フットボールと身体の関係について 〜身体の状態①〜

私はこれまで南米やヨーロッパでプレーしてきて、

活躍できる選手とそうでない選手の違いに気付かされた。

欲を言うならば、幼少期のサッカーを始めた頃に気付きたかったが、逆に大人になってから知れたのが良かったとして、もっと上手くなりたい子供達やそんな子を持った親御さんの為にここに記していきたいと思う。

もちろん、これからもっと上手くなりたいと思う全ての選手達にも是非、読んでもらいたい記事である。

まず、ここで書かせてもらうのは

この記事のテーマでもある

"身体"

そしてその身体の中でも、プレー中の身体の使い方といった

"状態"

にフォーカスを当てていく。

皆さんはシュートを打つ時、何を意識しているだろうか?

何年も競技歴がある人なら自分の状態は気にせず、キーパーのタイミングを外す事だったり逆をつく事などそれ以外の部分を意識してシュートを打つだろう。

私が気にして欲しいのは、シュートモーションに入る前と入る時、そしてシュートする時に

A. シュートしかできない身体の状態


なのかそれとも

B. 仮にDFにシュートブロックされそうになっても、もう一個どの方向にも勢いを保ったままスムーズにドリブルで運べる身体の状態

なのかということ。

姿勢的な面で言うと、

A.立っている状態、骨盤が後傾している状態


なのか

B.骨盤が前傾し、肩甲骨を寄せている状態


なのか。

そして、シュートに入る前の助走段階の自分の状態も重要になってくる。

相手選手は、その助走段階で自分のプレーの予測を立ててくるからだ。

シュートモーションに入る前〜入る時まで良い状態でいれるかと、
自分がシュートを打つ時に良い状態で打てる技術があるか


が良いシュートを打てて、尚且つ敵が反応してきてもそれにすら対応できるプレーが可能な状態のカギとなる。

※ここでは良くない状態の方をA、良い状態の方をBとして話を進めていく。


AとBでは大きな差があると思っていて

Aは、

1. シュートブロックに対して自分ができる対応が、止まる事しかできない。

2.スピードに乗った状態でのシュートが難しく、せっかくトップスピードで走っていてもシュートを打つ時にはスピードを少し緩めないと蹴れない。

3.ズラしてシュートなど、早いタイミングでのシュートを打つのが難しい

Bは、

1. シュートブロックに対して自分ができる対応が、切り返しやもう一つ中にドリブルで運んで行くこと、止まる事、そしてパスも選択出来る。
勢いを持ったままスムーズに主導権を握り続けられるプレーを選択できる。
例)キックフェイントで中に切り込んで行くプレー

2. 走ってるスピードをころさず、そのままシュートまでいける。(強く・速く動ける)
→自分の100%の力が伝わるため、シュート力が増す

3.良いシュートが打てる

4.ズラしてシュートなど早いタイミングでのシュートが可能


文章のみだと中々理解しにくい所もあるかもしれないので、
ここで実際にメッシのプレーを見ていただきたいと思う。

映像)

3タッチした後にシュートに入ろうとしているが、その時点で相手は予測してシュートコースに足を出してきている。そこでメッシはそれに対して止まる事もスピードも緩める事もなくドリブルで運ぶ選択に変えている。
仮にシュートモーションに入る時にAの状態だった場合、シュートモーションに入るに当たってスピードを緩めないといけない。また骨盤後傾で後ろ重心の為、相手のシュートブロックに対してもう一個運ぶとしたら後ろに重心が行ったものをもう一度前に持ってかないといけないから時間がかかる。
→上記のスピードが落ち、プレーのテンポが落ちるためこの高いレベルの試合ではシュートまでいけないといった事態に陥りやすくなる。


この画像で言う4枚目までは、シュートを打とうとしているが、5枚目からは自分のシュートに対して敵が反応して来ているのを感じているのでドリブルでもう一個運ぶプレーにシフトチェンジしている。

ドリブル時とシュートに入るまでの身体の状態の差がそこまで大きく無いが、パッと見た時にシュートを打つ雰囲気が大きく出ているのと、
ドリブルやシュート、パスをする際の動きにおいて身体の使い方にそこまで大きな差が無いからこそプレーを途切らすことなくスムーズに主導権を握りながらプレー出来ているお手本のような例である。





幼少期から、フリーキックのような置いて蹴る練習ばかりやっていると、止まっているボールに対して自分が心地良く蹴れる癖が付く為、どうしても動きの中で蹴る技術(状態)というのが身につき辛くなるように思う。

特に立ってプレーしている(棒立ちのままプレーしている)と言われる選手の多くがその傾向にある。


今回の記事の内容は、自分の身体の癖なので、自分の身体の使い方は世界で活躍する選手たちとどう違うのかという点を是非比較してみて欲しい。

華麗なゴールやパス、足技といったモノを支える選手達の身体にも注目して見る事が日本サッカーの未来を子供達のサッカー人生をより輝き楽しいものにしてくれるはずだと感じている。

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