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建築 写真 脚本 ぼちぼち書きます。

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  • スタジオジブリまとめ

    スタジオジブリ作品の深掘りをぽつぽつ書きます。

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はなればなれの君へ から読み解くすずの成長

竜とそばかすの姫はミュージカル映画ではない。 今月発売のSWICHにて細田守監督自身が語った言葉だ。 ミュージカル映画ではないということはどういうことか、 近年のディズニー作品を代表として、キャラクターが自身の感情を歌で即興で表現するような、そういうジャンルではないということだ。 本編中に、即興性がでてこないというところに注目してみると、すずが制作した歌の意味が違って見える。 一番注目したのは最後の劇中歌、すずがアンベイルされた自身の姿で竜へ向けて歌った(はなればなれの君

    • 記憶に残る天気の演出 すずが乗り越えたかった雨の記憶

      竜とそばかすの姫 感想&考察2本です。 今回は天気について書きます。 大まかなあらすじは前回の記事にて◯ 雨の記憶、天気と連動するすずの心情 本作では、天気の表現をあまり過剰に行わない、むしろ基本的には晴れているが、すずの心情が大きく変わる時に天気が崩れる演出がなされている。 まず初めに大きく天気が変わるのが、母の事故シーン、母が亡くなる理由となった川の増水=少女の救出は、突然ふった雨の影響であることは間違いない。 母を失い涙するすずの顔にも容赦なく雨が降り、すずの中で

      • すずと竜 家族の呪縛からの脱却

        竜とそばかすの姫 感想&考察です。 一部ネタバレとなるところが出てくると思います、ご注意を。 春にプレスリリースがでてから、主人公すず/ベルの声優発表までのプロデュース力は勿論、劇中歌のクオリティ、脇を固めるキャラクターの多様さまで、細田節が炸裂するこだわりだなという印象。 代表作サマーウォーズ以来の、インターネット世界を中心とした本作は、歌を軸に物語を進める構成となっている。 劇場公開から2週間、本日見てきた感想と、小説版で補填した情報をもとに、できるだけストーリーの

        • 歴史とは何か 

          歴史とは何か歴史とは今と過去の対話である。 E.H.カーの歴史とは何かの冒頭に登場する言葉である。 この一文は、スタジオジブリP 鈴木敏夫氏のジブリの哲学という本の中から見つけた。彼が青年時代に衝撃を受けた言葉として登場していて、私にとってもなんともひっかかる不思議な言葉だなと思い、ずっと頭の片隅に置いてきたものだ。 歴史とは、今までの時間の積み重ねの中で実際に起きた事象、事実の総集なのだと思ってきた。それは教育機関で習う、所謂歴史の授業のイメージからだと思う。 しかし

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        • スタジオジブリまとめ
          1本

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          ふつうの崩壊

          ふつうがくずれさっていく。 日常が変わっていく。 でも何が変わったのかはよく掴めない。 はじめて会う人はマスクをしていて 口元がわからないから、 きっと次に会ったときに思い出せない。 行きたかった国に行けない、ずっと日本にいるのも悪くないかもしれないけど。 シンガポールに行ってしまった姉が帰ってこれない。次に会うのはいつなんだろう。 ふつうがくずれさっていく時に はじめてふつうってなんだろうと思う。 飛び去るような毎日の中で、 じっと何かを見る機会が抜け落ちていくと

          ふつうの崩壊

          魔女の宅急便 才能についての物語

          宮崎駿が監督をつとめたスタジオジブリ制作の第4作目となる「魔女の宅急便」 その前には、風の谷のナウシカ、天空の城ラピュタ、そしてとなりのトトロ。興行成績は右肩下がりとなり、ここは、という場面で生まれた「空を飛ぶ少女」の物語。 あらすじ主人公のキキは13歳の少女。魔女の家系に生まれ、母のコキリと父のオキノの元で大切に育てられる。 魔女として生きることを決めたものは、13歳の春の満月の夜に親元を離れ、魔女の住んでいない町で1年間修行をする古いシキタリがあった。 物語は、キ

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