ブーメラン発言道『#毎週ショートショートnote』
森の一本道を一人の狩人が歩いていました。
弓矢を持ち、獲物がいないか周りを見渡していました。
しばらく歩いていると、鳥が飛び立ちました。
矢を放ちましたが、当たりません。
「外したか」
次はタヌキが出てきました。
矢を放ちましたが、当たりません。
「外したか」
次は鹿が出てきました。
矢を放ちましたが、当たりません。
「外したか」
それから何回も矢を放ちましたが、当たりません。
狩人は何回も「外したか」と呟きました。
疲れた狩人は帰ろうと来た道を戻ります。
すると、狩人が放ったものとは別の矢が道に刺さっていました。
首を傾げながら歩を進めると、何本もの矢が道や木に刺さっていました。辺りを警戒していると、ウサギが出てきました。
急いで矢を放つと、当たりました。
「当たった」
狩人の背中にも矢が当たりました。
この森は腕のいい狩人は生きて帰れません。
一本道での自分の発言が返ってきます。
「当たった」「仕留めた」と言えば終わりです。
おや、また一人、狩人が来ましたよ。
腕のいい狩人ならすぐ終わって楽なんですけどね。
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