藤山直美さん。

当時は真剣に見ていなかったNHKの朝ドラがいくつもあります。毎朝テレビで流れていたけれど、朝の支度のついでになっていて、ほとんど物語は覚えていないのです。現在、それらが再放送されているのを見ては楽しんでいますが、中でも今見ている『芋たこなんきん』について。

毎週6回分の放送の中に、たくさんの人間模様が織り込まれています。ホロっとしたり、笑ったり、藤山直美さんの人情味溢れるあたたかな芝居に、夢中になります。毎回、共演の國村隼さんとの掛け合いが絶妙で、本当に素敵な関係性を感じます。何より、登場人物の多彩なこと。子どもからお年寄りまで、その人物の背景も様々。登場人物のひとり、いしだあゆみさんも台詞で言っていましたが、自分の今までいた場所がいかに狭い世界であったのか、気づかされるそんな家族の物語。

藤山直美さんは、いつかは生の舞台で観たい俳優のひとりです。お父さんの藤山寛美さんは、当時、受験勉強のために宿泊したホテルで、偶然つけたテレビの舞台中継を観て釘づけになりました。泣いて笑って、元気になり、いまだ忘れられない経験です。

藤山直美さんからは、そのとき感じた芝居のぬくもりが思い出され、懐かしく思います。本当に、素敵な芝居をされる方だなぁ、とあたたかな気持ちになる。今後の物語が楽しみです。

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