婦人の一言で、今まで曇っていた世界がが明るくなって、なんだか心が落ち着きました。
それまで「感動」ということをさほど経験してこなかった私でしたが、この時「感動」という感情を初めて意識したように思います。
涙が出そうになるくらい、私にとっては嬉しい言葉でした。
「全てが当たり前」はよくはないですが、「迷惑をかけることもあるし、間違えることもあるけど、その時はどうすればいいか考えよう、まずやってみよう」という考え方に変わりました。
その経験があったからこそ、学生時代に海外を飛び回ることができたし、自分の人生において冒険や挑戦する楽しさを知ることができました。
人の失敗に対しても、寛大な気持ちを持つことができるようになりました。
今後輩ができて、人を育てる立場になったからこそ、あの時の自分と同じような顔をしている人に伝えたい。
「人間だもの。間違って当たり前だよ!」
現代は、人の失敗に対して厳しい時代だなと感じます。
みんなが「人は間違える」と思えたら、もう少し優しい世界になれる気がします。
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