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 AIバカみたいな記事にはしたくないのであまりこのテーマを扱うのもどうかと思ったのだが、現実の話をしたいと思う。

 24年の昨今でも、相変わらず作曲家は作曲コンペに苦しんでいる。無名の作家なんて指名なんか貰える訳がないので、どうしても作曲コンペに参加しなければならな事情がある。昨今のyoutubeで有名になってという方法もyoutube自体が飽和状態なので、結局実力の世界である。当然と言えば当然だ。

 だが、音楽市場の儲けの話となると、別にそんな良くなっているか?という所で予算の話になれば相変わらずの状況だ。

 結局作曲家としては作品が売れても制作費を回収できるのか?って所なのだが、そもそもクライアントが作品だけで制作費のペイが出来ているのか?という話なのである。答えなんかお察しで、配信なんか雀の涙である。

 昔のコンペは単純にCDの売り上げもそうだし、カラオケ印税やTV、ラジオ等のメディアに使われれば良い収入が期待出来た。だが、今はCDの売り上げもそんな大したことはないし、カラオケの印税も言うほどだ。何より配信に関してはお察しの印税しか入らないような世界だ。

 ほぼほぼ作曲家はコンペに選ばれなければタダ働きどころか、制作費だけが消費されてしまう。選ばれても売り上げは大した事もない。下積みが辛い仕事だと思う、本当に。

 そんな状況だからか、昨今は仮歌にお金を掛けなくなった。というかもう本当に仮歌ボーカリストに予算を割ける作家が減ってしまった。そりゃ選ばれなければペイ出来ないから。そこに予算を割きたくないというのは良くわかる。クライアントもクライアントで苦労して作っているデモを大して聞くわけでもないから、作家もいい加減頭に来ているのだと思う。

 ミックスだってちゃんとやっても選ばれなければ時間の無駄だし、ミックスやってもまともにミックスしているかどうかの判断なんか、クライアントは出来ないから、AIミックスやAIマスタリングで済ませてしまう作家が増えている。

 色々正攻法では成り立たない世界なんだと思う。同じ作家としては非常に良くわかるし、正直自分の作品の方が選ばれるのか分からないコンペより、確実に作りこみたいと思うし、納得の行く作品になるよね。ってなってくると、そもそも音楽家としての活動をするのであれば、作曲家はもう劇伴系しか生き残るのは難しいのではないかな?どの音楽家も予算を捻出出来ないから、自力で出来る事は全部自分でやってしまうと思う。自分で歌って自分で曲を作って、自分で演奏をして、自分でミックスをしてと….そうなったらもう自分で歌えばよくね?ってなるもんね。

 悲しいけれど、音楽の末路って感じがする。

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