ほろ苦ココアにキスをした  ♯02

前回はこちらから
初めて読む方は事前に、♯01の「本編入る前に」を読んでから本編にお進みください。


その日の午後、ショックのあまり仕事に集中できなかった。
こんなところで、失恋確定したの聞きたくなかった。
何事もないように振舞っていたが、心の傷は思ったより深かった。

しかも、研修残り1週間となった辺りで、今まで親身だったのに彼から「今までこちらから指示して一緒に行動してきたけど、これからは自分で考えて行動してみて」と言われ、同様のことが日報のコメント欄に書かれた。いきなり突き放された感じがして、焦りを感じた。

社会人なのだから当たり前ではあるのだが、自分で考えて行動しなきゃと頭の中がグルグルしてしまい、出勤することすら緊張するようになってしまった。今まで楽しかった仕事が怖くなった瞬間だった。彼と話すのでさえ少しだけ怖かった。

ちなみに、1年後に本社から日報が返されたのを機に彼に「自分で考えて行動してみて、て言ったの覚えてる?」て聞いたら、「全く覚えてないw」て返ってきた。
だと思った(笑)

どうやら無意識に言っていたらしいが、研修期間から私に期待していたらしい。

そんなこんなで彼がいる部署での研修を終えた。最終日、半分泣きながら出ていった気がする。他部署ではそんなことなかったのに。たぶん「頑張ったね」て先輩方に褒めていただいたが、私なんて無力で戦力になっていないと実感したからだと思う。褒めていただいたのにそれが申し訳ないくらいに。

ただ、1個だけ研修期間で心残りがあるとすれば、研修最終日彼が休みで会えなかったことだろうか。その前日辺りは私が2連休だったのでかれこれ3~4日会えないまま研修が終わってしまった。研修終わる辺りで「研修どうだったか聞きたいから個別で話す機会作るねー」とか言っていたのに。残念。

約3ヶ月半に及ぶ全研修期間を終え、工場長との面談を得て、配属式の日を迎えた。部署は4つあるが、1つは新人を取らないことが確定していて、1つはたぶん新人を取らない(充足しているため)。そうなると選択肢は2つに絞られるのだが、とてもじゃないが、フラバを引き起こした部署に配属されるのはごめんだった。この時点で私が希望している部署は1つしかない。

配属されたのは、希望していた彼がいる部署だった。


続きはこちら


この記事が参加している募集

忘れられない恋物語