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キック練習の考察

私が普段、楽しく記事を読ませて頂いているサッカー指導者の同志(と勝手に思わせて頂いている)atsushisさんがインサイドキックについて興味深い記事を書いていたので、今日は私のキックの指導に関するこだわりについて。

ボールの蹴り方はサッカーを教える上での基本中の基本だ。
私も小学校2年生で少年サッカーチームに入った時に最初に練習したのがインサイドキックというのは33年経った今でも割りと鮮明な記憶がある。

キック指導を軸にして、「チームスポーツにおけるキック指導の悩み」「アシスタントコーチの役割」「キック指導の効能」の3部構成で綴る。

チームスポーツにおけるキック指導の悩み

結論から書くとキック指導は言語化が実に難しい。敢えて自分なりにキックのコツを言語化すると、こんな感じか。

  • 軸足をボールの真横に置きつま先を蹴りたい方向に向けよう。

  • ボールの真ん中を蹴ろう。

  • インサイドならくるぶし、インステップなら甲で蹴ろう。

  • インステップは指を下に向けてカーブを作ろう。

この程度が限界だ。
そして、厄介なのは股関節などの柔軟性や骨盤の形、向き?など体には個人差があり一番最適な蹴り方もおそらく人によって異なる。(正直、自分自身遠くに蹴るのは不得手で、30年以上蹴り続けても自身のキックに自信がないし、子どもでも非常に綺麗なフォームの選手はとても羨ましい。)

キックが下手で言語化も難しい中で私が実際の指導で工夫しているのは聴覚を大事にすること。
選手たちにインパクトの瞬間の音に着目することを伝えている。
うまく蹴れた時と蹴れなかった時の音の違いは割りと明確だし、これは自分のキックでもコーチでも仲間の選手でも良くて、違いを認識することがポイントだ。
あとは、ひたすらうまくいった時の蹴り方といかない時の蹴り方の違いを反復しながら覚えさせること。
「今、うまくいったのはさっきと蹴り方の何を変えたの?」「今、いい音がしなかったのは何がいけなかった?」この質問の繰り返しだ。
ボールに力が伝わりやすいインステップでコツを掴んだ瞬間の子どもの小さな成功体験は指導者にとってとても嬉しい瞬間だ。

キック指導におけるアシスタントコーチの役割

サッカーをはじめたタイミングや親がサッカー経験者かいなか、上述した個々人の体の特徴などあらゆる要素でキックの技術には個人差がある。
だけど、チームスポーツという性質上、チームの連携に関する練習は一定レベルのキックができる前提で練習が設計されがちだ。
キックの基礎ができていると連携練習の質が上がる一方で逆も然りだ。
ここで、アシスタントコーチの私は隙間時間を使ってキックの苦手な子たちに声かけして個別に教えることを意識的にやっている。
休憩時間や試合の空き時間、練習前後の時間を使って指導(というよりは最低限の言語化した説明であとは自身での反復)することを心がけている。
これが、アシスタントコーチの腕の見せ所である。
また、蹴り方を分かっているけどできないのと分かっていないのは大きな違いがあり、後者の選手をできるだけ少なくすることが肝要だ。

キック指導の効能

キックがうまくなるとミニゲームで点がとれるようになる。
ミニゲームで点がとれたら練習試合で点がとれるようになる。
練習試合で点がとれたら公式戦の出場時間が増え点がとれる確率も増える。
練習したら上手くなり、上手くなるとサッカー楽しい!もっと練習しよう!!というループになり勝手に自主練に取り組むようになり結果、キック意外のスキルも上がるというのがキック指導の効能だ。
この成長スピードは個人差が当然あるから指導者は前向きな声かけが必要なことは言うまでもない。
そして、チームの連携に関する練習をする際に、インサイドキック(更にはトラップも)が使えるかは、練習の質を左右する大きな要素となる。
パス(とトラップ)が一定レベルにできれば練習の効果も上がるが、それができないと個人及びチームとして練習の効果が限定される。

最後はおまけでこの記事のきっかけを作って頂いたatsushiさんの記事について、少しふれる。
atsushiさんを勝手にサッカー指導者の同志とさせて頂いているのは、指導者としての向上心に感銘を受けたからだ。
選手がどうしたら上達するか、本質を追求し、あらゆるツールや手段を試し、言語化もしながら実践する。その姿勢に感銘を受けた。
私も指導者として姿勢や練習方法ともに非常に学ぶことがたくさんあり、今後もぜひ参考にさせて頂きたい。

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