見出し画像

チーマディラーパ

日本では全く報道されていないようですが、昨日イタリアでは内閣不信任案の採決が行われ政界が荒れております。ギリギリで現コンテ政権が信任を得ましたが、コロナ禍の行先も見えないこの時期にヤレヤレというのが私の実感です。コロナ対策では何よりその誠実な語り口でファンを増やしたコンテ氏です。政治家ではなく多数派政党の推薦で大学教授から首相になったということで立場も中立的だしクリーンなイメージがあります。アメリカ同様、極端な言動で扇動するポピュリストに関心が向けられがちだったり、既成政党の利権争いにもうんざりしている国民の心が政治全体からどんどん離れて行く気がしてなりません。

さてプーリアの我が家の畑ではコロナにも政治にも関係なく野菜や果物が育っております。今はチーマディラーパ(西洋菜花)が最盛期です。毎日のように少しづつ収穫をして食べ切れない分は冷凍保存をしております。夏のズッキーニ同様、”チーマディラーパ責め”的な様相を呈しております。プーリア郷土料理の冬の代表選手は、何と言っても耳たぶ型のショートパスタ、オレキエッテのチーマディラーパソースです。茎の部分の甘みと葉や花の部分の香りと苦味が独特のこの野菜ですが、20年ほど前は私たちが日本でプーリア郷土料理普及活動を始めた頃はまだ国内生産はされていなかったと思います。その頃はカキナや菜の花とブロッコリーを混ぜて代用していました。最近は日本国内でも随分生産されています。聞いたことはあるけど家では使ったことがないという方々、営業規制中のイタリア料理店など向けに生産されたこの野菜が一般向けのネット通販などに出回っているので是非一度お試しになって欲しいと思います。
 調理する時のポイントは、きれいな色が残るように軽く茹でるのではなく、くたくたになるまでじっくりと蒸し煮にすることです。青物をこんなに煮ちゃっていいの~?!と思うほど煮ちゃってください!!おひたしではなくソースとしてパスタに絡むぐらいの柔らかさが欲しいのです。プーリアの我が家では土を落とすためにさっと洗った後の水分とひとつまみの塩、プチトマト数個、月桂樹の葉、そしてたっぷりのオリーヴオイルで鍋に蓋をして中火にかけます。ここでオリーヴオイルとプチトマトが味を決める重要な出汁の役割をします。お好みでアンチョビやニンニクを加えてもメリハリのついた味になります。
パスタの茹で汁を加えてさらに煮込んでも良いですし、煮る具合を軽くしてパスタと合えずに副菜としてそのまま召し上がっても美味しいです。シンプルな調理法ほど素材の良さが味に出るので、レシピ通りに作っても同じ味にはなりにくいかもしれません。是非我が家の味を当地で召し上がっていただきたいものです。

1日も早く気軽においでくださいと言える日が来ることを願っておりますが、それまでは是非国産チーマディラーパを食べてプーリアへ思いを馳せていただきたいものです。

大橋美奈子 Facebook
https://www.facebook.com/minako.ohashi

メール・アドレス
minako@da-puglia.com

大橋美奈子さん経歴

 演劇の勉強で欧米に留学し、欧米の料理に馴染みました。主人の
ジョバンニ・パンフィーノはスイスの有名ホテル学校を卒業後、
レストランビジネスに入り、 高級ホテルやイタリア高級レストラン
のビーチェのヨーロッパの店舗で働いた後、 東京椿山荘に開業した
超高級ホテルのフォーシーズンの高級イタリアンとして開業した
ビーチェの指導責任者としての勤務経験がある外食のプロです。
 そのジョバンニ・パンフィーノと,日本で知り合い結婚し長女を
授かり育てていたのですが、数年前に子供の教育と生活環境を考
え、主人の故郷であるイタリア・プーリアに本格的に移住したので
す。母が料理学校を主催している関係で食に興味を持ち、自ら自家
農園で野菜を育て、自家製のオリーブオイルで体に優しい料理を楽
しんでいます。現在はプーリアで生活をしながら、イタリアの情報
発信をしたり、コンサルティング、輸出入ビジネスを行っておりま
す。

 また、時々イタリアの食ツアーを開催しています。これから私が
惚れ込んだイタリア・プーリア地方の自然を堪能する食情報を
お届けします。

 ブーツの形をしたイタリア半島のちょうどとがったヒールの辺り
がプーリア州です。私たちが日本とプーリアの架け橋になろうとダ
プーリアという会社を起したのは15年前です。その頃と比べ、日
本でも随分認知度が高まったプーリアですが、この数年主に欧米人
のヴァカンス先として大変注目を浴びています。
https://www.facebook.com/1438029856464276/photos/a.1438031556464
106.1073741828.1438029856464276/1523683344565593/?type=1&theater

 プーリア州の中心部にあるイトリアの谷(谷というより盆地という
方がふさわしい)にあるこの地に東京から移り住んで6年、兼業農
家的生活も板に着いて来ました。プーリアといえばイタリアの食料
庫といわれる程の一大農産地でオリーヴオイル、ワイン用のブドウ
をはじめ多くの野菜や果物がイタリア1番の生産量を誇ります。

 また、この地特有の地元でしか食べられない産物も沢山ありま
す。プーリア料理の身上は新鮮な食材をシンプルに食す事。この地
で生産されるチーズやワインもその料理と切っても切れない関係に
あります。そんなプーリアの我が家の毎日の食卓に上る食べ物、
飲み物たちをご紹介させていただきます。
 我が家では7対3の割合ぐらいで一般的に言うところのイタリア
料理(プーリアの郷土料理)と日本食、その他(私が個人的に好き
なアメリカン及びアジアンテイストな創作料理)を食べています。

有限会社ダプーリア 
http://www.da-puglia.com/

大橋美奈子プロフィール 
http://www.da-puglia.com/archives/000047.html

プーリア州の説明
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%83%E3%83%AA%E3%83%A3%E5%B7%9E

ダプーリア
大橋美奈子


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?