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大谷祥平が中村天風を読むと聞いて思った事。

 数日前、大谷祥平がリーグMVPを獲得したニュースでテレビが沸いていた。私は野球音痴なので、その凄さがイマイチ理解できていないのだが、やはりすごい事なんだろう、とは思う。

 彼の活躍がテレビで映し出される度に、天から二物も三物も与えられたスーパーマンだと感じていた。端正なルックスや爽やかな笑顔、その上、投打二刀流まで出来るなんて、単純に「凄い人」だなぁ、と。

 先程、何気なく見ていたテレビで、大谷祥平は大変な読書家で愛読書には中村天風の本もあると知った。

あの、中村天風を読むの?と驚いた。私の中で中村天風の本は、挫折して失敗して人生上手くいかなくて悶々と苦しんだ人が救いを求めて辿り着くようなイメージだったから。

 中村天風は自分自身が大病を克服した波乱万丈の人生経験から「ポジティブシンキング」の重要性を説いた人だ。この人の言葉で多くの人が救われていて、政財界のみならずスポーツ界でも信者は多い。私は信者という程のものではないが「取越し苦労はするな」というこの人の言葉に、ハッとした記憶がある。

 私がこの人の本に出合ったのは、仕事も恋愛も思うように行かなくて苦しかった30歳前後の頃だったか。悪い事が重なりに重なり、この先どこまでこの状態が続くだろう…と自暴自棄になっていた時だった。何かの拍子にこの人の本を手に取り、その後、結婚し引っ越しを重ねても、いつも私の傍に置いてあり、事あるごとに読み返す1冊になっている。

 大谷翔平が中村天風を読んでいると知って、急に親しみが湧いてきた。彼は、あの爽やかな笑顔の下で、不安や悲しみ焦りや嫉妬、たくさんの負の感情を抱えながら、それを打ち消し必死に頑張っているのかもしれない。

ちなみにあの市川海老蔵も愛読書に中村天風の本を挙げていた。

成功し自信に満ち溢れた様に見える人ほど、繊細で弱気、不安で仕方ないから中村天風を読むのだろうか。

スーパーマンも人間なんだ。


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