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暑い・熱いシンガポール


都市国家と緑化戦略

10月末に初めてシンガポールを3泊4日で訪問した。赤道直下の国ということでまぁ沖縄よりも暑かった。移動中や建物の中に入ればもちろんエアコンは効いていたのだが、観光スポットやいろんな施設にはいるまでのちょっとした待ち時間でも汗が出る感じ。
沖縄から韓国・仁川を経由してチャンギ空港に入ったので、仁川から6時間ぐらいの飛行機移動後、10時過ぎに到着したらGrabでスタンダードの車が見つからずベツンツのでっかいので中心部のホテルまで移動した。
個人的な備忘録としてシンガポールで感じたことを緑化と二次交通などについてメモしておく。


ほとんど知らなかった国


同行した人がほとんど旅程を決めていたので、その前の週まで忙しいことを言い訳にシンガポールへの旅のことはパスポートと電子入国手続きのみを準備し、エアチケットや宿その他すべて現地に着いてからという状態で入国。


  • 建国58年の若い国

着いた翌日は、国立シンガポール博物館で、日本語のガイドさんに1時間程度シンガポールの歴史を中心に説明を受けながらまわった。建国の父と言われるリークアンユーの名前ぐらいは聞いたことあったが、やはりすごい人であることを再認識した。イギリス・日本の植民地時代を経て、マレーシアの一部なるも追い出される形で独立。そこからどうくにをつくっていったのかという戦略とやりぬく力に圧倒される。結果論として形成された現在のシンガポールをみると当たり前のように思いがちだが、沖縄に置き換えれば簡単でないことが容易に想像できる。


数年前にこれは観てた

  • 思いのほか製造業が主要産業

今回知った意外なことの一つに、GDPに占める製造業の割合が一番高いということ。てっきり金融やIT、中継貿易的なロジスティックスだと思っていた。シンガポール製の最終製品というものを知らないので、どうなんだろうと聞いてみると半導体関連や化学製品その他精密機械などのウェイトが大きいということだ。

  • 多民族

中華系が多いものの多民族国家で、今でも労働力として周辺の国から多くの人が移民または働きに来ていると伺った。移民なしには産業も成り立たないので、賃金の保障やその他社会保障についても国として取り組んでいるそうだ。
共通語は英語が主であるようだが、マレー語、中国語など業種や職業によって使いわけられているそうだ。今回最終日にお邪魔した沖縄料理店の店員は、シンガポール出身は2人、マレーシア人3人、フィリピン2人、ミャンマー2人であった。
街中ではイスラム圏の装いをしている方もちょくちょく見かけ、公園や街路樹をメンテナンスしている方は、インド・パキスタン系の人にみえた。

街の緑化とランドスケイプ


今回のシンガポール訪問は都市緑化という視点で街をみることであった。ガーデンシティと呼ばれるということで、街を政策的に緑化しているということを知識として持っていたが、まさにリクワンユーが海外投資を呼び込むための一つの方策として、「みどり」がキーワードであった。

  • 空港からの風景

今回、チャンギ空港に到着した時間が22時を廻っていて、空港から市街地までの風景は最初気が付かななかったのだが、博物館でのガイドさんの話しでも戦略的に高速道路から見える風景をデザインしているということで、帰国の際の空港までの道のりでそのことに納得した。心地いい空間デザインはその緑と建物、道路そのた全体の調和という部分でかなりレベルの高い設計がはいっていると感じた。

  • 植物公園

今回は世界遺産にも指定されているボタニックガーデンと海辺にあるガーデンバイザシーの2カ所を訪問した。


どちらも広大な敷地に公園としてのランドスケープと各施設の配置が絶妙で多くの観光客が訪れていた。前知識なく行った自分が情けなくなるくらい立派であった。

知識のない私がつまらない感想を書くのも陳腐なので、ウェブサイトで確認してください。


  • 立体的な緑化

街路樹は木々の丈が高く、低層も高層も緑を使い分けていると感じた。もちろん商業地であってもレジデンスエリアであっても都市公園的なオープンスペースがあり、芝または類似した植物で麺的な緑を確保していた。大通りの花壇は定期的に植え替えが行われているようで、ところどころ作業している人を見かけた。落ち葉やゴミの類はほとんど落ちていなくて、落ちていても1日の終わりには清掃されるということ。


  • 壁面緑化

壁面緑化については、確かに大きな建物のサイドウォール的な面はツタのような植物がはっていたり、屋上やベランダにも植木鉢が配置されているなど多くの場所で事例がみられた。
景観的なこともあるが、暑さ対策ということもあるらしく、補助金で緑化を促しているということも聞いた。


  • その他雑感

政策的にそして戦略的に緑化を進めてきたことで、ビジネス環境そして住環境を質の高い空間を作り、人と資本を呼び込むことに成功している。沖縄県でまたは沖縄の市町村レベルでこれができるのかは、かなりハードル高い。鶏とたまごの議論だが、お金があるから緑化したのか、緑化したからお金をうむ資本・技術が入って来たのか、いずれにしてもお金をかけて緑化を維持している・促進していることが体感として分かったのは学びである。

利用した交通機関


沖縄、特にやんばるでは、バス・タクシー等の二次交通基盤が脆弱で、観光客が周遊したいと思ってもなかなか思うように動けない。自由に動くとなるとレンタカー中心の観光スタイルで今後の課題である。そのような状況があることからシンガポールの二次交通事情を体験した分だけではあるがメモしておく。

  • タクシー

帰国の際、ホテルから空港まで1回利用しただけであるが、きれいで台数もかなりはしっている印象である。ホテルのフロントでタクシーの手配をお願いすると、電話でなくスマホのアプリから呼んでいた。配車アプリがなんであったかは確認できなかったがライドシェアと共存している。料金的なことは単純比較はできないが、来るときはGrabで呼んだベンツで深夜料金とハイグレードで49シンガポールドル(日本円でおよそ5500円)、タクシーは昼間で小型車であったので23シンガポールドル(日本円でおよそ2500円)であった。2倍の開き・・・。一般的にはライドシェアが安いはず・・。


  • MRT

チャンギ空港で3日間、バス・MRTなどが乗り放題のカード型のパスを購入。購入時に使い終わったらまた次にチャージして使えるから捨てないでといわれたので、いい人だと思ったのだが、帰ってきて調べたら5日以内ならデポジットの10シンガポールドルが戻ってくるらしい。したかなし。
パスの値段は40シンガポールドルであった。どこにいくのもMRTは便利で乗り継ぎも駅の表示が色や番号で明解なので助かった。MRTはどの国も基本的な仕組みが同じでタイもとても助かった。
駅ホームも車両も清潔感もあり、日中は数分に1本の頻度で走っている路線が多く、旅行社にも非常に使い勝手がよかった。


  • シェアサイクル

ガーデンバイザシーが大きく、暑い中歩き疲れたところに自転車駐輪場がありQRコードがついていたので、アプリをダウンロードして20シンガポールドル課金し、公園内ではあるが自転車乗ってみた。非常に快適で街中での乗り捨ても可能なので慣れると市街地にくりだすことも行けると感じた。
ただ、駐車場所を間違えるとペナルティがついたり、一時停車のつもりが返却の操作をしたりしてマニュアル読んだりせずに感覚的にやってると試行錯誤はあり、それはそれで授業料だったと思えばいい経験だった。まちなかで使っている人はほとんど見かけなかったが使いこなせると便利そう。


  •  grab

 別投稿でタイでの利用した時のことに触れたが、もうメッチャ便利。シンガポール市内では、街中からサントーサ島に渡るときに利用した。橋の通行料が必要というのがなくて、エキストラで支払ったが、それもまぁ許容範囲だと思った。タイでも高速道路使用料金は別途オンされた。あれが利用前にアプリに出るともっとべんりだなぁ。

その他雑感とまとめ


暑いのはとても暑い。観光で歩き回る場合は、ホテルに戻ってシャワー入ったり、着替えをもち歩いた方がいい。植物園もガーデンバイザシーもMRT駅から園内だいぶ歩くので、水と陽ざし対策、シャツの替えぐらいはあった方がいいと感じた。ましてや夏場行かれる方、暑さ対策をぜひ。
今回はカジノやナイトサファリなど他のアクティビティを体験できなかったのと、エリアごとにチャイナタウン、アラブ街、インドエリアなど、コンパクトななかに国際色豊かな場所があるそうなので、今度はそういう多国籍をより感じられる場所にも行ってみたい。
物価は体感としては、日本の2倍ぐらいだろうか。品物によるとは思うが飲食、物販などはそんなかんじ。乗り物はそれほど高いとは感じず。
管理された緑に窮屈さを感じ、やんばるっぽい手付かずこそが自然だという意見もあるが、ある程度人の手を入れて心地いい空間をキープすることと、山に至っても里山的な沖縄の山々も程よい管理をしないと災害時に大変なので、管理するための費用をどうねん出するかひきつづき考えていく。
最後にシンガポールを発つ直前、空港に隣接する商業施設(ほぼ空港内)にオアシスのような楽園があった。観光客の写真スポット。やるなぁといったところ。


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