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「革命の狼煙」(2021年12月)

●12月2日/2nd Dec
公益財団法人ひと・健康・未来研究財団が発行する機関紙に、ハナムラの講演の記事が掲載されました。おそらくこれまで話した講演録の中では一番ボリュームが多く10ページに渡って掲載して頂いてます。
コロナ禍の中で「まなざしのデザイン」の話をする機会が減ったのと、次の著書の「まなざしの革命」の話へと移行していく中で、これまでの話の一つのまとめとして、とても良い形で載せて頂いたと思います。お声がけ頂きました、元滋賀医科大学学長の塩田浩平先生はじめ皆さまに心より感謝。

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●12月3日/3rd Dec
ポッドキャスト 「まなざしの革命放送」
Vol.012 地球温暖化の本当の問題とは何か

ポッドキャストの「まなざしの革命放送」に新しいエピソードを上げました。もう12回も放送しました。前回の11回目の放送は、我々の人生に起こる問題と解決はいかなるもので、生と死と死後についてどのように考えるのかというテーマを語りました。
この前回の放送はこれまでの中で一番重要なテーマかもしれませんので、是非聞いて頂きたいですが、今回の12回目は頂いたリクエストに答えて、「地球温暖化の本当の問題とは何か」というテーマです。地球にまつわる問題についてどのように考えるのかを、思うところ話しました。
自らのFacebookでシェアすることに少々疲れましたので、内容お聴きになりたい方は、Spotifyで「まなざしの革命放送」と検索してお聴き頂ければ幸いです。もし重要だと感じられたならば、シェア下されば励みになります。
また、これまでの放送をお聴き頂いて、何かご質問や話して欲しいテーマ、コメントなどもあれば、またTwitterの「まなざしの革命」のアカウントにでも書き込んでもらえれば嬉しいです。

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●12月4日/4th Dec
1月24日に出るハナムラの新刊本「まなざしの革命」の装丁と帯のデザインが上がってきて大興奮。校正に疲れていたところ一気にテンション上がる。こんな表紙は見たことがない。表紙とカバーをデザインするのに、本の中身を全部読んで下さり秀逸なコンセプトで仕上げて頂いたデザイナーの鈴木成一さんに心より感謝。

●12月5日/5th Dec
ちょっと疲れたの校正中の一コマ。ずっと視力は2.0だったのに最近急激に目が悪くなり、近くのモノが見えなくなった。だから眼鏡がないと校正が進まない。

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●12月5日/5th Dec
 
この放送は、アーカイブすることに意味があると思うので、たとえ誰も聴いている人がいなくても反応が薄くても、しばらく続けようとは考えている。とはいえ、やはり聴いて考えてもらえる人が1人でもいれば嬉しいし、応援してくれる人がいると励みになるので、一応シェアしておく。
ただ今回の話は、ほとんど信仰に近いトピックでもあるので、人によっては受け入れたくないテーマでもある。だから聞いた人が怒り出すことも覚悟の上ではあるが。
ポッドキャスト 「まなざしの革命放送」
Vol.012 地球温暖化の本当の問題とは何か

温暖化がこのまま続けば地球は滅んでしまう危険性があると、世界中で警告されています。報道では地球の環境はますます厳しくなると叫ばれ、私たちの感覚としても年々夏の暑さが厳しくなっているようには感じます。しかしその一方で、地球という大きな空間のことは私たちには知り得ず、研究や報道やデータを信じるしかないのも事実です。地球温暖化とは一体何なのか。そしてその原因は本当にCO2なのか。それは人為的なものなのか。いくつかの論点を確認する必要性について話しました。

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●12月6日/6th Dec 
本の校正に追われる中、デザイン仕事も大詰めに。先送りにしてきたランドスケープを一気に片付けたい。

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●12月7日/7th Dec 
人間はいつでも変われるチャンスが開かれているのは間違いないのだが、ある年齢を超えると物理的に変わりにくい要因が出てくる。短い人生なので、ある年齢帯の時に積んでおかねばならない因果というものがあり、それを逃すと来世に持ち越しとなるのだろう。
 人の成長にとって最も重要なのは「素直さ」であることは間違いない。だが素直に生きるというのは本当に難しいことだ。自分を素直だと思っている人間ほど、自分の自我が見えない。逆説的だが自分が素直でないことを知っている人の方が素直になれるチャンスは開かれている。

●12月8日/8th Dec 
ポッドキャスト「まなざしの革命放送」の13回目をアップしました。今回は我々にとって一番身近な行為である「食べること」について考えました。
2018年にバルセロナのギャラリー「souvenir」で上演したパフォーマンスの話から、我々にとって食べるということはどういう意味を持っていて、もし食べることをやめればどうなるのかについて話をしました。
今回の放送の最初でも告知をしてますが、この、まなざしの革命放送の公開収録イベントを年内に行います。日時は12月19日の14時より、場所は大阪は北浜の生駒ビルジングの地下サロンです。定員は10名で参加は無料です。詳細はハナムラのウェブサイトでご確認ください。
ポッドキャスト まなざしの革命放送
Vol.013 人は食べなければどうなるのか

食べることは私たちの最も根本的な営みです。食べることによって私たちは命を繋ぎ、食べることを中心に社会は回っているとも言えます。一方で、なぜ私たちは食べるのかという理由は当たり前すぎてあまり普段考えることがないのかもしれません。食べるというとても身近なことが持つ意味について考えてみます。

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●12月9日/9th Dec 
多くの人はどうすれば問題が解決できるのかと考えて、問題解決のためのメソッドを求める。だが多くの場合はそれはうまくいかない。なぜならば問題を解決する前に、問題が何かを理解していないことが多いからだ。
たしかに心が持っているチカラというのはとても大きく、自分の行動は心がイメージした方向へ動いていく。だから心の使い方を知ることはとても大切だし、なりたい自分や理想の自分をクリアにイメージし、ポジティブな側面を見つめていくことで問題が解決するという側面はある。
だが一方で、その問題解決以上に重要なのは「問題とは一体何なのか」「なぜ問題が生まれるのか」を理解することではないかと思う。人生においてメソッドを求めることも必要な局面もあるが、問題の本質を理解することも必要。そんな話をしたvol.11の放送は、おそらく全放送の中では最も大切な回だと思う。
ポッドキャスト 「まなざしの革命放送」
Vol.011 死という問題は解決できるのか

●12月10日/10th Dec 
12月19日に大阪の北浜にある生駒ビルヂングの地下サロンで、Spotifyなどで配信している「まなざしの革命放送」の公開収録イベントを行います。
生駒時計店として1930年に建てられたこのビルはアール・デコ調を基本とする近代建築で、この建物だけでも一見の余地があります。
ハナムラは当日の14時から16時まで、ここで何か話しますが、参加は無料ですので、もし直接話を聞きたいという方が居られれば定員10名ですが、是非足をお運び頂ければ幸いです。
概要及びお申し込みはリンクにてどうぞ。

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●12月11日/11th Dec 
この週末は最後の校正に集中。校正原稿が二ヶ所から届いて、こちらの白ゲラ修正も合わせて一つにまとめていく。今回は内容にかなり際どいことが書いてあり、救いがないように見える部分もあるので、出来るだけ誤解のないように最後のチェックを念入りにする。
人によっては受け入れ難かったり、そんなこと知りたくなかったと思われる方も大勢いると予想される。きっと僕から離れていく人もいるだろう。実際に読んで頂いた、ある大物研究者の方は、内容の危険性に懸念を示され推薦を辞退された。
編集者もその危険性を理解しているからこそ、こんなに入念にチェックしてくれている。それでも伝えるべきことがあるから書くのであり、届く人や読んで楽になる人がいると思うから書くのだが、実際にどのような評価になるのかは著者にはコントロールできない。
だが、編集部内の校正者から、「かなり面白かった! 本当に視点が変わるね。この著者の前著も読んでみたい」という言葉を頂いたというご報告に僕自身が救われた想いだ。それを励みにこの週末に最後の命を吹き込む。

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●12月13日/13th Dec 
ようやく「情報」の章の校正終了。
今ではすっかり懐かしい話題になってしまったドナルド・トランプ大統領時代のことも触れている章。メディアリテラシーの大事さをここでは伝える。この次の章が「広告」。ようやく折り返しが見えてきたか。

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●12月14日/14th Dec 
校正が終わった。
ほとんど休みなくぶっ通しで、赤入れしていったけど、今日の宅急便には注釈部分の原稿が間に合わなかった。先程ようやく全て校了してスキャンデータで編集部に送る。結局、赤ペンが3本なくなるぐらい手を加えてしまった。
言葉というのは本当に不自由だ。一節歌うだけで、四小節奏でるだけ、あるいは少し肌に触れるだけで伝わることなのに、何行書いても伝えられない。
顔の見えない相手に何かを伝えようと言葉を重ねるほど、本当に言いたいことから遠ざかっていくこともある。特に自分がリアリティを持てていない言葉というのは絶対に相手に伝わらない。
でも一方で言葉でしか伝えられないこともある。言葉は同じ時間、同じ空間を共有していなくても、時空を超えてメッセージを届ける。それは歌うことと同じぐらいチカラを持つのだろう。
そのためには言葉が自分の腑に落ちていなければならない。どれほど論理的な言葉を選ぶときでも、どれほど理解が難しい言葉を重ねても、それが自分の言葉になっていると必ず誰かには届くだろう。それを信じているから言葉を紡ぐのだ。

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●12月15日/15th Dec 
建築とモニュメントの現場の仕上げのスーパーバイズで現場へ。今日はモニュメントの塗装の重要な打ち合わせと、ランドスケープデザインの形状の最終決定。現場で数時間、ゼネコンの方々とディスカッション。最終、良い感じで方向性が落ち着いた。
誰もやったことがないようなことなので、うまくいくかどうかはもちろん分からない。だが、こちらの美意識を押し付けるようなディレクションではなく、皆で智恵を出し合えば答えは自ずと導かれる。
現場が建築外装から仕上げや内装に入り始めて、いよいよという感じ。案の定、ガラス窓から太陽光が回折して、良い感じで分光のティンクトゥーラが大きな壁面に起こっている。パティオの石貼りも良い感じで進んでいて、出来上がりが楽しみ。

●12月16日/16th Dec 
河出書房新社から1月に出版される、ハナムラの新刊本「まなざしの革命」の表紙カバー画像がウェブに上がっている。鈴木成一さんは本書の装丁に取り掛かる前に、本の中身に全て目を通されてデザインをされたという。
原稿お渡ししてから装丁が上がるまでにかなりの時間がかかっていたので、内容をかなり深く読まれたのではないかと思う。シンプルでありながら、見たことないような挑戦的なデザインで、静かな革命を感じさせるような仕上がりになっている。
今回の副題は、主題と共に前著と対をなす形としてつけているので、自分の中ではそれほど大きな扱いではなかったが、中央に配されて正直かなり驚いた。その他目次や扉などにも大胆なコンセプトと細かい配慮がなされている。
河出書房のウェブサイトやAmazonには帯のデザインがないが、帯も非常に細かいところで違和感が仕込まれており、なぜこうなっているのだろうと考えさせられるだろう。素晴らしい仕上がりに心より感謝。

●12月17日/17th Dec 
ポッドキャストとSpotifyで配信している「まなざしの革命放送」の新しいエピソードを公開致しました。先週から本の校正作業で時間が取れなかったのと、機材トラブルでさらに二日遅れましたが、何とかようやく公開出来ました。
今日はかなり危ないテーマで「戦争はいつ始まるのか」という話です。世界中に今、不穏な空気が流れていますが、メディアでは取り上げられることはあまりありません。しかし戦争とはいつ、どのようなプロセスで始まるのか。そんなことについて少し思うところを話してみました。
明後日の19日の日曜日には、「まなざしの革命放送」の公開収録イベントを行います。場所は大阪は北浜の生駒ビルヂングの地下サロンで、時間は14時からの2時間、参加費は無料です。まだほんの若干ですが入れますので、今日の放送聞いて面白かったという方は是非お越し下さい。
ポッドキャスト まなざしの革命放送
Vol.014 戦争はいつ始まるのか

いま世界に不穏な空気に満ち始めています。そのうち戦争が起こるのではないかと考える人も増えており、私たちの安全性が脅かされているのかもしれません。しかし、戦争というものは一体いつから始まるのでしょうか。安全で平和に見えるような平時と言われる時期でも、実は様々な形で戦争というのは始まっています。そんな中で私たちはどのような態度で生きていけば良いのかを考えてみました。

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●12月18日/18th Dec 
明日の12月19日14時から、生駒ビルヂングの地下サロンで「まなざしの革命放送」の公開収録をします。大学の講義以外で久しぶりに皆さんの前でお話します。いつものようにスライドを使った講演ではなく、一人で話す公開収録です。ただ今回の本に合わせて演出が少々加わりますので、講演というより演劇的に楽しんで頂ければと。
Twitterでも14時少し前からライブ配信を開始しますが、映像配信はないので、舞台演出については音声ではご覧頂けません。参加費無料でまだ若干名空きがありますので、生で「見たい」方は是非。
12月19日(日)14時~、大阪北浜の生駒ビルヂング地下サロンにて、「まなざしの革命放送」公開収録をおこないます。詳細はコメント欄に。
#まなざしの革命放送 #ハナムラチカヒロ #公開収録

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●12月19日/19th Dec 
本日は「まなざしの革命放送」の公開収録にお越しの皆様、またライブ配信をお聴き頂きました皆様、どうもありがとうございました。2時間に渡る時間を皆様と共に過ごせたことに心より感謝いたします。
「まなざしの革命」についての年内のイベントはここまでとなります。本日で今回のスタイルが何となく見えて参りましたので、まだ年明けの再開からは、少しずつ内容をブラッシュアップしていければと思います。
まさにパルチザンの拠点を彷彿とさせるような素敵な場所をお貸し頂きました生駒ビルヂングの皆様、そしていつも放送を支えて頂いている音響及びマネジメントの皆さまにも心より感謝いたします。

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●12月21日/21th Dec 
「まなざしの革命放送」の15回目をアップしました。つい先日、大阪の生駒ビルヂングで行いました公開収録を編集したものです。これから複数回に分けてアップしていきます。
いつもの放送と違って、90年続く近代建築の地下サロンで行いましたので、音の響きも良く、僕自身もリラックスして話せました。
15回目は、これまでの14回の放送の振り返りです。これまで放送お聴きになっていない方は、各回をダイジェストで解説していますので、もし関心ある回あればそちらもどうぞ。
ポッドキャスト まなざしの革命放送
Vol.015 これまでの放送のダイジェスト

12月19日に大阪北浜の生駒ビルヂングの地下サロンで行いました「まなざしの革命放送」の公開収録の前半です。これまでの14回の放送を各回振り返り、ダイジェストでお伝えしてますので、今回の放送をお聴きなり関心ある話題があれば、是非その回のエピソードをお聴き頂ければと思います。

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●12月21日/21th Dec 
「まなざしの革命放事平穏でありますように。生きとし生きるものが幸せでありますように。

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●12月22日/22th Dec 
現代の違和感の正体は、テクノロジーとアートのバランスが取れていないことにあるのだろう。テクノロジーはテクノロジー、アートはアートでそれぞれ別個のものとして考えているので、その辻褄を合わせようとして、ちぐはぐなものになる。それは両方とも自然に即していないので歪な形で統合される。
元来、自然に即したテクノロジーとは非常に美的なものであり、美的なものというのは自然の法則に沿っている。だから無理なく両者は結びついて調和が取れていて、当然その中に生きる人々も自然に即している。だが今の世界の歪さは、自然に何も沿っていないことから来ていて、その結果として人の精神も病んでいくのは必然だ。だから真善美が何か判断できなくなっているのではないか。
今回の本は、ひとまず"社会の見方"について書いたので、この方面の話は全く含めていない。だが、少し落ち着いたら、"自然の見方"と"人間の見方"については、デザインサイエンスや生命表象学として並行して考察を進めていることも、どこかでアウトプットしたい。まだまだ研究が必要だが。

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●12月23日/23th Dec 
プロジェクトでご一緒している知人のアーティストの個展に少しだけ顔を出す。普段見せる顔とはまるで違った狂気や苦しみが表現されており、その深層心理を読み解くのに、言語では限界を感じていた。
その矢先ふいに、直感的に辿り着いた答えがあり、間違いなくそれは正解だろうと確信する。答え合わせをするつもりはないが、おそらく本人も自覚していないであろうメッセージの全体像がいきなり見えた。
「直感」というのは、「直観」することから始まるが、妄想に満ちた我々は直観することが出来ない。直観することができれば、いきなり真相と深層を直感出来るのだが、それはこの情報社会によって曇らされている。
芸術を見るのはその直観を鍛える訓練であり、そこで培った直感で、世間の情報を眺めると違和感に気づくはずだ。それを手繰り寄せると一体我々が何を見せられているのかの全体像が見えてくる。

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●12月24日/24th Dec 
クリスマスになると、いつもこの詩を思い出す。
ニューヨークのリハビリテーション研究所の壁に掲げられた言葉。今年は特にこの詩が胸に沁みる。来年は大きな変革が訪れる。ある者にとってそれは試練であり、またある者にとってそれは解放でもある。だが、何が起きても自らの心にどのような原因を生み出すのかで、受け取る結果は変わるだろう。生きとし生ける全てのものが幸せでありますように。
リンクの「まなざしの革命放送」のVol.016で朗読させて頂きました。
「病者の祈り」
大事を成そうとして
力を与えてほしいと神に求めたのに
慎み深く従順であるようにと
弱さを授かった
より偉大なことができるように
健康を求めたのに
よりよきことができるようにと
病弱を与えられた
幸せになろうとして
富を求めたのに
賢明であるようにと
貧困を授かった
世の人々の賞賛を得ようとして
権力を求めたのに
神の前にひざまずくようにと
弱さを授かった
人生を享楽しようと
あらゆるものを求めたのに
あらゆるものを喜べるようにと
生命を授かった
求めたものは一つとして与えられなかったが
願いはすべて聞き届けられた
神の意にそわぬ者であるにもかかわらず
心の中の言い表せない祈りは
すべてかなえられた
私はあらゆる人々の中で
最も豊かに祝福されたのだ

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●12月25日/25th Dec 
僕の両親は敬虔なクリスチャンだったので、小さい頃はクリスマスは教会で過ごすことが多かった。大人になってもしばらくはクリスマスは教会で過ごしていたが、信仰を必要としなくなってからは、教会は研究対象に変わった。信仰が必要無くなったのは、自分の中で革命が起こる経験を経たからだ。
このクリスマスに、先日公開収録した「まなざしの革命放送」をVol.016「私たちは革命を望んでいるのか」としてアップしたが、せっかくなので革命の話の前に、ひとつ前の投稿でシェアした「病者の祈り」の詩を朗読をさせてもらった。本当の革命とは何かを共有するために良い詩だと感じたからだ。
クリスマスは自分にとって特別な時間ではなくなったが、一年に一度この詩を想い出す大切な節目となった。世界では分断がますます進んでいくが、もう一度大事なことを想い出したい。
ポッドキャスト まなざしの革命放送
Vol.016 私たちは革命を望んでいるのか

世界は今大きな分断に満ちていて、まさに革命が起ころうとしています。しかし革命とは一体なんなのか、そして私たちは本当に社会の革命など望んでいるのでしょうか。この混乱した状況の中で、私たちにはどのような態度が必要なのかを少し考えてみました。クリスマスの今日は冒頭にニューヨークリハビリテーション研究所の「病者の祈り」の朗読をして、先日に公開収録した革命の話をシェアします。

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●12月27日/27th Dec 
手先の器用なマネージャーが正月飾りを自作したので研究室の入り口に飾る。吉岡先生に描いてもらったデュエルフ博士の肖像ともマッチしていい感じ。

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●12月28日/28th Dec 
「人は分かり合えない生き物なのに、なぜわかり合おうとするのでしょうか」という質問を、先日のまなざしの革命の公開収録で頂きました。今日の革命放送では、それに応えた音声をアップしました。

ポッドキャスト まなざしの革命放送
Vol.017 人はなぜ分かり合おうとするのか

「人は分かり合えない生き物なのに、なぜ分かり合おうとするのか」という質問を先日の公開放送の際に頂きました。今日はそれに答えた音声を共有したいと思います。後半は「誰もがまなざしに革命を起こした世界はどんなものになるのか」という質問にも答えています。

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●12月28日/28th Dec 
本日の夜の社会人大学院院で、今年の最後の講義終了。今年のM1で僕自身が今の経済学研究科で受け持つ学生が終わりなので、今期の演習1Bではかなり厳し目の指導をした。これで彼らの修士論文指導は一旦僕の手からはリリースになる。
普段は教えないような論文の読み方と書き方、リサーチクエスチョンの立て方、論理的な整理の仕方からマインドのコントロールまで余す所なく伝えたつもり。それをうまく活かせるかは彼らにかかっている。
社会人大学院生を教えるのは本当に難しい。素直にシンプルに物事を考えることが出来ないことが多いからだ。人間は基本的には妄想にまみれて生きているが、歳を重ねるほど妄想が酷くなる。それまで積み重ねてきた心の因果の方向を変えるのには相当なエネルギーが必要だ。
素直ささえあれば論理的に物事を考えることなどとても簡単なのに、妄想がそれを邪魔して物事を見る目を曇らせる。この情報社会、妄想文明の中では仕方ないとはいえ、素直さがない故に多くの人が身を滅ぼすのはどうにかならないものか。
明日は大学の残務とランドスケープ模型の修正、映像のオンライン打ち合わせで今年は仕事納めか。昨日、巨岩と対話しながら言葉の無意味さを感じていた。今年はまだ少し言いたいこともあり、ポッドキャストなどもしてしまったが、1月に本が出ればそれももう必要あるまい。なので、来年は言葉を減らして行くことを考えている。

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●12月29日/29th Dec 
錬金術を調べていると、17世紀英国の記述の中に興味深い一文を見つける。1689年のイギリスでウィリアムとメアリーがそろって王位についた年に、かつてヘンリー四世が出した条例が廃止されたという。その条例とは"金属の増殖を国王への犯罪行為とする"ものであり、要するに錬金術を禁じたものである。
錬金術は1317年にローマ法皇のヨハネス22世が禁止しているが、ヘンリー四世が1399年から1413年までの在位期間にイギリスでも禁止される条例が出された。そのことからも中世を通じて市井で錬金術まがいが大流行りしていたのは間違いない。一方で16世紀にはエリザベス一世女王の顧問を務めていたジョン・ディが錬金術の研究に耽っていたことからも、王室の中でそれが重要な術であることは理解されていたはすだ。
そして法令を廃止したウィリアム国王とメアリー女王は、錬金術の研究を奨励し、増殖した金銀の用途の裁量権を造幣局に帰属させている。その後、1694年にイングランド銀行が設立されていることと無関係ではないと、個人的には踏んでいる。
錬金術などあり得ないと21世紀の我々は考えているが、さぁてどうなんだろうね。動物や植物が増えるのに、鉱物が増えないなんて本当なのだろうかね。2021年もあと数日を残すところで、こんな危ないことをメモするのもどうかと思うが、まぁ、来年はもう呟きも控えるし良いか。

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●12月31日/31th Dec 
2021年の終わりを寺で静かに瞑想に耽りながら迎える。自分の身心を静かに観察すること出来ずして、これから世界で起ころうとする大混乱を静かに観察することなど出来ない。
2022年はいよいよ世界の形が大きく変わり始めるだろう。同時に今年からは自分自身の社会での受け止められ方や、個人としての意味合いも大きく変わる。今までの清算と整理が必要になる。
これまで問われもしないのに無駄に書き溜めてきた奔放な言葉を慎み、真剣に耳を傾けようとする人に語るべき言葉を収斂させねばならない。SNSは整理しながら、情報と言葉はウェブサイトに、思考は本と作品にまとめて行くことになるだろう。本当になすべきことに集中するために、アウトプットのチャンネルを一つずつ閉じていく準備が必要だ。
この場でしか繋がっていない人もいるし、その多くはおそらくこの先に二度と会えない人ばかりだ。チャンネル自体は残しておこうと思うが、縁というのは人の手ではコントロール出来ない。これまでに縁あり多少なりとも意識と慈悲を傾けて頂いたことに感謝して、閉じて行く方向へと向かうべきだろう。
おそらく次の本を機に、自分を取り巻く流れが大きく変わる。しばらくは、案内も含めて多少言葉を紡ぐ必要があるが、多分これまで通りにはいかなくなる。前著で近づいてきた人々の多くは離れて行き、また別の人々が近寄ってくる。問われ、乞われ、指さされ、勝手に期待され、これまで以上に要らぬ言葉をやり取りすることになるだろう。
その流れの渦に翻弄されぬように己の心をしっかり保っておかねばならない。無闇に人と繋がること、自由に言葉を発することが必ずしも安全ではない時代だ。そんな流れに入る世界では、自分も閉じていく道へと向かうのは必然なのだろう。
これまでの世界は「生命であることを喜ぶ」ことに価値が置かれた。だが、これからの世界は「生命であることを乗り越える」ことが必要な局面に入る。そのための鍵は苦と痛みの正体を知ることで、向き合うことを避けては通れない。
それは暗く陰鬱な態度で臨むことでも、その反対に甘い幻想に逃げ込むことでもない。これまでもずっと内にあったのに、ないことにしてきた苦を、そのまましっかり認めることから始めねばならない。
この先の世界では、苦しみが暴力的に外からもたらされることになる。そこでは生命であることを乗り越えるどころか、生命でいられなくなることへの恐れが掻き立てられるだろう。準備が出来ていないと激流に流されて選択肢がある場所へともう戻ってこれない。
だからまずは自らの内の苦と向き合い、心をしっかりと保つための準備が必要になる。己の準備を整え、そして人を手助けする。準備が出来ていない者は助けることは出来ないからだ。神秘とは心の因果が整わぬ者の前には現れない。
人はいつまで生きられるか分からないし、呆気なく命を落としてしまう。しかし死んで終われるほどこの世界は単純には出来ていない。生のサイクルを断ち切る道への門はいつでも開かれていて、その鍵は既に手にしている。だが、それを開けるには勇気と努力が必要なのだろう。
ここまで個としての生を紡いでこれたこと、そして心の因果を導いてくれたことは、直接間接問わず自分に関わった全ての生命の賜物だ。再び会うことはない生命たちに深く感謝し、次へと進みたい。生きとし生ける全ての生命が幸せでありますように。

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