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岩崎家と三井家、どちらも御用達。丸平大木人形店のお雛さまを愛でる

  恒例のお雛さま。昨年は、岩崎・三井・徳川を制覇。自宅では飾れないから、展覧会で雛祭り気分を・・・ということで、静嘉堂と三井記念の両方のお雛さまをハシゴ。まだ気持ち早いのか?どちらも日曜日でも空いていて、のんびり見られました。

  とにかくゴージャス。そして不思議なのは、嫁入りしてきた奥様にお雛さま一式を準備すること。娘が生まれたら、じゃないのか?でも娘に作った、というのセットもあるし、お嫁入りに持ってきた、のもある。一家に一体何セットあるのか・・・ということで、時代によってもお顔や雰囲気の違う様々なお人形を楽しみました。

五世大木平蔵「岩崎家雛人形」のうち内裏雛。つやっつやのふくっふく。
五世大木平蔵「岩崎家雛人形」のうち三人官女。真ん中だけ眉が丸いのは、一番年長者だかららしい。三井のも、真ん中だけ眉が丸いセットが多かったです。知らなかった!

  三井は1室しか撮影できなかったので、残念ながら丸眉の三人官女は撮れなかったのですが、それぞれ風情が違うのがオツです。

ああ・・・顔が見えない・・・三井家の三人官女その1。四世大木平蔵作。
三井家の三人官女その2。これは眉が三人とも同じで同年代っぽい。

  そしてお道具。子供の頃は、この細かいお道具が羨ましくて仕方なかったです。実家にあったセットは、元は7段飾りでしたが、戦時中に祖父が担いで買ってきた、というもので、重くてお道具類は置いてきたため5段分だけ残ってました。でも、よく担いで歩いて帰ってきたものだ!という重さだった。展覧会のセットはどちらも素晴らしいお道具ばかり・・・ため息。

静嘉堂:合貝のセット。細かいけれど精巧に絵が描かれています。
静嘉堂:書物箱・文台・硯箱。ちっちゃくて可愛い!
三井記念美術館:遊び道具一揃え

  静嘉堂は、4代目社長、岩崎小彌太の還暦を祝して特注した、御所人形セットも展示。小彌太サンが卯年なので、お人形がみんなウサギのお面を額に載せており、とっても可愛い。静嘉堂で展示されると、つい見に行ってしまうお気に入りです。目出度さ満載、福福しい感じ。嘉風を浴びるぞ!

ウサギの宝船に乗っている布袋さんが小彌太さん
一人ずつ表情だけじゃなくて、ウサギのお面も着物も足下も違う。こだわりがすごい。
足袋の柄が・・・粋で可愛い
奥様の孝子さんも行列に・・・

  還暦祝いの席に本当に飾った記念写真。この可愛らしいお人形を前に、子供が一人もいないというのもなかなか不思議な構図。でも年代を超えて可愛いものは可愛いとシンプルに愛でればよし。

キャプションは写真の中にあるとおり。テーブルに並んでいるのが見えるかな。

  静嘉堂が小彌太&孝子夫妻のお人形セットの展示の一方、三井記念美術館は、三井家の女性陣の何世代もの飾りセットがあって、時代の移り変わりが見られます。

内裏雛。すっきり系。
五世大木平蔵の「永印のひな人形・ひな道具」 北三井家十一代・三井高公の一人娘、浅野久子氏寄贈品だそう。一人娘だけあってゴージャスさもひとしお。モリモリです。

  今回は、どちらの展覧会も京都・丸平大木人形店のお人形が勢揃いでしたが、最後に静嘉堂、三井のそれぞれちょっとお茶目なお人形をご紹介。

静嘉堂:五世大木平蔵作「お福の花見」。御殿女中がお花見しながら目隠し鬼をしている?丸平文庫蔵ですが、着物の紋が岩崎の紋が入っているので、岩崎家からの注文だったとわかるそう。
三井記念美術館:子供人形ことろ遊び。「ことろ遊び」とは、ひとりが鬼、ひとりが親、他はすべて子供の役になり、鬼が子供を捕まえるのを防ぐ子供の遊び。こちらも花の下で楽しそう。

  桜が咲いたら、お花見に行きたいなあ。

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