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『千と千尋の神隠し』北海道公演初日!!

2022/6/6ソワレ 初日キャストボード

舞台の幕が上がったこと、心から感謝します。直前のキャスト変更もありましたが、熱気のある舞台にひたすら感激しました。

パンフレットとご当地ピンズ

映画に忠実な、そして丁寧に創られた舞台。人間の身体表現で、こんなにも表現ができる、ということを感じました。以下、舞台の演出や内容に触れていますので、ネタバレを避けたい場合はご注意ください。

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着席して、しばらく舞台上を見ていましたが、空の風景が自然な流れで変化していました。アニメーションのようで、幻想的で、これからはじまる物語に胸が高鳴ります。

映画でもグッときた場面が、舞台ではどのように表現されるのかを中心に集中して観ました。個人的に印象深かった場面や気になった演出について、断片的ですが、忘れないうちに書き留めます。

【お父さんとお母さんが豚になる】これは、映画でも強烈に心に残った場面。二人の後ろ姿が、映画そのものでした。豚の表現は被り物ではありますが、アニメーションと実写の中間的なニュアンスで、自然に伝わる感じ。

【カオナシと千尋の出会い】橋の上での場面。カオナシの何とも言えないおずおずとした佇まいが身体の動きから分かりました。顔の表情は分からないのに、身体表現から伝わる心情。完璧なカオナシの姿。

【キャラクターの再現度】ハク。人の姿のときも、龍の姿のときも、映画の印象そのままに、ハクが存在していました。そして、リン、湯婆婆&銭婆、釜爺、青蛙、油屋の面々、皆が映画から飛び出して来たかのように、姿も声もピタりとハマっていたことに驚きました。既に出来上がっているキャラクターに、俳優が近づけていくやり方として、ここまで完璧な舞台もあるのだな、と。

【ハイブリッドな演出】とにかく、演出がジョン・ケアードさんなので、どんな魅せ方をしてくれるのか、ワクワクして楽しみました。舞台を端から端まで使って、人間の力で場面を創り出す。千尋とハクが空を舞う場面も、アナログな感じが印象的でしたし、詳しいことは分からないのですが、最新の技術と古くからある演劇の手法を組み合わせた演出、と感じました。

【お花の場面とススワタリについて】唯一のリクエストとして、お花とススワタリは、もう少しボリューム感が欲しいなぁ、と。しかし、これは観る側の想像力で補完しながら観る感じなのかと思ったりもしました。

【おにぎりを食べながら泣きじゃくる千尋】上白石萌音さんの演技にひき込まれた場面。千尋の気持ちが伝わり、映画以上に涙しました。

【千尋とカオナシたち、電車の場面】舞台版で最も好きな場面になりました。台詞はなくても、音楽と照明やセット展開で時間の経過や心象風景が迫ってきて、素晴らしかったです。舞台って、最高。それを実感しました。

【可知寛子さん】長らく可知さんを舞台で観る機会がなかったので、今回は拝見できて嬉しかった!細かい表情も「さすが」という感じで目が離せませんでした。

とりとめなく書きましたが、最後に、初日公演で上白石さんから、挨拶がありました。これが、とてもあたたかく、気持ちの伝わる挨拶で感動しました。北海道のこと、この劇場のこと、色々と調べて来てくれた様子で、それがとても嬉しかったです。

リラ冷えの清々しいこの季節に、カンパニーの皆さんが、千と千尋の世界を北海道に運んで来てくれました。またひとつ、大切な観劇体験ができました。公演に関わる全ての皆さんに感謝します。



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