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「やりたいこと」を見つけるための方法

はじめに

就活や転職活動を行う上で、「自己分析をしてやりたいことを見つける」や「You Tuberはやりたいことをやって生きている」など、
「やりたいことをやる人生は幸せ」ということが昨今何度も言われています。

僕は幸い、「より多くの人の『楽しい時間』を長くする」というやりたいことがあり、そのためにゲームプランナーという仕事をしているという、「やりたいことを仕事としてやっている状態」で暮らせています。

とはいえ、やりたいことを見つけたいけど、そんなに簡単に見つかんないよ・・・と言う方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そんな方のために、自分の経験から「こう考えて実践すればやりたいことが見つかるかも・・・?」と思ったので、その考えをシェアしたいと思います。


※注意
これから読み進めていくにあたって・・・。
誰にでも当てはまる考え方ではないかもしれません。
「とにかくモテたい!」や「1億円稼ぎたい!」など、自分の中に強烈な欲求がある人はすでにモチベーションを持っているので読み進めなくても良いかもしれません。
「こういう生活水準を満たしたい」「モテたい」という強烈な欲求もあまり無い人向けに、僕から提案をしてみたいと思います。
そして、この記事の中に「やりたいこと」の答えが書いてあるわけではありません
あくまで「やりたいことを見つけるための方法」なので、答えは、常に自分の中にあります。
それを見つけるための一つの方法が今回の記事です。

この記事では、思考編と実践編に分けて説明します。
先に思考編を読んでもらって考え方を知ったのち、
実践編を読んで実際の行動に移してみてください。

ではまいります。


思考編

まず、「思考編」としての結論をお伝えします。
結論は、

「やりたいこと」を「誰かに何らかの変化を起こすこと」と考えてみる

です。
「誰かに何らかの変化を起こすこと」とは、例えば、以下のような例があります。

・テーブルや食器などをデザインすることで、ご飯を食べる人に、毎日最高の食事体験をしてもらう
・新しい出会いの場を提供することで、出会いを求めている人にパートナーを見つけてもらう
・エンタメ作品を配信することで、世界中のより多くの人に楽しんでもらう

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ポイントは、相手がいるということ。
他者に対して、どんな人にどんな変化を起こしたいかを考えてみてください。

もしやりたいことを仕事に繋げたいのであれば、この考え方はとても重要です。
なぜこの考え方が重要なのでしょうか?
その理由は以下です。

①本質的な仕事の形だから
②本質的なモチベーションを獲得できるから
③手段の目的化を防ぐことができるから

続いては、これらの理由について詳しく説明していきます。


▼本質的な仕事の形

「仕事とは何ですか?」という質問に対して、これまで様々な人が様々な解釈を述べてきました。

「お金を稼ぐことだ」
「人生そのものだ」
「とても面倒なものだ」
・・・etc.

僕は、仕事とは、「自分や会社が何らかの(価値のある)行動を起こすことにより、お客さんに良い変化が生まれること」だと解釈しています。

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「お金を稼ぐ」というのは、お客さんに価値を届けて良い変化を起こした結果の形です。
お客さんに喜んでもらうことで初めてその感謝の印としてお金という形に変わるということです。

なので、お金を稼ぐことが仕事の本質では無いと僕は思っています。
より本質的なのは、「お客さんに価値を届けて良い変化を起こす」ことだと思います。
簡単に言い換えるとつまり、「誰かに何らかの変化を起こすこと」ですね。
仕事とは他者のための行動なのです。

今度は具体的な業界を例に見てみましょう。

・人材業界・・・「転職したい人に会社を紹介することで、転職を成功してもらう」
・素材メーカー・・・「素材を輸入・開発して今までになかった物を作る(今ある物をより良くする)ことで、生活をより豊かにする」
・家電メーカー・・・「新しい家電を開発することで、生活をより豊かにする」

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このように、業界ごとにその得意のジャンルにおいて誰かに何らかの変化を起こしています。

以上のように、「誰かに何らかの変化を起こすこと」という考え方は仕事の本質的な形と言えます。
これを踏まえて自分の中で「どういう人にどういう変化を起こしたいかなぁ」と考えてみてください。
それがそのままやりたい仕事につながるはずです。

ちなみに、相手に起こす変化を2つのカテゴリに分けて考えると考えやすくなります。
いくつか例も添えてみました。

1. 困っている人の課題を解決する
└業務フローをより効率化したい会社に対して、IT技術を導入することで、会社の生産性を上げる(ITコンサル)
└身体的な事情により家事をするのが難しい人に対して、家に訪問して家事を代行する(家事代行サービス)

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2. 生活をより豊かにする
└VR技術を活かして、新しい映像体験、遊びの体験を提供する(VRソフトの開発)
└ファッションに興味がある人に、趣味別のファッション情報を提供する(雑誌)

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▼手段の目的化を防ぐことができる

手段の目的化とはどういうことかと言うと、例えば「やりたいこと」を「ITをやりたい!」とか、「メーカーに行きたい!」などと考えることです。
ITというのは手段ですよね。
「IT業界」と言われる業界はありますが、ITと一言で言っても、ITを使う目的は会社によってバラバラです。
例えば、以下のような会社があります。

・「地球資源が大切に使われ、誰もが豊かに暮らせる社会を実現する」(メルカリ)
・「チームワークあふれる社会を創る」(サイボウズ)
・「IT技術によって様々な会社の事業成長を支え、世界中の社会課題を解決する」(NTTデータ)

このように、会社によって「こういう社会を作りたい!」「こういう人にこういう価値を届けたい!」「こういう課題を解決したい!」と様々な目的があり、
ITという技術はあくまで手段であることがわかります。
ただ、どの会社にも共通しているのは「自分(会社)の行動によって何らかの変化を起こす」ことが目的になっていることです。

ちなみに僕がいるゲーム業界も例外ではありません。
「ゲームを作りたい!」は手段です。
「ゲームを作ることで、たくさんのお客さんに楽しんでもらいたい!」が目的です。

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とはいえ、念の為お伝えしておくと、「デザインがしたい!」「プログラミングをやってみたい!」「企画してみたい!」など、興味を持つ最初のきっかけはそれでも全く問題ないと思います。
ただ、そのデザインは何のため、誰のためにデザインするのか、どのような人に何を届けるためにプログラミングするのか
この目的が抜けているまま仕事をすると、いつまでも「手段の目的化」を繰り返してしまうので注意が必要です。


▼本質的なモチベーションを獲得できる

本質的なモチベーションとは、「つまるところこのために仕事やってんだな」と思える動機のことです。
なぜ本質的なモチベーションが大切かというと、「仕事をしている意味」を見出すことができるからです。

誰しも「何のためにこの仕事をしてるんだろう・・・」と考えるタイミングが必ず1回は来ます。
特に、仕事をしていてストレスが溜まったり、しんどいと思ったりする以下のようなタイミング。

・自分の部署の業績が上がらない
・自分のミスで顧客に損失を与えてしまった
・外的要因でプロジェクトそのものが消滅した
・準備不足で契約が取れなかった

こういうことに出くわすと、「あぁ、なんでこんな仕事をしてるんだろう・・・」と思う時があるかもしれません。

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つい足元を見て視野が狭まってしまう瞬間です。
しかし、そういう時に、「こういう人の笑顔が見たくて」「こういう社会の実現を目指して」という目的を持っていれば、
「あぁ、このために仕事していたんだな」と本質的なモチベーションまで立ち戻ることができます
大失敗して、泣いたり、落ち込んだりしても、そこから再出発することができます。

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このような本質的なモチベーションがあれば、とても強いです。
もはや、「夢」とも呼べるべきものですね。

夢を持っていれば強いです。
ちょっとのことではへこたれません。


実践編

次は実践編です。
思考編では、「やりたいこと」を「誰かに何らかの変化を起こすこと」と考えてみよう、という内容でした。

この思考編を踏まえて実践することはもうお分かりですね。

その実践とはズバリ、「誰かに変化を起こす経験」です。
(もちろん、起こすべき変化は「良い変化」です)

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この経験をたくさん積むことで、仕事につながる「やりたいこと」を見つけることができます。

では、その経験をするにはどのような実践をすれば良いのでしょうか?
今回は、「学園祭で焼き鳥を売る」という例を用いて説明したいと思います。
焼き鳥を売れば、学園祭に遊びに来てくれたお客さんに、

・焼き鳥の味を楽しんでもらう
・お腹を満たしてもらう
・体力を回復してもらう

などという変化を与えることができますね。
そのため、「誰かに変化を起こす経験」の例としてはOKだと思います。

では以下に詳しく説明していきます。


▼振り返られる状態までやり切る

なぜ振り返られる状態までやるべきかというと、感情を蓄積することができるからです。
例えば、「この経験は数字的には目標の2倍以上達成してめちゃくちゃ成功したんだけど、なんか純粋には楽しめなかったな・・・」や、
「この経験は、結果的には失敗してしまったけど、とても楽しい瞬間があった!この感覚、もう1回味わってみたいなぁ・・・」など、
しっかり最後までやり切ることで、自分にとってどういう意味を持った体験だったかを感情とともに思い起こすことができます。

このような感情を蓄積できれば、自ずと「こういう経験は何度もやってみたい」「こういう経験はそこまでやりたくない」と分別していくことができ、「やりたいこと=どんな人にどんな変化を起こしたいか」を見つけるヒントになります。

やり切ることが大切なのです。
では「やり切る」とはどこまでやればいいの?っていう話に繋がるのですが、僕のおすすめは、目標を立てることです。

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焼き鳥の例で言うなら、

「200本売って5万円の売上を上げる」
「150人のお客さんに買ってもらう」
「利益率○%以上を出す」

などです。
目標の立て方は「SMART 目標」でググってみてください。
そして、立てた目標に対して結果が出るまでやりきりましょう。

目標と結果があることで、先ほどお話しした「自分にとってどういう経験になったか」という感情を振り返ることができますし、
目標を達成する過程で困難だったことや、得意だったために効率的に終わらせられたことなど、自分の得意・不得意なことを発見することもできるかもしれません。
もし、やりきらずに途中で諦めてしまったら、これらの振り返りをすることはできません。
「誰かに変化を起こした」ことも経験できないですし、「自分にとってどういう経験だったか」が説明できないまま終わることになるでしょう。

それでは、せっかく行動を起こした甲斐がありませんから、途中でモチベーションが落ちたとしても、何らかの結果が出るまで(変化が起こせるまで)やりきりましょう。

結果的に楽しくなかったとしても、「自分にとって楽しくない経験とはこういうものだ」ということが学べるチャンスです。


▼自分の感情を見つめる

「経験を振り返る」について、もう少し具体的な振り返り方を説明したいと思います。
相手に変化を起こしたことで、相手はどんな反応をして、それに対して自分はどう感じたかを振り返ってみてください。

例えば焼き鳥なら、

・焼き鳥を美味しそうな顔で食べているお客さん
・お腹が膨れて満足げにしているお客さん

色んなお客さんがいると思います。
そのお客さんの顔を見て、自分はどう感じたかを振り返りましょう。
決して感情をスルーせずに、ちょっとでも良いので感じたことを思い起こしてください。

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「あぁ、こんなに満足してもらうのは嬉しいことだなぁ」と感じるかもしれません。
もしくはそこまで響かないかもしれません。
その感情を、ちゃんと自分の中に蓄積してください。

そうすることで、「この経験を仕事でもしてみたいな」と思えるものに出会える可能性があがります。
しっかり自分の感情を思い起こして振り返りをすれば、「やりたいことを見つける」につながるでしょう。


▼様々な種類の経験をする

様々な種類の経験をしましょう。

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お金を稼げることにチャレンジしてみる、でもいいし、お金がもらえない経験でも良いです。

例えば僕は、友だちの誕生日に、その友だちが好きな物を大きな画用紙に絵を描いてプレゼントしたり、サークルの友だちの似顔絵を描いてプレゼントしたり、ということもしていました。
そこで喜んでもらえた経験が嬉しくて、人を楽しませる仕事をしたいと思うようになりました。

なので重要なのは、「相手に変化を起こすこと」です。

そして、個人単位でできる規模から、数十人、数百人の規模と、様々な人数規模で経験することをオススメします。

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人数規模が変わるだけで、変化を起こせる人数規模と、目標を達成するための過程がガラリと変わるからです。
個人でやる経験も、大人数でやる経験も、とても良い経験になると思います。


おわりに

念の為最後に説明しておきますが、「誰かに変化を起こさない行動は意味がない」と言っている訳ではありません。
「やりたいことを仕事に繋げたいなら、『誰かに変化を起こす経験』はけっこういいですよ」ということをお伝えしたく、この記事を書きました。

この記事をきっかけに、自分の「やりたいこと」を見つけてより良い人生を送る人が増えることを願っています。

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